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まぶしい笑顔と明るい夏
もう、二度と失いたくない ランside
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何で、姉さんは髪を切るのよ!
何で、レイはあんなにかっこいいのよ!
ああ、もうあの笑顔は反則。
し、しかも。
あんなかっこいい顔で頭なでなでとか。
お、おでこにキスとか。
もう、無理ぃ~。
しかも、姉さんは微笑ましそうに私を見るし!
絶対、みんな気づいた!
なのに、どうしてレイは気づいてくれないのよ!
あの鈍感!!
「ラン!」
もんもんと考えていたら誰かに手首をつかまれた。
この声は。
「れ、レイ!!」
レイは少し乱れた呼吸を整えてから、こう言った。
「鈴蘭は確かに可愛い花だけど、毒もあるから気安く触っちゃいけない。」
え?鈴蘭??
私はレイから視線を外し、今自分が触ろうとした花を見る。
あ、確かに白い花弁(姉さんが用意した本で学んだ!)の鈴蘭だあった。
ていうか
「え!?鈴蘭って毒あったの!」
知らなかった。
「姉さんが買ってくれた花図鑑に載ってた。まぁ、姉さんの歌を毎日聞いてたのもあって、誰も被害は出てないみたいだけどね。」
レイは勉強が好きらしくて、いつも本を持ち歩いている。
そして、いつもいつも私たちにわかりやすく教えてくれる。
教えてくれる時、いつも嬉しそうに楽しそうにわかりにくいけど小さく笑ってる。
姉さんにはすごく甘えてるし。
姉さんだけずるい。
「ラン、今日は俺も買い物行きたい!」
あ、めんどくなりそう。
一度、何か興味を持てばなかなか動かない。
だから、なるべくレイが気づかないうちに出てたのに。
先手うたれたww
「ウカ姉さんからはいいってww」
レイもわかってて言ってる。
姉さんの馬鹿!
「はぁ。わかったわよ。」
・・・。どうして、こんな冷たい声しかでないの!!
私の馬鹿!!
「キャベツ、人参、魚を買ってきてほしいって。後、パンも。」
レイはそういいながら私の手を握った。
「!?」
「あ、姉さんが迷子にならないように手を繋いでいきなさいって。」
レイは姉さんとか知識の時だけ、たくさんしゃべる。
まぁ、そんなところも好きだけど。
にしても。
表情はあまりかわらないけど、行商人とか鍛冶屋とかギルドとかいろいろ見てるなぁ。
一度、立ち止まればなかなか進まない。
それも、あるから手を繋ぐように言ったんだろうけど。
たくさん歩いても大丈夫なのかな。
最近薬のおかげで元気なのは知ってるけど。
「なんだ、あれ!」
あ、待って!
するりとほどけた手でレイに手を伸ばす。
でも、足が速くなったレイには届かなくて私も追いかける。
「ま、待って!」
なるべく大きな声を出してるつもりなのに、声が届かない。
どうして。
また、あの時の繰り返しになるの?
そんなの、いや!!
私にはお父さんとお兄ちゃんがいた。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、私の4人家族。
貧乏だけど、すごく幸せだった。
いつもみんな可愛い可愛いとほめてくれた。
嬉しくて、楽しくて。
ずっと続くと思ってた。
それなのに。
いつからだろう。
いつからこうなったんだろう。
私はお金持ちの貴族に目をつけられた。
「大きくなったら美人のいい女になる。」
とか言って。
「お前らの娘をいい値で買ってやろう。俺は優しいからな!」
と、下品に笑っていたのを今でもはっきりと覚えてる。
私は怖くて怖くてお兄ちゃんの後ろに隠れていた。
お父さんは私たち家族を守るように前に出て
「すみませんが、他をあたってください。娘は道具ではない。娘の意思で、娘が幸せになるなら喜んで差し上げます。」
堂々と言うお父さんはすごくかっこよくて。
お母さんはうっとりとお父さんを見ていた。
誇らしい気持ちで私もお父さんを見ていた。
でも、その日から幸せな日常が変わった。
何で、レイはあんなにかっこいいのよ!
