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「どうぞ」
そう言って、渚は俺を部屋に招き入れた。
「お、お邪魔します。」
「はあ~」
渚は、自分の部屋にはいるなりすぐにため息をついた。渚の部屋は学校の近くのアパート、201号室にある。
「あ、お茶いれますから、くつろいでいてください。」
「あ、はい。」
俺は近くの椅子に腰かけた。これが、渚の部屋か…これが女子の部屋?なにか違うような…。
それから、少しして渚がお茶をもって台所から出てきた。渚は俺と相対するようにして座った。
「じゃあ、まず何から始める?」
「では、まずは数学から…」
勉強を始めて、2時間たったところで、テストに出た範囲が終わった。
「渚は、理解が早いな。」
「いえ、零二君の説明がすごくわかりやすいからです。ここまで完璧に理解しているのに、なんで75点になるんですか?」
渚は、笑顔で尋ねてくる。
「ええっと」
「あ!すみません。他意はないです。今のは忘れてください」
「うん、じゃあそうするよ。」
それから沈黙の時間が続いた。
「あ、じゃあ俺そろそろ帰ろうかな。」
そう言って、立ち上がろうとした時、渚が慌てたように服を引っぱってきた。
「あ、あのちょっと待ってください。実はもう1つ相談したいことがあるんです。」
急に引っ張られて首がしまりそうになった。まあまだ、時間あるし聞いてもいいか。俺は、椅子に座りなおした。
「じゃあ、聞こうかな。」
「はい、私は、高校に入って一人暮らしを始めたんですが、最近、変なことがよく起こるようになって。すごく怖くて…」
「変なこと?例えば?」
「学校に帰ってきた時に、ベットが荒らされたような。痕跡があったり。」
なるほど、さっきの違和感はそういう事か、リビングは綺麗にされているのに、ベットだけなぜか整っていない、渚の性格なら、いつも部屋は綺麗にするはず。そもそも、片付いていないと分かっているのに、男子を上がらせたりしないはずだ。
「それから…。」
渚は、言葉を詰まらせた。
「ん?どうした?」
「下着が…いくつか…無くなったりして…」
「…は?」
渚は、顔を赤くしながら、目をつむっている。今にも泣きそうだ、確かにそりゃ怖いな。
「そっ、そうか、つまり学校に行っている間に、何者かが部屋に侵入していると?」
俺は、動揺を抑えながら言った。
「そ、そうです。だから、それが誰か、一緒に探して欲しいんです。」
まあ、渚は可愛いからな。ストーカーの1人や2人…ありえるな。
「警察には言ったの?」
「いいえ、そこまで大きくしたくないといいますか、なるべく多くの人には関わって欲しくないといいますか…」
「そっか…うん分かった、協力しよう。」
それを、聞いて渚に顔が明るくなった。可愛いな。
「本当ですか!」
渚は身を乗り出してきた。
「でも、条件がある。」
「条件?」
「うん、1つ目、このことは他言しないこと、2つ目、どんな些細なことでもいい、変化があったら俺に伝えること、だ。」
「分かりました。じゃあ、連絡先交換しておきましょうか。」
「そうだな。」
そう言って、俺の連絡先リストに、笹柳渚が加わった。
「今日は、ありがとうございました。」
渚は、玄関で見送ってくれた。
「ああ、敬語は使わなくていいよ。」
「そうですか?」
「うん、堅苦しいのは、苦手なんだ。」
「分かりま…分かった。」
「あとは、何かあったら、すぐに連絡してな、微力だけど力になるからさ。」
「うん…ありがとう。」
そう言って、渚は笑顔を見せた。とても綺麗な笑顔だった。
でもその綺麗な笑顔は…
涙を流していた。
そう言って、渚は俺を部屋に招き入れた。
「お、お邪魔します。」
「はあ~」
渚は、自分の部屋にはいるなりすぐにため息をついた。渚の部屋は学校の近くのアパート、201号室にある。
「あ、お茶いれますから、くつろいでいてください。」
「あ、はい。」
俺は近くの椅子に腰かけた。これが、渚の部屋か…これが女子の部屋?なにか違うような…。
それから、少しして渚がお茶をもって台所から出てきた。渚は俺と相対するようにして座った。
「じゃあ、まず何から始める?」
「では、まずは数学から…」
勉強を始めて、2時間たったところで、テストに出た範囲が終わった。
「渚は、理解が早いな。」
「いえ、零二君の説明がすごくわかりやすいからです。ここまで完璧に理解しているのに、なんで75点になるんですか?」
渚は、笑顔で尋ねてくる。
「ええっと」
「あ!すみません。他意はないです。今のは忘れてください」
「うん、じゃあそうするよ。」
それから沈黙の時間が続いた。
「あ、じゃあ俺そろそろ帰ろうかな。」
そう言って、立ち上がろうとした時、渚が慌てたように服を引っぱってきた。
「あ、あのちょっと待ってください。実はもう1つ相談したいことがあるんです。」
急に引っ張られて首がしまりそうになった。まあまだ、時間あるし聞いてもいいか。俺は、椅子に座りなおした。
「じゃあ、聞こうかな。」
「はい、私は、高校に入って一人暮らしを始めたんですが、最近、変なことがよく起こるようになって。すごく怖くて…」
「変なこと?例えば?」
「学校に帰ってきた時に、ベットが荒らされたような。痕跡があったり。」
なるほど、さっきの違和感はそういう事か、リビングは綺麗にされているのに、ベットだけなぜか整っていない、渚の性格なら、いつも部屋は綺麗にするはず。そもそも、片付いていないと分かっているのに、男子を上がらせたりしないはずだ。
「それから…。」
渚は、言葉を詰まらせた。
「ん?どうした?」
「下着が…いくつか…無くなったりして…」
「…は?」
渚は、顔を赤くしながら、目をつむっている。今にも泣きそうだ、確かにそりゃ怖いな。
「そっ、そうか、つまり学校に行っている間に、何者かが部屋に侵入していると?」
俺は、動揺を抑えながら言った。
「そ、そうです。だから、それが誰か、一緒に探して欲しいんです。」
まあ、渚は可愛いからな。ストーカーの1人や2人…ありえるな。
「警察には言ったの?」
「いいえ、そこまで大きくしたくないといいますか、なるべく多くの人には関わって欲しくないといいますか…」
「そっか…うん分かった、協力しよう。」
それを、聞いて渚に顔が明るくなった。可愛いな。
「本当ですか!」
渚は身を乗り出してきた。
「でも、条件がある。」
「条件?」
「うん、1つ目、このことは他言しないこと、2つ目、どんな些細なことでもいい、変化があったら俺に伝えること、だ。」
「分かりました。じゃあ、連絡先交換しておきましょうか。」
「そうだな。」
そう言って、俺の連絡先リストに、笹柳渚が加わった。
「今日は、ありがとうございました。」
渚は、玄関で見送ってくれた。
「ああ、敬語は使わなくていいよ。」
「そうですか?」
「うん、堅苦しいのは、苦手なんだ。」
「分かりま…分かった。」
「あとは、何かあったら、すぐに連絡してな、微力だけど力になるからさ。」
「うん…ありがとう。」
そう言って、渚は笑顔を見せた。とても綺麗な笑顔だった。
でもその綺麗な笑顔は…
涙を流していた。
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