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第一部 ライアス編
バジリスク
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ライアス、マリア、クラウド、リナの四人はバジリスク討伐の為に、カルスラの森の最奥目指して進んだ。
森の中は魔獣で溢れかえっていた。ダークウルフに巨大な熊や虎…空中からも魔障によって凶悪化したコンドル、ゴブリンやリザードマン等多数の魔族が襲い掛かってくる!
「はぁぁぁぁぁ!!」
「残念だったねぇ~」
「炎の精霊よ!」
「………。」
四人のコンビネーションは的確であった。
とても今日組んだパーティーとは思えなかった!
ライアスは老師から受け継いだ気功の技で相手を圧倒する!
怯んだところに、クラウドとリナの波状攻撃がマリアの魔法が炸裂する!
戦い続ける内に連携が上手くいくようになる!
ライアス、クラウド、リナの三人は戦いのスタイルが似ている。
ライアスは剣と気功で、クラウドは短剣二刀流以外にもブーメランや隠し武器が、リナも剣だけでなく、弓や魔法と。お互いに前衛中衛を交代しながら戦う!
上手く敵を引き付けた所にマリアの魔法が敵を殲滅する!
次々と迫り来る敵を四人は容易く撃退していく。
バジリスクのいる目的地の近くまで大分近づいた。ここまでの戦いで多くの魔族を撃退した。辺りからは魔族の気配は感じない。
「ふぅ~、ここまでは順調ってとこだったねぇ~」丁度見晴らしも良く不意打ち等出来そうにない場所で四人は休息をしながらクラウドがくつろぐ。
「思った以上に魔族が多かっだけど、あらかた一層出来ましたね。」ライアスも村で用意してくれたパンと干し肉を食べながら話す。
「リナさんも食べてね。」マリアがスープとパンをリナに差し出した。炎の魔法を最小限にコントロールをして温めていた。
リナは少しだけ笑顔の表情を見せてうなずいた。そしてマリアから渡された食事に手をつける。
リナは子供の頃、自分が見ている前で両親をバジリスク達によって惨殺された。それ以来、喋れなくなり、笑顔を見せる事も無かったそうだ。だから今の少しだけの笑顔もリナにとっては精一杯なのだろうと三人は悟った。
「ライアス、出発はお嬢ちゃん達の魔力とお前さんの気ってやつが回復してからでいいかねぇ~?」
「そうですね。ここで体力を回復させてからバジリスクに挑みましょう!」
マリアとリナも賛成した。
二時間経ち四人は動き出した。
リナにとっては憎き両親の仇である。
リナ以外の三人は殺気混じりのリナの魔力を全身から感じとっていた。
ここまでの魔力…恐らくバジリスクやこの先待ち構えている魔族には容易に気付かれる事になるだろう。
しかし、これが冒険者にとって魔族と戦う上で不利になるのは明らかであったが三人には互いの顔を見合せてコンタクトする。
リナの仇討ちに水をさすような事は出来なかった。その代わりにライアスとクラウドは周囲にサーチスキルを展開した。ライアスは気で魔族や敵意がないかを感じとり、クラウドは魔力を使い全身の五感の能力を高め警戒する。
「どうやら付近にはいないみたいだねぇ~」
クラウドがみんなに話す。
「気が一ヶ所に集まっている。約50体って所ですね。」ライアスが気を感じとっていた。
「敵も本気って訳だねぇ~。どう攻めるんだい?」クラウドがライアスに聞く。
「僕が一発大きいのを撃ちます。その後に散らばった魔族を各個撃破していきましょう!」
ライアスは振り向いてリナに伝えた。
「バジリスクの止めは任せたよ!」
「……………。」リナは力強くうなずいた。
まだ敵の姿は見えていないが、ライアスは歩みを止めた。
右手を天にかざして気を集中させた。大気が!大地が揺れ動く程のエネルギーだ!!
この揺れに待ち構えていた魔族達も慌てふためく。当然だ。リナの抑えきれない魔力に気付いていたが、まだ目測は出来ていない。それなのにこれだけ大地が揺れるなんて…。
「あぁぁぁ~!鶴翔功!!!」ライアスが叫びながら天に向けて気のエネルギーを放つ!
