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第10話(前篇):放課後

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     偽妹(ぎもうと)
―憎い男に身体を開かれていく―



■第10話(前篇):放課後





――フミの部屋












今夜もサトシはフミと一緒に過していた。

動画を見ながらお茶を飲み始めた。



小さなテーブルの上にはPCを挟んで、
ところせましとグラスが置かれている。


フミはレモンティー、サトシはブラックコーヒーだった。




まだ海に遊びに行った記憶が新しい。


彼女はレモンティーの甘酸っぱい香りに、
ありありと砂浜と波打ち際が目に浮かんだ。




・・・クロン・・・カラン・・・



かすかに氷が鳴る。
ふたり同時にグラスに口をつけていた。



(・・・アイカたちと会ったときはあわてちゃったな・・・)


あのときの自分を思い返しながら、思わず含み笑いしてしまう。
マイクロビキニを着ていた恥ずかしさは不思議と薄らいでいた。





めずらしく穏やかな夜だった。




フミはグラスを両手で包むように持ちながら、
横目で密かにサトシの様子をうかがっていた。


つい小さな溜息ためいきが出てしまう。





「わたし、アイカとちょっと男遊びしてもいい?」




「へぇ?フミもいよいよ処女卒業か?」



グラスを口につけながら言った。

目をグラスに落としたままで、
彼の反応はまるで他人事だった。





「・・・・・・・・・」


フミはおもしろくなかった。

引き止めてはくれなかった。




「処女は誰にもあげないから・・・
アイカもそれでいいって言ってたし」



「どうせフェラぐらいだろ?それならぜんぜん構わないよ」



ギクリとした。


アイカの言葉が頭をぎる。





・・・サトシならぜんぜんOKしてくれるって・・・




彼女の言葉をうたがってしまったが、
フミ自身も後でそうかもしれないと思った。



それでも、「男遊び」を言うのは勇気が必要だった。
一歩を踏み出させたのは、悪戯いたずらへの仕返しだった。




・・・アタシらはアタシらで楽しまないと損だよ・・・



アイカの言葉も後押しした。









――先日




屋上でアイカが男子を誘って、
フェラをする光景は衝撃的だった。




(・・・これが言ってた「男遊び」なの?)




フェラを終えると、男子はうれしそうに
また近いうちにしてもらうことを約束していた。






アイカはスマホに写真の男子リストを作っていた。


全てお気に入りの男子だという。
「男遊び」はそのリストから選んでいた。




「フミ、ここから選びなよ」




見せてもらうと、意外にリストに並ぶ男子は
大人しそうな雰囲気ふんいきの子が多かった。



(・・・こういう男子が好みなんだ・・・)


何となくアイカの好みが分かって、
思わず苦笑してしまう。



なかには演劇部で見かけた男子もいた。

それに時折ハッとしながらも、何人かに目が止まった。




「へぇ~そういう男子がいいんだぁ?」


アイカがなじるようにフミの顔を見た。
恥ずかしくなって、まともに返す顔がなかった。



フミが選んだ男子に、アイカが代わりに連絡を取る。




「顔写真撮るよ~」



その言葉にフミはカメラ目線を送った。
フミの顔写真が男子への連絡に添付される。




(・・・ついに・・・始めちゃった・・・)





アイカの「男遊び」にはルールがあった。



・・・個人的なことはかない・・・


・・・他人にこのことはしゃべらない・・・


・・・何かあったら仕返しする・・・



アイカが選んでいる男子の性格にるものが大きいのか、
男子もそのルールはしっかり守っているという。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




――翌日の屋上











「あ、あの・・・初めまして・・・」



「こちらこそ・・・よろしくお願いします」



フミが選んだのは、同級生のはずだったが、
見るからにあどけなさを残していた男子だった。




お互いに初対面だった。
顔写真を見ていたものの、恥ずかしさが先にたった。



フミは緊張していて、アイカのように軽く会話しながら、
フェラを始めることはできなかった。


男子にベンチに座ってもらうよううながすと、
フミはややぎこちなく彼の前にひざをついた。


(・・・あぁ・・・わたし・・・
ホントにこんなことを・・・)


少し躊躇ためらいながらも、ズボンのファスナーに手をやる。




(・・・あ・・・もう・・・)


彼の股間はすでに大きく盛り上がっていた。
そのためファスナーがくっきり浮かび上がっている。


フミは股間を凝視しながら、ファスナーを下げていった。




・・・ぼろん・・・


急に中から姿を現した。
童顔どうがんに似合わず、肉棒は大きく反り返っていた。




(・・・あぁ・・・すごい!)