ああ、もうあの笑顔は反則。
し、しかも。
あんなかっこいい顔で頭なでなでとか。
お、おでこにキスとか。
もう、無理ぃ~。
しかも、姉さんは微笑ましそうに私を見るし!
絶対、みんな気づいた!
なのに、どうしてレイは気づいてくれないのよ!
あの鈍感!!
「ラン!」
もんもんと考えていたら誰かに手首をつかまれた。
この声は。
「れ、レイ!!」
レイは少し乱れた呼吸を整えてから、こう言った。
「鈴蘭は確かに可愛い花だけど、毒もあるから気安く触っちゃいけない。」
え?鈴蘭??
私はレイから視線を外し、今自分が触ろうとした花を見る。
あ、確かに白い花弁(姉さんが用意した本で学んだ!)の鈴蘭だあった。
ていうか
「え!?鈴蘭って毒あったの!」
知らなかった。
「姉さんが買ってくれた花図鑑に載ってた。まぁ、姉さんの歌を毎日聞いてたのもあって、誰も被害は出てないみたいだけどね。」
レイは勉強が好きらしくて、いつも本を持ち歩いている。
そして、いつもいつも私たちにわかりやすく教えてくれる。
教えてくれる時、いつも嬉しそうに楽しそうにわかりにくいけど小さく笑ってる。
姉さんにはすごく甘えてるし。
姉さんだけずるい。
「ラン、今日は俺も買い物行きたい!」
あ、めんどくなりそう。
一度、何か興味を持てばなかなか動かない。
だから、なるべくレイが気づかないうちに出てたのに。
先手うたれたww
「ウカ姉さんからはいいってww」
レイもわかってて言ってる。
姉さんの馬鹿!
「はぁ。わかったわよ。」
・・・。どうして、こんな冷たい声しかでないの!!
私の馬鹿!!
「キャベツ、人参、魚を買ってきてほしいって。後、パンも。」
レイはそういいながら私の手を握った。
「!?」
「あ、姉さんが迷子にならないように手を繋いでいきなさいって。」
レイは姉さんとか知識の時だけ、たくさんしゃべる。
まぁ、そんなところも好きだけど。
にしても。
表情はあまりかわらないけど、行商人とか鍛冶屋とかギルドとかいろいろ見てるなぁ。
一度、立ち止まればなかなか進まない。
それも、あるから手を繋ぐように言ったんだろうけど。
たくさん歩いても大丈夫なのかな。
最近薬のおかげで元気なのは知ってるけど。
「なんだ、あれ!」
あ、待って!
するりとほどけた手でレイに手を伸ばす。
でも、足が速くなったレイには届かなくて私も追いかける。
「ま、待って!」
なるべく大きな声を出してるつもりなのに、声が届かない。
どうして。
また、あの時の繰り返しになるの?
そんなの、いや!!
私にはお父さんとお兄ちゃんがいた。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、私の4人家族。
貧乏だけど、すごく幸せだった。
いつもみんな可愛い可愛いとほめてくれた。
嬉しくて、楽しくて。
ずっと続くと思ってた。
それなのに。
いつからだろう。
いつからこうなったんだろう。
私はお金持ちの貴族に目をつけられた。
「大きくなったら美人のいい女になる。」
とか言って。
「お前らの娘をいい値で買ってやろう。俺は優しいからな!」
と、下品に笑っていたのを今でもはっきりと覚えてる。
私は怖くて怖くてお兄ちゃんの後ろに隠れていた。
お父さんは私たち家族を守るように前に出て
「すみませんが、他をあたってください。娘は道具ではない。娘の意思で、娘が幸せになるなら喜んで差し上げます。」
堂々と言うお父さんはすごくかっこよくて。
お母さんはうっとりとお父さんを見ていた。
誇らしい気持ちで私もお父さんを見ていた。
でも、その日から幸せな日常が変わった。
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