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第二幕
真夜中の団欒 その2
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アオは続ける。
「さっきも言ったとおり、『作品は読者や視聴者のものなんて嘘』ってのを決定的に証明する事実が、<打ち切り>。
『作品は読者や視聴者のもの』だって本気で思ってるんなら、たとえ読者や視聴者が一人しかいなくたって打ち切っちゃダメじゃん。たとえ一人でも『打ち切らないで!』って願うなら打ち切れるはずないじゃん。
でも現実には、<儲けが出ない作品>は、打ち切られるんだよ。読者や視聴者が何を言ったってね。少数の読者や視聴者は、考慮されない。切り捨てられる。
これが現実。
この事実がある以上、『作品は読者や視聴者のもの』だとか、鼻で笑っちゃうね」
『ヘッ…!』とニヒルな笑みを浮かべながらアオは肩を竦めた。
「うわ~…ドン引くわ~……マジか~……」
安和は困惑しきりで呟く。
そこに悠里が、
「でもまあ、それが事実だっていうのは僕も感じるよ。それに安和、お母さんが言いたいのは、
『読者や視聴者のことなんて考えなくていい』
ってことじゃなくて、僕達、読者や視聴者の側が『お客様は神様だ!!』的に横暴に振る舞うのは、結局、創作にとってマイナスになるってことなんだと思う」
指摘すると、
「そう! まさにそれ!!」
夜中なので抑えつつも、アオが声を上げた。
「私は、作者であり作り手側でもあるけど、同時に、他の人の作品に対しては読者であり視聴者でもあるんだ。そして、読者であり視聴者として、『作品は読者や視聴者のもの』なんていう実感は一ミリだってない。私が他の人の作品に対して口出しするのはおかしいじゃん?
そういうことなんだよ」
「あ~……そう言われればなるほどそうかなって思わないでもない……」
などというやり取りをしつつ、夜は更けていく。
悠里と安和はダンピールなので、当然、夜が本来の活動時間である。
一方、椿はもちろんすでに就寝中だ。彼女が寝付くまで、ミハエルが添い寝をしてくれている。
そして今、妻と子供達の様子を、ミハエルはコーヒーの用意をしながら嬉しそうに見守っていた。
最近はそういうこともなくなったけれど、もし、椿が目を覚まして誰も傍にいないことに不安になって泣いたりすれば、いや、泣く気配を見せるだけでミハエルがそれを察して、再び彼女が寝付くまで一緒に寝てくれた。
アオも気を付けているものの、ミハエルの方が圧倒的に早く気が付くので、結局、彼に任せっぱなしになる。
けれどそうやって不安になればすぐに父親が駆け付けてくれるから、椿は自分が愛されていることを疑わない。
これは、悠里と安和が幼かった頃(今でも外見上は幼いが)にもやったことである。
「さっきも言ったとおり、『作品は読者や視聴者のものなんて嘘』ってのを決定的に証明する事実が、<打ち切り>。
『作品は読者や視聴者のもの』だって本気で思ってるんなら、たとえ読者や視聴者が一人しかいなくたって打ち切っちゃダメじゃん。たとえ一人でも『打ち切らないで!』って願うなら打ち切れるはずないじゃん。
でも現実には、<儲けが出ない作品>は、打ち切られるんだよ。読者や視聴者が何を言ったってね。少数の読者や視聴者は、考慮されない。切り捨てられる。
これが現実。
この事実がある以上、『作品は読者や視聴者のもの』だとか、鼻で笑っちゃうね」
『ヘッ…!』とニヒルな笑みを浮かべながらアオは肩を竦めた。
「うわ~…ドン引くわ~……マジか~……」
安和は困惑しきりで呟く。
そこに悠里が、
「でもまあ、それが事実だっていうのは僕も感じるよ。それに安和、お母さんが言いたいのは、
『読者や視聴者のことなんて考えなくていい』
ってことじゃなくて、僕達、読者や視聴者の側が『お客様は神様だ!!』的に横暴に振る舞うのは、結局、創作にとってマイナスになるってことなんだと思う」
指摘すると、
「そう! まさにそれ!!」
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そういうことなんだよ」
「あ~……そう言われればなるほどそうかなって思わないでもない……」
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けれどそうやって不安になればすぐに父親が駆け付けてくれるから、椿は自分が愛されていることを疑わない。
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