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自業自得

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拘束したゲリラを警察に引き渡した後、ボリスの部下達は石油採掘の仕事へと戻っていった。

「悪いな、面倒なことに巻き込んじまって」

部下達を見送った後、ボリスがセルゲイ達のところに戻ってきて頭を掻きながら言う。

とは言え、こればっかりはゲリラの側が勝手に狙いをつけてくることなので、別にボリスに責任があるわけじゃない。もちろんセルゲイやミハエルもそれは分かっているし、悠里ユーリ安和アンナでさえ、

「ううん」

「ボリスさんの所為じゃないよ」

と言ってくれた。

「それに……」

悠里が少し改まった様子で口を開く。

「それに、なんかすごく大事なことを教わった気がする。僕にはまだ難しくて整理するのにはちょっと時間が掛かるかもだけど、でも、大事なことだと思うんだ」

悠里の言葉に、ボリスはフッと顔をほころばせた。しかし、

「そうか……そう言ってもらえると俺もありがたいよ。俺の子供達には、ロクに何も言ってやれなかったからな……」

とも言って、寂しそうな表情になる。その様子に、悠里と安和もハッとなって、

「もしかして、子供達を……」

と言いかけたところで、ボリスが、

「いや、俺が軍を辞めてベネズエラで石油掘るって言い出したら、女房が、『ふざけんな!!』ってブチ切れて子供ら連れて出てっちまってな。それ以来、連絡も取れねえ」

苦笑いを浮かべながら頭を掻くから、悠里と安和も拍子抜けしてしまった。

漫画やアニメならそれこそ『ズッコケて』しまっていたところだろう。

ただ、それでも、

「連絡も取れないって、ちょっとひどいね……」

安和が少し怒ったような表情で言う。が、そんな安和に、ボリスはまた苦笑いを浮かべて、

「ああ…まあでも、子供らも俺とは顔も合わせたくないだろうからな……

なにしろ、軍にいた頃の俺は、ストレスもあって、子供らに手を上げたのも一度や二度じゃねえし。

上の子には、『殺してやる!』とまで言われたよ……

まだ十歳だったんだぜ? そんな子供が親に向かって『殺してやる』って言うくらいなんだから、その頃の俺が子供から見てどれくらい理不尽な奴だったかってこった……

しかも俺は、そんな息子に向かって、

『やれるもんならやってみろ! 俺は殺意を向ける奴ならたとえ十歳のガキでも容赦しねえ!!』

とか言っちまったんだ。まともじゃねえ……

ユーリやアンナならどう思う? 父親にそんなこと言われて嬉しいか?」

と尋ねられ、二人は、

「!」

ぶんぶんと首を横に振った。そんな二人の姿を見て、ボリスは納得したようにフッと微笑んだ。

「そうだろ? それが答えだ。俺のはただの自業自得だよ。あいつらが悪いんじゃねえ……」

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