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(15) 家が欲しいの

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ライアンの国は、何~~にも無いの。要するに貧乏国だったわい。聞きしに勝るくらいに。


「失礼だけど、国は何もしてないのかしら?」


ヘルミーナは、入国してからというもの豊かさの見えない風景に苛立ちを感じていた。見える家々は貧しく緑も見えない。とても、栄えているとは思えなかったのだ。

それを婚約者となった相手にストレートにブツケタのだ。ライアンは首を横に振る。どうしようも無いというように。


「資金が無くて。皆が頭が固いし変えようが無いんです。畑は痩せて収穫は見込めず、産業も無くて。国から出て行く者が絶えない。」


彼の声には悲哀が込められていた。どうする事も出来ない。ヘルミーナは、グッと両手を握りしめた。


「決めた、ここに家を買う。ここに住むわ!」


ライアンは、その言葉に戸惑う。「家」って何だ?買うとは、どういう事?

だけど、簡単には家は手に入らない。住める物件が無いからだ。空き家はあっても、ヘルミーナが住める物では無い。かなりの修理が必要だった。


「うーん、もう。自分で建てるから!」


まずは、土地が必要。ライアンに要求する。


「では、土地を手に入れて下さいな。」

「王女様、申し訳ありません。僕には、お金が無いのです。王宮に部屋を持っていますから、そこで。」

「王宮ですって?住まないわよ!」

「えっ?」

「何の為の持参金だと思ってるの。私が持って来たのだから、私が使うわよ。」

「そ、それは、そうですけど。ふふっー。」


急に笑いだした婚約者。ヘルミーナは、何なのと見つめる。すると、ライアンは態度を変えて見据えてきた。


「分かったよ。あんたの言う通りにする。それで、いいんだろ?うちの王家一族が文句つけたって知らねーよ。クソくらえだ!」


開き直ったライアン王子。まるで、別人出てただった。
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