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泣き虫でも魔法使いになりたい!!
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「・・・パパ?ママ?」
私はママの服をつかむ。
二人の顔が見えないから何とも言えないけれどすごく雰囲気が怖い。
「陽菜。目をしっかりとつむってるの。いい?」
ママが小さな声でそっと私の耳元でいう。
慌ててうなずいてから目をぎゅっと閉じる。
「俺の娘に危害をだそうとする虫は対峙しないと、な。」
パパの低くて響くような声がする。
さ、寒い。
背中がひやりとして、ママにしがみつく。
ごっと鈍い音が聞こえる。
「もう目を開けても大丈夫よ、陽菜。」
ママが背中をさすりながら言った。
目をおそるおそる開くとパパの前に男の人が倒れていた。
「お兄さん、大丈夫なの?」
私がパパとママの後ろに隠れながら言うとパパが
「気絶してるだけだから大丈夫だ。それにしてもどうやって入ってきたんだ?」
パパが頭をがしがしとかいている。
「それより、警察を呼びましょう。どう考えても不審者でしょう?」
ママがそう言いながらスマホを取り出し番号を押している。
「ま、待ってください!!」
お兄さんが勢いよく頭をあげてパパに抑え込まれる。
「首を狙ったのに何でこんなに元気なんだ!」
「痛い!痛いですから!!」
パパとお兄さんが騒いでる。
ママはため息をついてから
「どうしてこんなに騒がしくなったのかしら。というか・・・。」
ママの肩がわなわなと震えだす。
あ、やばい。
これは完全に
「いい加減にしなさい!!子供の目の前で!!陽菜の寝る時間が短くなって、
貧血にでもなったらどうするの!!!!!!」
ママは生活に厳しくて、規則正しい生活をおくれないとすごく怒る。
「「す、すみません!!!」」
パパとお兄さん二人してママの怒りに怯えてます。
ついでに後ろにいる私も泣きそうになった。
これは秘密だよ?
翌日。
美緒と一緒に学校に行ってたらあくびが出た。
「珍しいじゃん、ハル。寝不足?目の下に隈ができてるよ。」
「うん。すごく眠たい。」
美緒がつないでる手に力をこめる。
私も握り返しながら昨日の夜あったことを思い出す。
あのお兄さんはどうやって入ってきたんだろう。
あの後、結局警察を呼ばないことになった。
パパが強いから心配ないし。
それにしても本当に眠たい。
「何があったのか知らないけれど無茶すんなよ?」
乱暴な口調で美緒が言う。
「うん、わかった!」
元気よく答えて私は早く放課後になることを願った。
きっと何か不思議な楽しくてワクワクするようなことが起きそうな予感がするから!!
「で、あなたは何の用で我が家に勝手に入ってきたんです。」
学校から帰ってきて、夜。
ママとパパが男の人と向き合い座っている。
私は男の人が不審者ということから部屋にいるように言われていた。
でも、すごく気になる!!
だから今、こっそりと、扉を薄く開いて除いてるんだ。
ばれたら絶対にママに怒られる。絶対に!!
「はい、説明しますからそんなに怖い目で睨まないでくださいよ~。」
あ、男の人泣きべそかいてる。
「俺はもともとこの目だ。」
嘘だ~!
パパはいつも優しい目してるもん!
「さて、大事な話ですし、本人がいないと意味ないんだよな~。それに盗み聞きは悪いことだし。堂々と聞けるようにしてあげる、よ?」
さっきまで弱い人に見えてたのにお兄さんはにやりと笑った。
え、今なんて。
なんかあの人怖い。
逃げなきゃ、早く逃げなきゃ。
でも。
家族を置いていく事もできない。
どうしたらいい?
