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(4) 魔鞄の中身

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鞄から取り出した中から引き出した魔道具。それは、携帯の鑑定装置であった。


「使い勝手が悪いんだよな。魔法を掛けられたんじゃないのか。よし、鑑定!」


カチッ、ヒュウ・・・・ン。ンーン。


あれ、止まった。パトリシアは、自分の魔力を注いで入れ直す。これも、何度もやらされた。何の魔法なんだ。魔法庁のエリートを舐めてるぞ!


『ガー、ガー、かかかか鑑定!パパパパトリシア・バートンはははは、女の子で、10、10、10歳いいいです!』


ムッとする、壊れてるのか。パトリシア・バートンなんて誰の事だ。女の子?10歳の子供だと?ふざけるな。


「姿見、オーブン!」


魔法庁に勤務している為に、チェック用の鏡を鞄に入れていた。魔法庁の幹部ともなると、身だしなみは重要。王家の侍従からも注意を受ける。


ギギギギ、ギゴーン!


と、お化け屋敷のように音を立てながら出現した立ち鏡。外だから暗い。炎を出して照らす。そこに映ったのは。本当なら全身でいっぱいになるのに、半分もいかない小さな身体。


「誰だ、これーー?」


魔法庁きっての色男と称され女達に追い回されてきた男の成れの果て。髪ボサボサで破れた服を着た汚い子供の姿。

これが、パトリシア・バートンなのか。待てよ、忘れてないか。あれを。


「女の子だと、俺が!」


魔法使いドルウ・ゴメス32歳で独身。それが、子供にされただと。それだけなら、まだしも。女の子だと。魔法かけた奴を見つけたら、絶対に許さないからな!

この人、自分が転生した事を気がついていない。だから、自分の家に帰ろうと移動魔法を使った。


「何時までも、こんな処に居られない。早く、家に帰って対策を考えるとしよう。仕事もあるし。移動!うん、移動?おい、移動ー!!」


これまでなら、直ぐに魔法が動いたのに少しも移動しない。こんな事は、始めてだ。子供の頃から天才で失敗を知らないドルウ・ゴメスの30代になって初めて味わう挫折であった。どうなってるんだ?


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