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(30) 王女様の正体

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10歳の時に時に鑑定スキルを付与されたヘルミーナ王女は、家族にも隠してきたのだ。

マルグリートは、療養所を建てる土地を下見に来たハーパー店長を誘ってお茶を飲んでいたのだが。話に驚いてしまう。


「あの王女様は、社長なんですか?」

「はい、ゴメス商会とお仕事をされるようになって5年というように聞いております。」

「ちょっと、待って。ヘルミーナ様は、18歳のはずよね。数が違うんじゃないかしら、13歳の子供が出来ないでしょ。」

「いいえ、天才ですから。今は私どもの会社が委託されておりますけど。それ以前は、個人で手配して仕事されてたとか。」

「あのねえ、どのくらいのお仕事か教えて。女の子の仕事ですもの。」

「内緒ですよ、少なく見ても☆☆☆☆万の年収ではと。」


その聞かされた金額に椅子の上で固まった。そんな大金持ちとは知らなかったから。私とは違いすぎる。それなら、婚約解消して1人で生きていけるわよ。

なんだー、お茶に誘ったのに失敗したわ。結局、ヘルミーナが偉いって話で終わっちゃった。誘惑してるのに、気がついてよね!








「夜の魔法学校」

ライアンは、マルグリートの視線に気がついて問いかける。


「マルグリート様、どうしました。僕の顔を見てばかりですけど?」

「大した事じゃないのよ。この人がヘルミーナ様の婚約者なんだなと実感してたの。」

「ええ、婚約してます。あの方に選んで頂けたので光栄に思ってます。」

「へー、好きなの?」

「はいっ、大好きです!」


おや、まあ。ライアンたら顔が赤いわ。ヘルミーナは婚約解消したいのに。ふいに、肩に手が置かれたのでマルグリートはドキッとする。馴れ馴れしい仕草はエドワードだ。


「お嬢様、分からない事は僕に聞いて欲しいな。君になら、何でも教えてあげるよ。」


耳もとで囁く事か。この教室へ通って分かった事。誰にでも無意味に積極的な美男子。本気じゃないと分かっていても、ドキドキする。女たらしだわ。


(あー、又だわ。ライアンたら、メモしてる。エドワードさんの真似する気なのね。だから、婚約者に嫌がられるのよ!)


本人は一生懸命なのだろうが。女慣れしているエドワードから学んで好きになって欲しいのは分かる。

それが好きな女性なら良かったのだけど。鑑定で稼いで自活できるキャリアウーマンだし。投資もして家を何軒も所有していると聞いてしまっては、貧乏国の跡継ぎではない王子様に勝ち目があるとは考えられないし。



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