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「おか、あ。さま。」
私は何とかそれだけ言うとお母さまからの手紙を強く握りつぶしてしまった。
目からあふれる涙をぬぐいながら手紙を読んでる間、3人の王子はずっと私を抱きしめていてくれた。
お母さま以外の人から抱きしめられたことがなくて、違和感しかない。
それにこの3人はお母さまのお友達。
私が一人にならないようにお母さまが考えぬいた結果。
「クリスティーナ。もう大丈夫だからね。」
「俺たちがこれからずっと一緒だからな!」
「姉さま、これからずっと僕たちが守るから!僕、姉さまの騎士になるから!!だから、もう泣かないで。」
初めてお母さま以外の人からもらった優しくて暖かい言葉。
私を苦しめようとせず、優しく包み込んでくれる人たち。
お母さまは私に最高の人を残してくれた。
まだ、私は完全にはこの3人を信用できない。
でも。それでも歩み寄ろうとしてくれたから。
少しでも私から近づくのもいいかもしれない。
お母さまが信用したから。
だから大丈夫。彼らは私を守ってくれる。
もう、私は独りじゃない。
「クリスティーナ、落ち着いたかい?」
第一王子が指で私の涙をぬぐいながら微笑んだ。
「・・・。」
私は急に恥ずかしくなってこくりと頷いた。
3人の王子は私から離れてそれぞれ思い思いに動いていた。
第三王子はずっと私にくっついていて正直動きにくい。
第二王子はずっと窓から外の景色をみている。
第一王子は扉の前をいったりきたりしているし。
この3人は何がしたいんだろう。
「ねぇ、何して。」
「姉さま、しー!」
慌てて口を小さな両手でふさがれる。
「レオン、ルド。今すぐ、脱出の準備を。クリスティーナは僕と一緒に・・・。」
「いたぞ!呪われた子!」
扉が勢いよく開いて知らない男の人たちが入ってきた。
「あっちいけ、よ!!!」
第二王子が椅子を一人の男に投げつける。
「姉さまはこっち!」
第三王子に手を引かれ安全な場所へと連れていかれるが。
「動くな!!」
私は第三王子と仲良く拉致されてしまった。
「・・・ねぇ、この人たちは敵であってる?」
私は怯えている第三王子の手をそっと外しながら言った。
「あぁ、クリスティーナの命を狙うから敵であってるよ。」
第一王子は静かに言った。
剣を持つ手は小さく震えている。
「そっか。ねぇ、ロザルド様。私はお母さまから『逃げれる時間を稼げる程度に生け捕りに』と教わってるの。」
「え?」
私は首に回された男の手を強く握り体を持ち上げる。
そして足を高く上にあげて男の顔に命中させて。
「ぐはっ!!」
男の人から手を離すついでに腰にある短剣を奪っておく。
「ロザルド様、行くよ!」
着地してロザルドの手を握る。
「はい、姉さま!!」
私とロザルド様は走ってジョセフ様とレオンハルト様の元に向かう。
「クリスティーナ。一体君はローズ様から何を教わったんだい。」
ジョセフ様が私とロザルド様を後ろにかばいながら苦笑していた。
「私はどんなことがあっても生きていきたいから。」
私がそう言って笑うとレオンハルト様は
「女とは思えねぇな。」
と面白そうに笑っていた。
私は何とかそれだけ言うとお母さまからの手紙を強く握りつぶしてしまった。
目からあふれる涙をぬぐいながら手紙を読んでる間、3人の王子はずっと私を抱きしめていてくれた。
お母さま以外の人から抱きしめられたことがなくて、違和感しかない。
それにこの3人はお母さまのお友達。
私が一人にならないようにお母さまが考えぬいた結果。
「クリスティーナ。もう大丈夫だからね。」
「俺たちがこれからずっと一緒だからな!」
「姉さま、これからずっと僕たちが守るから!僕、姉さまの騎士になるから!!だから、もう泣かないで。」
初めてお母さま以外の人からもらった優しくて暖かい言葉。
私を苦しめようとせず、優しく包み込んでくれる人たち。
お母さまは私に最高の人を残してくれた。
まだ、私は完全にはこの3人を信用できない。
でも。それでも歩み寄ろうとしてくれたから。
少しでも私から近づくのもいいかもしれない。
お母さまが信用したから。
だから大丈夫。彼らは私を守ってくれる。
もう、私は独りじゃない。
「クリスティーナ、落ち着いたかい?」
第一王子が指で私の涙をぬぐいながら微笑んだ。
「・・・。」
私は急に恥ずかしくなってこくりと頷いた。
3人の王子は私から離れてそれぞれ思い思いに動いていた。
第三王子はずっと私にくっついていて正直動きにくい。
第二王子はずっと窓から外の景色をみている。
第一王子は扉の前をいったりきたりしているし。
この3人は何がしたいんだろう。
「ねぇ、何して。」
「姉さま、しー!」
慌てて口を小さな両手でふさがれる。
「レオン、ルド。今すぐ、脱出の準備を。クリスティーナは僕と一緒に・・・。」
「いたぞ!呪われた子!」
扉が勢いよく開いて知らない男の人たちが入ってきた。
「あっちいけ、よ!!!」
第二王子が椅子を一人の男に投げつける。
「姉さまはこっち!」
第三王子に手を引かれ安全な場所へと連れていかれるが。
「動くな!!」
私は第三王子と仲良く拉致されてしまった。
「・・・ねぇ、この人たちは敵であってる?」
私は怯えている第三王子の手をそっと外しながら言った。
「あぁ、クリスティーナの命を狙うから敵であってるよ。」
第一王子は静かに言った。
剣を持つ手は小さく震えている。
「そっか。ねぇ、ロザルド様。私はお母さまから『逃げれる時間を稼げる程度に生け捕りに』と教わってるの。」
「え?」
私は首に回された男の手を強く握り体を持ち上げる。
そして足を高く上にあげて男の顔に命中させて。
「ぐはっ!!」
男の人から手を離すついでに腰にある短剣を奪っておく。
「ロザルド様、行くよ!」
着地してロザルドの手を握る。
「はい、姉さま!!」
私とロザルド様は走ってジョセフ様とレオンハルト様の元に向かう。
「クリスティーナ。一体君はローズ様から何を教わったんだい。」
ジョセフ様が私とロザルド様を後ろにかばいながら苦笑していた。
「私はどんなことがあっても生きていきたいから。」
私がそう言って笑うとレオンハルト様は
「女とは思えねぇな。」
と面白そうに笑っていた。
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