まるで上空を飛翔する鶴というよりも、もっと神聖な朱雀のような神々しいエネルギー体が空高く舞い上がる!
そして一気に急降下!!魔族目掛けて襲い掛かる!
「ギョョョエ~!!?」まるで魔族の群れに急降下爆撃だ!!叫ぶ者も入れば、声を出す事も許されず消し飛んだ!
「………………。」リナは声は出せないが、その表情は驚きを隠せなかった。
「あ、あのライアス…??」マリアが恐る恐るライアスに話し掛ける。
「ご、ごめん💦リナの仇討ちだと思って、力が入り過ぎてしまった…。」ライアスが慌てふためく。
「こりゃあたまげたねぇ~。まさか全滅させてしまうとはねぇ~。……だが、本命は無事なようだねぇ~。」クラウドが敵地を確認する。
待ち構えていた魔族達50体は消滅していた。バジリスクはどうやら危険を察知したらしく地中深く潜ったようだ。
ゴゴゴゴコゴ~また地面が激しく揺れる!!しかも徐々に音が大きくなってくる!
「バジリスクは下だ!!地中から来るぞ!」
ライアスはそう言うと同時にマリアを抱き抱えて横に大きく飛んで避けた!クラウドもリナと一緒に避ける!
その直後、バジリスクが地中から飛び出す!大きな口を開け一気に飲み込んで仕止めるつもりだったのだろう。
「シャーーーーーー!!」巨大な口から鋭い牙が見える!あれに呑み込まれたら人間なんてひとたまりもないだろう。
すかさずライアスが反撃する!左手に気を集中させてバジリスクの巨体に向けて放つ!!
「玄空拳!」拳から気を飛ばす!バジリスクの体に命中する。
しかし、バジリスクにはダメージが通っていない。すぐ様に巨大な尾を振り回す!動きが速い!
これにはクラウド、リナがぶっ飛ばされる!
「ぐはっぁ~。」「……!?」
ライアスは気で光のシールドをすぐに展開して防いだ!
「炎の精霊よ!力を集え!!」シールドに守られたマリアが魔法で攻撃する!
「ガァァァ!!」ダメージは与えているが硬い鱗に覆われていて効果が弱い。
「あんまり得意じゃないんだけどねぇ~。」クラウドがリナにヒーリング魔法をかける!
「危ない!」ライアスが二人に叫んだ!バジリスクがクラウドとリナに対して自らの鱗を刃に変え飛ばす!無数の刃が二人に襲い掛かる!
ゴォォォオ~と巨大な竜巻だ!!
ヒーリングをしてもらったリナがエルフ得意の風魔法、いや高等魔法を放ち無数の鱗の刃を吹き飛ばす!
そのままバジリスクに直撃する!巨大なバジリスクの体をも呑み込む凄まじい竜巻だ!
「今だ!!」マリアがバジリスクに向けて炎の魔法を放った!
「ギィァャャアィャャ~」バジリスクが苦しそうな声をあげた!
マリアの炎とリナの竜巻の魔法が合わさったファイアートルネードだ!!!この強力な合体魔法によりバジリスクの全身が焼け焦げた!!
「今だ!!」ライアスが攻撃を仕掛ける!今の魔法により硬い鱗で覆われていたバジリスクだが、灼熱の竜巻によって防御力が下がったのだ。
このチャンスを逃さない!!
ロングソードに気を流し込んだライアスの攻撃がバジリスクの首もとを攻撃する!
ズバァーン!!いとも容易く切り裂いた!
これには堪らずバジリスクは叫ぶ!
そこにクラウドのクロスブーメランがライアスがダメージを与えた場所に直撃する!
「グハァ……!!」バジリスクはこれにはのけ反る!ダメージが、鱗が裂けてそこだけ丸裸だ!
「リナ!止めだ!」ライアスが叫ぶ!
リナは抜刀して皆がダメージを与えた首もと目掛けて切り込んだ!!
「グフ!?………ガ、ガ…」
手応えがあった。リナの剣はバジリスクの首を切り裂いた!
ズズーンとバジリスクは崩れ倒れた…。
やったんだ!カルスラの森に巣くう魔族を、そしてリナは両親の仇を討った!
