(完)仕方ないので後は契約結婚する

(２１) 解決方法を教えて

良い知恵は、ないのかしら。


「え、何を私に求めてるのよ？」


今日のマルグリートお嬢様は夕刻に起きてきた。それまで、ヘルミーナは待たされていたのだ。客が来ようと絶体に自分の習慣を変えようとしない人。婚家の人達は、早朝から野良仕事に行ってるというのに。羨ましいわ。

ヘルミーナは、ダイエット食(クロワッサンとカフェオレ)をとるマルグリートを見つめて言った。


「貴女は頭がいいもの。計画的に婚約破棄させたじゃない。私の婚約も破棄できないかしら？」

「自分の事は自分でやれば。私は何もかも捨てるつもりだったから、やれただけよ。」

「捨てるって、そんなに婚約者が嫌でしたの？」

「貴女にだけ話すけど、私は妃教育だけでなく帝王学も勉強させられてたの。結婚したら、将来は王様代理をやらせる予定だったんだから。死ぬまで働き蜂よ！」

「死ぬまで働き蜂だなんて可哀想ですわ！」

「そうでしょ。そう、思うわよね。で、ライアンの何が不満なのよ。」


核心をついてくる令嬢だわ。頭のいい人って油断できません。


「このままだと、押し倒されそうなんですの！」

「押し倒・・！いいじゃない、押し倒されちゃえば。」

「そんな、無責任なー。」

「だって、貴女が選んだ相手でしょ。私みたいに、誰かが婚約を決めたわけじゃないもの。好きになれそうだから決めたんじゃないの？」

「・・・くじ。」

「え、何？」

「「あみだくじ」で選びましたから。」

「バカじゃない。婚約者を「あみだくじ」で選ぶ？そのまま、結婚すれば！」


呆れられてしまいました。本当、バカな事をしたと反省してます。私は。

マルグリートはというと、焦っていました。とっても。


(ヘルミーナ様ったら、何を悩んでるのかと思ったら。押し倒されるかもしれないですって？羨ましいっーー！私も、されたいっ！)


アホ王子は、１度も手を出した事が無かったのだ。他の女の子には出し放題だったけど。


(どうやったら、ムラムラさせられるのかしら？ヘルミーナ様は、魅了魔法を使ってるわけでも無いのに。負けてられないわ！)   


突然、ライバル意識が芽生えてしまった。彼女より先に押し倒されるのよ。先じゃないと駄目なの！

ただ、負けず嫌いでした。