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2.遡る事、一年前……
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照り付ける太陽の光。
べとつく汗がじんわり首筋を伝う。
暑い、ただその言葉につきる。
暑いと思うのは、太陽のせいばかりじゃない。
昼休み。
『なぁ、倫太郎、お前何食う?』
『相良は、カツ丼だろ?』
『勝手に決めつけんな!変態教師!』
『あっ!お前、それ今言う!?だったら、俺は─────』
何で。誰が好き好んで変態二人と昼飯を食べようとしてるんだ。
ただでさえ暑いのに余計と暑苦しい。
ガタイのいい2人が揃って俺の前でいがみ合っている。
横目で二人のやり取りを見ていると、違う視線を感じて振り返った。
見た事がない生徒が俺達を見ていた。
正確には、多分、有栖川を見ていた。
その視線を辿りながらつい有栖川を見てしまい、それに気がついた有栖川は嬉しそうに近づいてきた。
『何?何?そんなに俺の事見つめちゃってぇ。惚れた?好きになった?いやぁ、けどそんなに見つめられたら俺だって流石に照れちゃうんだけど?』
『なっ!惚れてないし好きにもならない!!』
『けど俺の事、見てただろ?』
低い声で耳元で囁けば、パッと無駄に爽やかに微笑んで見せるあたり、手慣れた感が半端ない。
『見てない!自惚れんな!』
一喝して視線を先ほどの生徒に向けた。
『あれっ』
そこにいたはずの生徒の姿はなく、あたりを見回してもそれらしき人物はいなかった。
誰だろう。この時はあまり気にしていなかった。
『倫太郎?お前はどうすんだよ』
ズイッと顔を近づけてくる有太。片手で有栖川の胸を押しやっている。それに負けじと有栖川も前に出ようとする。
アホすぎだこいつら。
『俺、カツ丼』
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