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4.絶賛、文化祭準備中
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はぁぁ……。
壁にもたれながら、もう一度ブレザーの匂いをかいだ。
なんだ?香水なんてつけたことないのに……。
やっぱり匂いなんて分からなかった。
荷物をベッドの上に置いて、着替えをした。
リュックの中で、スマホが鳴っているのに気が付いて手に取った。
『有栖川』の文字に、一瞬ドキッとした。
出ようか迷ってると着信は止まり、すぐにラインが入った。
『無視するな。泣く、喚く』
あぁ??無視するなってなんだよ。しかも泣く、喚くって子供かよ……。
そう思ってるとまた着信が来た。
仕方なく出ると『何してる?』ってさ……。
ため息をつきながら「今帰って来たとこだけど」
『だろうと思って、電話してみた♡俺の愛ってヤバくない?』
「……」
何このタイミングの良さ。
少し気味悪いんだけど……。無意識に辺りを見回す。
『何?どうかした?』
見回しているのでさえ気付かれた気がして思わず姿勢を正した。
「い、今着替えてんだからちょっと待って」
首を傾け肩に挟みながらワイシャツのボタンに手を掛けた。
『え、何着替え?だったら、そのまま全部脱いじゃえ、脱いじゃえ』
しまった。こいつにこんな事を言ったら、やばい展開になるじゃんか。
「全部なんて、脱ぐわけないだろ」
『あ、そーだ♡ねーねー倫太郎?このままテレセする?しない?しよ?ね?』
「アホか!お前まだ学校じゃないのかよ!!」
ヘラッと電話越しに笑ってる有栖川。
『もう誰もいないし俺はへーきなんだけど。なんなら、俺も今から脱ごうか?』
カチャッとベルトをはずそうとする音が耳に届いた。
「変態」
『どぉぞなんとでも。で?するの?』
「しねぇよばか!用がなきゃ電話してくんな!!!」
勢いそのままに電話を切った。
「あぁ!もう!!」
髪の毛をクシャクシャにしながらスマホをベッドに投げつけた。
まったく調子が狂う。
文化祭が終わればすぐにテストだ。
文化祭で浮かれて順位は落としたくない。次は一位をとるんだ。
……文化祭で、浮かれ、て?
俺、浮かれてるのか?
二年間、文化祭なんてなくなればいいって思ってた俺が?
コンコン。
丁寧なノックオンが聞こえてきた。
「気持ち悪い事するなよ。いつもはズカズカ入ってくるくせに」
誰が来たのかすぐにわかった。
ノックをした張本人は、俺の声を聞いてしおらしく入ってきた。
「いいじゃない。たまには」
入口に立って、ウインクをしてくるオカマは何かのパンフレットを手に持って入ってきた。
「なんだよ。帰ったんじゃなかったの?」
「帰るわけないでしょ。まだ用事があるんだから」
「なんの用事だよ」
「やぁだぁ♡ほら、さっきのは・な・し♡」
「なんの話?」
「もう!文化祭の話に決まってるでしょ!」
ピクリと身体が反応してしまった。
「素敵な提案をあたしがしてあげる♡」
「あぁ……いいよ、別に」
「やぁだぁ!そんな事言わないでってか、言わせないわっ!いい!!?りん。このあたしがあんたの衣装担当になってあげるわ」
ドヤ顔で俺を見下ろしてくるけど、こう見えて結構多忙な人なんだ。
イベントやショーに引っ張りだこで、海外に拠点を置くくらいあっちからも依頼が来るちょっと有名なデザイナーらしい。
「いや、いいって。憲治忙しいだろ?」
「だから憲治って言うなって言ってるだろが」
所作や顔はもうほぼ女なのに、声や態度がたまに男になるあたり、やっぱり捨てきれてないんだと思うと笑えて来る。
壁にもたれながら、もう一度ブレザーの匂いをかいだ。
なんだ?香水なんてつけたことないのに……。
やっぱり匂いなんて分からなかった。
荷物をベッドの上に置いて、着替えをした。
リュックの中で、スマホが鳴っているのに気が付いて手に取った。
『有栖川』の文字に、一瞬ドキッとした。
出ようか迷ってると着信は止まり、すぐにラインが入った。
『無視するな。泣く、喚く』
あぁ??無視するなってなんだよ。しかも泣く、喚くって子供かよ……。
そう思ってるとまた着信が来た。
仕方なく出ると『何してる?』ってさ……。
ため息をつきながら「今帰って来たとこだけど」
『だろうと思って、電話してみた♡俺の愛ってヤバくない?』
「……」
何このタイミングの良さ。
少し気味悪いんだけど……。無意識に辺りを見回す。
『何?どうかした?』
見回しているのでさえ気付かれた気がして思わず姿勢を正した。
「い、今着替えてんだからちょっと待って」
首を傾け肩に挟みながらワイシャツのボタンに手を掛けた。
『え、何着替え?だったら、そのまま全部脱いじゃえ、脱いじゃえ』
しまった。こいつにこんな事を言ったら、やばい展開になるじゃんか。
「全部なんて、脱ぐわけないだろ」
『あ、そーだ♡ねーねー倫太郎?このままテレセする?しない?しよ?ね?』
「アホか!お前まだ学校じゃないのかよ!!」
ヘラッと電話越しに笑ってる有栖川。
『もう誰もいないし俺はへーきなんだけど。なんなら、俺も今から脱ごうか?』
カチャッとベルトをはずそうとする音が耳に届いた。
「変態」
『どぉぞなんとでも。で?するの?』
「しねぇよばか!用がなきゃ電話してくんな!!!」
勢いそのままに電話を切った。
「あぁ!もう!!」
髪の毛をクシャクシャにしながらスマホをベッドに投げつけた。
まったく調子が狂う。
文化祭が終わればすぐにテストだ。
文化祭で浮かれて順位は落としたくない。次は一位をとるんだ。
……文化祭で、浮かれ、て?
俺、浮かれてるのか?
二年間、文化祭なんてなくなればいいって思ってた俺が?
コンコン。
丁寧なノックオンが聞こえてきた。
「気持ち悪い事するなよ。いつもはズカズカ入ってくるくせに」
誰が来たのかすぐにわかった。
ノックをした張本人は、俺の声を聞いてしおらしく入ってきた。
「いいじゃない。たまには」
入口に立って、ウインクをしてくるオカマは何かのパンフレットを手に持って入ってきた。
「なんだよ。帰ったんじゃなかったの?」
「帰るわけないでしょ。まだ用事があるんだから」
「なんの用事だよ」
「やぁだぁ♡ほら、さっきのは・な・し♡」
「なんの話?」
「もう!文化祭の話に決まってるでしょ!」
ピクリと身体が反応してしまった。
「素敵な提案をあたしがしてあげる♡」
「あぁ……いいよ、別に」
「やぁだぁ!そんな事言わないでってか、言わせないわっ!いい!!?りん。このあたしがあんたの衣装担当になってあげるわ」
ドヤ顔で俺を見下ろしてくるけど、こう見えて結構多忙な人なんだ。
イベントやショーに引っ張りだこで、海外に拠点を置くくらいあっちからも依頼が来るちょっと有名なデザイナーらしい。
「いや、いいって。憲治忙しいだろ?」
「だから憲治って言うなって言ってるだろが」
所作や顔はもうほぼ女なのに、声や態度がたまに男になるあたり、やっぱり捨てきれてないんだと思うと笑えて来る。
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