34 / 76
(33) 療養所のお客様
しおりを挟む
「ゴメス商会のお知らせ」
イトウ子爵家の領地の皆様。この度、療養所を建てる事となりました。工事の間はご迷惑をお掛けするかもしれませんが有ったらお知らせ下さい。迅速に対応致します。
工事の日程=3日間。
どうぞ、宜しくお願いします。
「責任者」スタンレー王都店長、ジュリアン・ハーパー
領地の西の山の日陰の湿地で工事が始まったなと思ってると、もう、終わりました。綺麗な白い洋館が建っております。領地の人達は物珍し気に見学に来ておりました。
マルグリートも、好奇心から見に来ております。芸術的な模様の鉄柵の外から眺めていると見知った顔が庭を歩いて来た。
「お義母さま、私です。マルグリートです。ここ、ここよ!」
声のする方に首を回して柵の外の若い娘の姿に気がついたイトウ子爵夫人。硬直して「ひー!」と声にならない悲鳴。でも、ギクシャクした動きで柵へ歩み寄る。
「あ、あら、マルグリート様。どうされましたか?(寝てる時間なのに)」
夫人は、この息子の嫁が苦手なのだ。どう扱っていいのか分からない。お金持ちのお嬢様で身分が違い過ぎるわ、夜に起きてて昼に起きるし、離れに閉じ籠って出て来ないし。
「療養所を見学に来ましたわ。お義母様は何をしてらっしゃるの?」
精一杯の愛想を振り撒く嫁は、普段が無愛想なだけに怖い。
「今日、始めての入所の方が見えるので準備を。」
「まあ、いらっしゃるの?じゃあ、私も手伝いますわ!」
嫌も応も無い。強引に入り込んでしまう令嬢。断りたいのだが断りきれず入れる義母(断ったら後が)。
そして、お客様が到着された。ハーパー店長が移動魔法で連れて来たのだ。
「お客様をお連れしました。こちらは、ベネディット・バデロッサ 公爵です。」
マルグリートは、目を見張る。ハニーブロンドの髪にアメジストのよな瞳。画に書きたくなる程の美男子だわ。それに、公爵ですって。お買い得でしてよ。
「ようこそ、バデロッサ公爵様。」
笑顔満開、向日葵の花よ。見つめられちゃった。私の美しいスマイルに見惚れてるのかしら。当然だけど。
イトウ子爵家の領地の皆様。この度、療養所を建てる事となりました。工事の間はご迷惑をお掛けするかもしれませんが有ったらお知らせ下さい。迅速に対応致します。
工事の日程=3日間。
どうぞ、宜しくお願いします。
「責任者」スタンレー王都店長、ジュリアン・ハーパー
領地の西の山の日陰の湿地で工事が始まったなと思ってると、もう、終わりました。綺麗な白い洋館が建っております。領地の人達は物珍し気に見学に来ておりました。
マルグリートも、好奇心から見に来ております。芸術的な模様の鉄柵の外から眺めていると見知った顔が庭を歩いて来た。
「お義母さま、私です。マルグリートです。ここ、ここよ!」
声のする方に首を回して柵の外の若い娘の姿に気がついたイトウ子爵夫人。硬直して「ひー!」と声にならない悲鳴。でも、ギクシャクした動きで柵へ歩み寄る。
「あ、あら、マルグリート様。どうされましたか?(寝てる時間なのに)」
夫人は、この息子の嫁が苦手なのだ。どう扱っていいのか分からない。お金持ちのお嬢様で身分が違い過ぎるわ、夜に起きてて昼に起きるし、離れに閉じ籠って出て来ないし。
「療養所を見学に来ましたわ。お義母様は何をしてらっしゃるの?」
精一杯の愛想を振り撒く嫁は、普段が無愛想なだけに怖い。
「今日、始めての入所の方が見えるので準備を。」
「まあ、いらっしゃるの?じゃあ、私も手伝いますわ!」
嫌も応も無い。強引に入り込んでしまう令嬢。断りたいのだが断りきれず入れる義母(断ったら後が)。
そして、お客様が到着された。ハーパー店長が移動魔法で連れて来たのだ。
「お客様をお連れしました。こちらは、ベネディット・バデロッサ 公爵です。」
マルグリートは、目を見張る。ハニーブロンドの髪にアメジストのよな瞳。画に書きたくなる程の美男子だわ。それに、公爵ですって。お買い得でしてよ。
「ようこそ、バデロッサ公爵様。」
笑顔満開、向日葵の花よ。見つめられちゃった。私の美しいスマイルに見惚れてるのかしら。当然だけど。
0
お気に入りに追加
232
あなたにおすすめの小説
婚約していないのに婚約破棄された私のその後
