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5. そして始まる文化祭
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「「あっ」」
声をそろえて、手を引くのもそろって俺たちは顔を見あわせた。
しばらくの沈黙の後、園崎さんが吹きだして笑うとそれにつられた俺はつい口元が緩んでしまった。
「なんか小学生みたいなやり取りで笑っちゃった」
「そう、だね。あ、汚れたハンカチ、ちゃんと洗って返すから」
「気にしないで」
「ウララァ?」
廊下の方から園崎さんを呼ぶ声が聞こえ、同時にそちらに目をやった。
「あ、もう迎えが着ちゃったぁ。残念。それじゃあまたね、武田君」
カクテルの入った紙コップを手に持って園崎さんは、教室を出て行ってしまった。
「はぁ……疲れるな……」
ホントに彼女の行動は謎だ。
どっと疲れがでてダラッと椅子に座ると「ちょっとちょっとちょっとぉぉ!」と遠くから声が聞こえゆっくりと振り返った。
もっと疲れそうな奴がこっちに来る気配。
脇に有太を抱えながらすごい勢いでこっちに来る菊ちゃんの姿を目にとらえた瞬間、外に逃げ出したくなり思わず立ち上がってしまった。
「あ、ちょっと待ちなさい!何処行くの!」
「倫太郎助けてくれぇ。俺はもう限界だぁ……」
「ちょっと相良ちゃんなに言ってんの!まだまだこれらかよ!?」
「や、俺ちょっとトイレ─────うわぁっ!!!」
腕を引っ張られ体が傾いて椅子ごと転びそうになった。
こんな引っ張り方をするのは─────
勢いで後ろを振り返り睨みつけると、ぶすっと仏頂面の有栖川が更に握っている腕の手に力を入れてきた。
「いっ……たいな!なんだよ!いきなり掴むと危ないって言ってんだろが!」
俺の勢い余った言葉に教室内が一瞬にして静まり返ってしまった。
「お、おい、倫太郎……」
「りん……」
慌てたのはじゃれていた有太と菊ちゃんだった。
我に返った俺は、直ぐに腕を握っている有栖川の方を見た。
ニヤリと笑いながら、自分の方へ引き寄せようとしてくるのを必死に抵抗した。
今!なんでこんな人前で、自分の方へ引き寄せようとしてんだよ!!!
「ね、倫太郎?」
「おまっ!」
こいつ、俺にだけ聞こえるようなトーンで、わざと名前を呼んでる!
「この空気を読め!!変態が!」
小声でそう言うと、俺の腕を持ったまま教室内を見渡した。
「ん ?お前らどうしたぁ?」
ざわつきはじめた教室内の生徒を見ながら首をかしげる有栖川。
(いやいやいや !おい !この空気は俺とお前のせいなんだよ!この手を早く離せぇぇ !)
声をそろえて、手を引くのもそろって俺たちは顔を見あわせた。
しばらくの沈黙の後、園崎さんが吹きだして笑うとそれにつられた俺はつい口元が緩んでしまった。
「なんか小学生みたいなやり取りで笑っちゃった」
「そう、だね。あ、汚れたハンカチ、ちゃんと洗って返すから」
「気にしないで」
「ウララァ?」
廊下の方から園崎さんを呼ぶ声が聞こえ、同時にそちらに目をやった。
「あ、もう迎えが着ちゃったぁ。残念。それじゃあまたね、武田君」
カクテルの入った紙コップを手に持って園崎さんは、教室を出て行ってしまった。
「はぁ……疲れるな……」
ホントに彼女の行動は謎だ。
どっと疲れがでてダラッと椅子に座ると「ちょっとちょっとちょっとぉぉ!」と遠くから声が聞こえゆっくりと振り返った。
もっと疲れそうな奴がこっちに来る気配。
脇に有太を抱えながらすごい勢いでこっちに来る菊ちゃんの姿を目にとらえた瞬間、外に逃げ出したくなり思わず立ち上がってしまった。
「あ、ちょっと待ちなさい!何処行くの!」
「倫太郎助けてくれぇ。俺はもう限界だぁ……」
「ちょっと相良ちゃんなに言ってんの!まだまだこれらかよ!?」
「や、俺ちょっとトイレ─────うわぁっ!!!」
腕を引っ張られ体が傾いて椅子ごと転びそうになった。
こんな引っ張り方をするのは─────
勢いで後ろを振り返り睨みつけると、ぶすっと仏頂面の有栖川が更に握っている腕の手に力を入れてきた。
「いっ……たいな!なんだよ!いきなり掴むと危ないって言ってんだろが!」
俺の勢い余った言葉に教室内が一瞬にして静まり返ってしまった。
「お、おい、倫太郎……」
「りん……」
慌てたのはじゃれていた有太と菊ちゃんだった。
我に返った俺は、直ぐに腕を握っている有栖川の方を見た。
ニヤリと笑いながら、自分の方へ引き寄せようとしてくるのを必死に抵抗した。
今!なんでこんな人前で、自分の方へ引き寄せようとしてんだよ!!!
「ね、倫太郎?」
「おまっ!」
こいつ、俺にだけ聞こえるようなトーンで、わざと名前を呼んでる!
「この空気を読め!!変態が!」
小声でそう言うと、俺の腕を持ったまま教室内を見渡した。
「ん ?お前らどうしたぁ?」
ざわつきはじめた教室内の生徒を見ながら首をかしげる有栖川。
(いやいやいや !おい !この空気は俺とお前のせいなんだよ!この手を早く離せぇぇ !)
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