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(27) それぞれの時間

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ヘルミーナはマンダゴラ栽培が上手くいきそうなので上機嫌。イトウ家で正式な契約書を交わすのだ。


「イトウ子爵様、別の計画もありますの。ここで、療養所を作りたいと思ってます。」


イトウ子爵は、驚く。こんな何も無い場所に領地になんて大丈夫なのだろうかと。


「それは、特別な療養所なんでしてよ。呪いを掛けられた方の身体から悪い呪文を落とす為の。ここは、呪われた土地ですから居るだけで治療になるはずですわ。」


イトウ子爵は、仰天。何を言い出すのやら、ここが呪われた土地だと。


「ここは、ご先祖様が王様から褒美に頂いた物。呪われた土地だなんて有り得ない!」

「まあ、ご存知なかったのですね。ごめんなさい、知らなくて。古い文献にも、この土地で起こった因縁の様が記録されておりますわ。だから、誰も住んで無かったらしくて。あ、子爵様。大丈夫ですか!」


子爵は、卒倒した。勇者だったご先祖は歴史に疎く、喜んで土地に移り住んだのか。そこで、代々と暮らしてきたが生活は苦しくなるばかり。そうだったのなら、理由が分かる。

ヘルミーナは、子爵家や領民の家の底上げを約束してくれた。土地から切り離す事で運を弱らせられずに済むという。










その話をマルグリートは呼びつけたアグアニエベに聞かせる。


「あの令嬢って、何者なの?魔法は使えないと言いながらジャンジャン使ってるし。鑑定は、やるし。それも、速い、正確、鑑定だけで食べてけるじゃない。本当に王女なの?」

「本当ですよ、ドモン国の王女様です。あの方に鑑定の才能があるのを見出だしたのは、私です。エヘン!(褒めて)」

「あー、聞きたくないわ。私より才能のある人なんて嫌い。それより、頼みがあるのよ。」

「そうですか、残念です。話したかったのに。何でしょう?エドワードさんは、女性の扱いが上手いからお付き合いは教えて下さったはずですが(子供からお年寄りまで親切だから)」

「女慣れ過ぎるわね、遊び人よ。それより、手に入れてくれないかしら。」


と、マルグリートは特別な品をアグアニエベに依頼したのでした。何かな?
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