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「アドリエンヌ・カントルーブ伯爵令嬢! 突然ですまないが、婚約を解消していただきたい! 何故なら俺は……男が好きなんだぁああああああ‼」
ルヴェシウス侯爵家のパーティーで、アドリーヌ・カンブリーヴ伯爵令嬢は、突然別人の名前で婚約破棄を宣言され、とんでもないカミングアウトをされた。
勘違いで婚約破棄を宣言してきたのは、ルヴェシウス侯爵家の嫡男フェヴァン。
そのあと、フェヴァンとルヴェシウス侯爵夫妻から丁重に詫びを受けてその日は家に帰ったものの、どうやら、パーティーでの婚約破棄騒動は瞬く間に社交界の噂になってしまったらしい。
一夜明けて、アドリーヌには「男に負けた伯爵令嬢」というとんでもない異名がくっついていた。
頭を抱えるものの、平平凡凡な伯爵家の次女に良縁が来るはずもなく……。
このままだったら嫁かず後家か修道女か、はたまた年の離れた男寡の後妻に収まるのが関の山だろうと諦めていたので、噂が鎮まるまで領地でのんびりと暮らそうかと荷物をまとめていたら、数日後、婚約破棄宣言をしてくれた元凶フェヴァンがやった来た。
そして「結婚してください」とプロポーズ。どうやら彼は、アドリーヌにおかしな噂が経ってしまったことへの責任を感じており、本当の婚約者との婚約破棄がまとまった直後にアドリーヌの元にやって来たらしい。
「わたし、責任と結婚はしません」
アドリーヌはきっぱりと断るも、フェヴァンは諦めてくれなくて……。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
君は、妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは、婚約中だが、彼は王都に住み、マリアは片田舎で遠いため、会ったことはなかった。でも、ある時、マリアは、妾の子であると、知られる。そんな娘は大事な子息とは、結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして、次の日には、迎えの馬車がやって来た。
【完結】婚約者と幼馴染があまりにも仲良しなので喜んで身を引きます。
天歌
恋愛
「あーーん!ダンテェ!ちょっと聞いてよっ!」
甘えた声でそう言いながら来たかと思えば、私の婚約者ダンテに寄り添うこの女性は、ダンテの幼馴染アリエラ様。
「ちょ、ちょっとアリエラ…。シャティアが見ているぞ」
ダンテはアリエラ様を軽く手で制止しつつも、私の方をチラチラと見ながら満更でも無いようだ。
「あ、シャティア様もいたんですね〜。そんな事よりもダンテッ…あのね…」
この距離で私が見えなければ医者を全力でお勧めしたい。
そして完全に2人の世界に入っていく婚約者とその幼馴染…。
いつもこうなのだ。
いつも私がダンテと過ごしていると必ずと言って良いほどアリエラ様が現れ2人の世界へ旅立たれる。
私も想い合う2人を引き離すような悪女ではありませんよ?
喜んで、身を引かせていただきます!
短編予定です。
設定緩いかもしれません。お許しください。
感想欄、返す自信が無く閉じています
【完結】婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
●やきいもほくほく●
恋愛
マデリーンはこの国の第一王子であるパトリックの婚約者だった。
血の滲むような努力も、我慢も全ては幼い頃に交わした約束を守る為だった。
しかしシーア侯爵家の養女であるローズマリーが現れたことで状況は変わっていく。
花のように愛らしいローズマリーは婚約者であるパトリックの心も簡単に奪い取っていった。
「パトリック殿下は、何故あの令嬢に夢中なのかしらッ!それにあの態度、本当に許せないわッ」
学園の卒業パーティーを一週間と迫ったある日のことだった。
パトリックは婚約者の自分ではなく、ローズマリーとパーティーに参加するようだ。それにドレスも贈られる事もなかった……。
マデリーンが不思議な日記を見つけたのは、その日の夜だった。
ーータスケテ、オネガイ
日記からそんな声が聞こえた気がした。
どうしても気になったマデリーンは、震える手で日記を開いたのだった。
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる