王の恋

猫幸世

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王の恋

第13話

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声が出ないことで怯えている剛志の側を離れないようにレオンは剛志を抱き寄せながら1夜を過ごした。

そしてレオンは側で寝ている剛志を起こさないようにベッドからおりタンスの中から上下の下着と服を取り出すと剛志の身体に着せた。

その時、剛志が身体を動かしレオンが「起こしちゃったかな」と口にすると剛志は眠りについた。 

「寝返りか」

そう言ってレオンがベッドに座るとインターホンが鳴った。 

「剛志が起きてしまう」

何度も鳴るインターホンにレオンは急いで玄関に向かいドアを開くと三浦が立っていた。 

「三浦さん!」

「ルークさんの国がどこにあるかわかりますか?」

「どうしてルークの国の場所が知りたいんですか?」 

「ルークさんに返事をしたいから」

「ルークの国に行ったら」

「知ってます、ルークさんがホワイトオオカミだって、姿を見たから」

「わかりました、あなたをルークが居る国に運びます」

そう言ってレオンは玄関先で三浦詩織の姿を消しルークが居るオオカミの国に運んだ。 

運ばれた三浦詩織は草の中に立っていた。 

そして三浦詩織はルークを探すため歩き始めた。 

その頃、レオンはベッドに座りながら剛志の寝顔を見つめていた。 

それから暫くして剛志が目を覚ました。 

「おはよう」

「……」

無言で身体を起こし剛志が見つめるとレオンが口を開いた。 

「剛志君の声を取り戻すため俺は国に戻ります」

「……」

「剛志君は俺が戻るまで家から出ないように」

「……」

声が出ない剛志はスマホで言葉を書きレオンに見せた。 

「俺も一緒に行く、1人にしないでくれ」

「……」

「わかった、一緒に行こう」

そう言ってレオンが手を差し出すと剛志はその手を掴んだ。 

「行くよ」

「……」

剛志が頷くとレオンは剛志を連れてその場から姿を消し猫の国に向かった。 

その後、レオンと剛志はマタタビ畑に姿を現した。 

「ここは猫の国、俺が大人になるまで住んでいた国だ」

「す…す…」

「無理に喋るな」

「す…て…き…」

きまで言いかけその後、剛志は気を失い倒れた。 

「剛志!」

剛志をお姫様抱っこするとレオンは医者の元に急いだ。 

30分後、医者が住む家の前に着くとレオンは話しかけた。

「ミミさん居ますか、俺ですレオンです」

「どうぞ」

「失礼します」

ドアを開き中に入るとメインクーンの女性医師が出迎えた。 

「どうしましたか」

ミミ医師が話しかけるとレオンは剛志のことを話した。

「わかった、レオンさんが戻るまで剛志さんは私が預かる」

「ありがとうございます」

剛志を藁の上に仰向けで寝かせるとレオンは剛志をミミ医師に任せ自宅に向かった。 
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