・・・はぷ・・・



躊躇いがほとんど無かったことに自分でも驚いていた。
違う男の肉棒をやすやすと口にくわえてしまった。


男の匂いの最も濃いところだった。
それに引き寄せられてしまう。



・・・ドキドキドキドキ・・・



一気に鼓動が高まっていく。
それに、胸の奥がチリチリした。



おかしなものだった。
サトシへの貞操ていそうを考えてしまっていた。



(・・・サトシとは何でもないんだから・・・)



慌てて自分に言い聞かせる。
サトシとの関係が具体的に何であるのか、どうしても決めたくなかった。



(・・・何だ・・・サトシのより小さいな・・・)



頭では冷静な肉棒比べをしていた。
とても大きく思えたが口に咥えるとそうでもなかった。


口と舌で確かめる男性器の形。

よくこんないやらしい形をしているものだと興奮してしまう。
それを咥え込んでいる。これで女を犯すんだと思ってしまう。


もう胸の奥のチリチリも無くなっていた。




上目遣うわめづかいにしゃぶっている男を見上げると、
目を閉じて少し震えていた。



(・・・気持ちイイんだ・・・)



フミはサトシと出会うまでは、セックスを固定的に捉えていた。
「マ●コにチ●ポが入って射精されること」とばかり思っていた。



それが性器を刺激する方法が色々あることを知ってしまった。



・・・男女が楽しむオトナの遊び・・・



もちろん、そうした本番行為へのハードルは高いとは思っている。
それだからこそ、他の行為についてはハードルが低い。




・・・ちゅっぷ・・・ちゅぷ・・・ちゅちゅっ・・・



フミは彼の太腿ふとももにしがみついて、
頭を忙しく振った。



唇で強く肉棒をなぞり・・・


舌を肉棒に絡め・・・


亀頭をしきりにめ・・・



そうしていると、頭がぼおっとしてくる。
ただただ肉棒の感触や匂いを楽しんでしまう。




・・・れおれお・・・ひちゅぅっ・・・ちゅぷっ・・・



深く咥え込んでいた肉棒から口を放し、
亀頭だけを含んで強く舌で舐め回す。



「・・・ああっ!それすごいよっ!!」



「こえ、よはいんられ・・・」


舌を放すのもしかった。それでも言葉が出てしまう。
相手の男子は何を言われているか分からなかったかもしれない。


気持ち良さそうにビクビク震える姿を見ると、
フミはうれしくなってしまう。




「フミちゃんにフェラしてもらえるなんて最高っ」



褒め言葉に胸がキュンとしてしまう。




「・・・ああっ!ダメだっ!イクぅっ!!」




(・・・あぁああ・・・)




一瞬、肉棒がビクッとして熱いほとばしりが口を満たしていった。


射精は男が最高に感じている瞬間だった。
フミは口を通して、それを実感してうれしくなる。



・・・ごく・・・ごくり・・・ごく・・・



(・・・あぁ・・・わたし飲んじゃってる・・・)



今日、初めて直に会った男子である。
その精液を飲み下している・・・。


どろどろとした精液がのどをゆっくり落ちていく。
まとわりつくような粘っこさだった。


それはまだ熱をもっていて、
身体の奥に温かなものがまっていった。



口、喉がじんじんしている。



(ああ・・・精子が子宮と勘違いして、
わたしに入りたがってるのかな・・・)


そうした妄想がぼんやりと頭を満たした。




「わたしもすごくドキドキしたよ・・・」


唾液にまみれた口元をハンカチで拭いながら、
フミはその男子に微笑ほほえんだ。


さっきまで忙しく肉棒を愛撫していたとは思えないほど、
彼女はさっぱりとしている。




「またしてくれませんか?絶対、誰にも言いませんから」



「いいよ・・・またしようね・・・」




フミの言葉に男子はにっこりして、屋上を後にした。















(つづく)
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