声を発する事が出来ないリナであったが、仇討ちの達成感で瞳は涙が溢れていた。
やった!勝ったんだ!
森の中は魔獣で溢れかえっていた。ダークウルフに巨大な熊や虎…空中からも魔障によって凶悪化したコンドル、ゴブリンやリザードマン等多数の魔族が襲い掛かってくる!
「はぁぁぁぁぁ!!」
「残念だったねぇ~」
「炎の精霊よ!」
「………。」
四人のコンビネーションは的確であった。
とても今日組んだパーティーとは思えなかった!
ライアスは老師から受け継いだ気功の技で相手を圧倒する!
怯んだところに、クラウドとリナの波状攻撃がマリアの魔法が炸裂する!
戦い続ける内に連携が上手くいくようになる!
ライアス、クラウド、リナの三人は戦いのスタイルが似ている。
ライアスは剣と気功で、クラウドは短剣二刀流以外にもブーメランや隠し武器が、リナも剣だけでなく、弓や魔法と。お互いに前衛中衛を交代しながら戦う!
上手く敵を引き付けた所にマリアの魔法が敵を殲滅する!
次々と迫り来る敵を四人は容易く撃退していく。
バジリスクのいる目的地の近くまで大分近づいた。ここまでの戦いで多くの魔族を撃退した。辺りからは魔族の気配は感じない。
「ふぅ~、ここまでは順調ってとこだったねぇ~」丁度見晴らしも良く不意打ち等出来そうにない場所で四人は休息をしながらクラウドがくつろぐ。
「思った以上に魔族が多かっだけど、あらかた一層出来ましたね。」ライアスも村で用意してくれたパンと干し肉を食べながら話す。
「リナさんも食べてね。」マリアがスープとパンをリナに差し出した。炎の魔法を最小限にコントロールをして温めていた。
リナは少しだけ笑顔の表情を見せてうなずいた。そしてマリアから渡された食事に手をつける。
リナは子供の頃、自分が見ている前で両親をバジリスク達によって惨殺された。それ以来、喋れなくなり、笑顔を見せる事も無かったそうだ。だから今の少しだけの笑顔もリナにとっては精一杯なのだろうと三人は悟った。
「ライアス、出発はお嬢ちゃん達の魔力とお前さんの気ってやつが回復してからでいいかねぇ~?」
「そうですね。ここで体力を回復させてからバジリスクに挑みましょう!」
マリアとリナも賛成した。
二時間経ち四人は動き出した。
リナにとっては憎き両親の仇である。
リナ以外の三人は殺気混じりのリナの魔力を全身から感じとっていた。
ここまでの魔力…恐らくバジリスクやこの先待ち構えている魔族には容易に気付かれる事になるだろう。
しかし、これが冒険者にとって魔族と戦う上で不利になるのは明らかであったが三人には互いの顔を見合せてコンタクトする。
リナの仇討ちに水をさすような事は出来なかった。その代わりにライアスとクラウドは周囲にサーチスキルを展開した。ライアスは気で魔族や敵意がないかを感じとり、クラウドは魔力を使い全身の五感の能力を高め警戒する。
「どうやら付近にはいないみたいだねぇ~」
クラウドがみんなに話す。
「気が一ヶ所に集まっている。約50体って所ですね。」ライアスが気を感じとっていた。
「敵も本気って訳だねぇ~。どう攻めるんだい?」クラウドがライアスに聞く。
「僕が一発大きいのを撃ちます。その後に散らばった魔族を各個撃破していきましょう!」
ライアスは振り向いてリナに伝えた。
「バジリスクの止めは任せたよ!」
「……………。」リナは力強くうなずいた。
まだ敵の姿は見えていないが、ライアスは歩みを止めた。
右手を天にかざして気を集中させた。大気が!大地が揺れ動く程のエネルギーだ!!
この揺れに待ち構えていた魔族達も慌てふためく。当然だ。リナの抑えきれない魔力に気付いていたが、まだ目測は出来ていない。それなのにこれだけ大地が揺れるなんて…。
「あぁぁぁ~!鶴翔功!!!」ライアスが叫びながら天に向けて気のエネルギーを放つ!
まるで上空を飛翔する鶴というよりも、もっと神聖な朱雀のような神々しいエネルギー体が空高く舞い上がる!