どうすれば。
「さぁ、おいで未来の魔法使いちゃん。」
う、そ。
私の体がふわりと浮いた。
「え?えぇえええええええぇえ!!!!」
ぐんと引っ張られるようにして私は三人の目の前に飛んだ。
「陽菜!!」
思いきり尻もちをついて泣きたくなった。
「パパ、ママ。痛いよぉ~。」
泣きたくなった、て言ったけれど私は普通に泣いていた。
私はママの服をつかむ。
二人の顔が見えないから何とも言えないけれどすごく雰囲気が怖い。
「陽菜。目をしっかりとつむってるの。いい?」
ママが小さな声でそっと私の耳元でいう。
慌ててうなずいてから目をぎゅっと閉じる。
「俺の娘に危害をだそうとする虫は対峙しないと、な。」
パパの低くて響くような声がする。
さ、寒い。
背中がひやりとして、ママにしがみつく。
ごっと鈍い音が聞こえる。
「もう目を開けても大丈夫よ、陽菜。」
ママが背中をさすりながら言った。
目をおそるおそる開くとパパの前に男の人が倒れていた。
「お兄さん、大丈夫なの?」
私がパパとママの後ろに隠れながら言うとパパが
「気絶してるだけだから大丈夫だ。それにしてもどうやって入ってきたんだ?」
パパが頭をがしがしとかいている。
「それより、警察を呼びましょう。どう考えても不審者でしょう?」
ママがそう言いながらスマホを取り出し番号を押している。
「ま、待ってください!!」
お兄さんが勢いよく頭をあげてパパに抑え込まれる。
「首を狙ったのに何でこんなに元気なんだ!」
「痛い!痛いですから!!」
パパとお兄さんが騒いでる。
ママはため息をついてから
「どうしてこんなに騒がしくなったのかしら。というか・・・。」
ママの肩がわなわなと震えだす。
あ、やばい。
これは完全に
「いい加減にしなさい!!子供の目の前で!!陽菜の寝る時間が短くなって、
貧血にでもなったらどうするの!!!!!!」
ママは生活に厳しくて、規則正しい生活をおくれないとすごく怒る。
「「す、すみません!!!」」
パパとお兄さん二人してママの怒りに怯えてます。
ついでに後ろにいる私も泣きそうになった。
これは秘密だよ?
翌日。
美緒と一緒に学校に行ってたらあくびが出た。
「珍しいじゃん、ハル。寝不足?目の下に隈ができてるよ。」
「うん。すごく眠たい。」
美緒がつないでる手に力をこめる。
私も握り返しながら昨日の夜あったことを思い出す。
あのお兄さんはどうやって入ってきたんだろう。
あの後、結局警察を呼ばないことになった。
パパが強いから心配ないし。
それにしても本当に眠たい。
「何があったのか知らないけれど無茶すんなよ?」
乱暴な口調で美緒が言う。
「うん、わかった!」
元気よく答えて私は早く放課後になることを願った。
きっと何か不思議な楽しくてワクワクするようなことが起きそうな予感がするから!!
「で、あなたは何の用で我が家に勝手に入ってきたんです。」
学校から帰ってきて、夜。
ママとパパが男の人と向き合い座っている。
私は男の人が不審者ということから部屋にいるように言われていた。
でも、すごく気になる!!
だから今、こっそりと、扉を薄く開いて除いてるんだ。
ばれたら絶対にママに怒られる。絶対に!!
「はい、説明しますからそんなに怖い目で睨まないでくださいよ~。」
あ、男の人泣きべそかいてる。
「俺はもともとこの目だ。」
嘘だ~!
パパはいつも優しい目してるもん!
「さて、大事な話ですし、本人がいないと意味ないんだよな~。それに盗み聞きは悪いことだし。堂々と聞けるようにしてあげる、よ?」
さっきまで弱い人に見えてたのにお兄さんはにやりと笑った。
え、今なんて。
なんかあの人怖い。
逃げなきゃ、早く逃げなきゃ。
でも。
家族を置いていく事もできない。
どうしたらいい?
どうすれば。
「さぁ、おいで未来の魔法使いちゃん。」
う、そ。
私の体がふわりと浮いた。
「え?えぇえええええええぇえ!!!!」
ぐんと引っ張られるようにして私は三人の目の前に飛んだ。
「陽菜!!」
思いきり尻もちをついて泣きたくなった。
「パパ、ママ。痛いよぉ~。」
泣きたくなった、て言ったけれど私は普通に泣いていた。
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