そして一気に急降下!!魔族目掛けて襲い掛かる!
「ギョョョエ~!!?」まるで魔族の群れに急降下爆撃だ!!叫ぶ者も入れば、声を出す事も許されず消し飛んだ!
「………………。」リナは声は出せないが、その表情は驚きを隠せなかった。
「あ、あのライアス…??」マリアが恐る恐るライアスに話し掛ける。
「ご、ごめん💦リナの仇討ちだと思って、力が入り過ぎてしまった…。」ライアスが慌てふためく。
「こりゃあたまげたねぇ~。まさか全滅させてしまうとはねぇ~。……だが、本命は無事なようだねぇ~。」クラウドが敵地を確認する。
待ち構えていた魔族達50体は消滅していた。バジリスクはどうやら危険を察知したらしく地中深く潜ったようだ。
ゴゴゴゴコゴ~また地面が激しく揺れる!!しかも徐々に音が大きくなってくる!
「バジリスクは下だ!!地中から来るぞ!」
ライアスはそう言うと同時にマリアを抱き抱えて横に大きく飛んで避けた!クラウドもリナと一緒に避ける!
その直後、バジリスクが地中から飛び出す!大きな口を開け一気に飲み込んで仕止めるつもりだったのだろう。
「シャーーーーーー!!」巨大な口から鋭い牙が見える!あれに呑み込まれたら人間なんてひとたまりもないだろう。
すかさずライアスが反撃する!左手に気を集中させてバジリスクの巨体に向けて放つ!!
「玄空拳!」拳から気を飛ばす!バジリスクの体に命中する。
しかし、バジリスクにはダメージが通っていない。すぐ様に巨大な尾を振り回す!動きが速い!
これにはクラウド、リナがぶっ飛ばされる!
「ぐはっぁ~。」「……!?」
ライアスは気で光のシールドをすぐに展開して防いだ!
「炎の精霊よ!力を集え!!」シールドに守られたマリアが魔法で攻撃する!
「ガァァァ!!」ダメージは与えているが硬い鱗に覆われていて効果が弱い。
「あんまり得意じゃないんだけどねぇ~。」クラウドがリナにヒーリング魔法をかける!
「危ない!」ライアスが二人に叫んだ!バジリスクがクラウドとリナに対して自らの鱗を刃に変え飛ばす!無数の刃が二人に襲い掛かる!
ゴォォォオ~と巨大な竜巻だ!!
ヒーリングをしてもらったリナがエルフ得意の風魔法、いや高等魔法を放ち無数の鱗の刃を吹き飛ばす!
そのままバジリスクに直撃する!巨大なバジリスクの体をも呑み込む凄まじい竜巻だ!
「今だ!!」マリアがバジリスクに向けて炎の魔法を放った!
「ギィァャャアィャャ~」バジリスクが苦しそうな声をあげた!
マリアの炎とリナの竜巻の魔法が合わさったファイアートルネードだ!!!この強力な合体魔法によりバジリスクの全身が焼け焦げた!!
「今だ!!」ライアスが攻撃を仕掛ける!今の魔法により硬い鱗で覆われていたバジリスクだが、灼熱の竜巻によって防御力が下がったのだ。
このチャンスを逃さない!!
ロングソードに気を流し込んだライアスの攻撃がバジリスクの首もとを攻撃する!
ズバァーン!!いとも容易く切り裂いた!
これには堪らずバジリスクは叫ぶ!
そこにクラウドのクロスブーメランがライアスがダメージを与えた場所に直撃する!
「グハァ……!!」バジリスクはこれにはのけ反る!ダメージが、鱗が裂けてそこだけ丸裸だ!
「リナ!止めだ!」ライアスが叫ぶ!
リナは抜刀して皆がダメージを与えた首もと目掛けて切り込んだ!!
「グフ!?………ガ、ガ…」
手応えがあった。リナの剣はバジリスクの首を切り裂いた!
ズズーンとバジリスクは崩れ倒れた…。
やったんだ!カルスラの森に巣くう魔族を、そしてリナは両親の仇を討った!
声を発する事が出来ないリナであったが、仇討ちの達成感で瞳は涙が溢れていた。
やった!勝ったんだ!
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