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015 潰瘍性大腸炎だった話②~専門病院で初診、採血~

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夜寝る前に動画配信サイトで動画を見るのが日課の私は、おすすめにでてきた大腸ガンになった漫画家さんが描いた実録漫画の動画を見ていた。
動画で漫画が読める優れものである。
つらい検査や手術を明るく乗り越える漫画家さんに、とても勇気をもらった。

もし、私も大腸がんだったしても、この漫画家さんみたいに過ごしたいなと考えていた。
元々、統合失調症を患い、希死念慮もたまにあった私は死ぬのはあまり怖いと思わなかった。
天国にいる大好きなおじいちゃんやひいおばあちゃんやワンコに思いを馳せて涙を流したりもしていた。
まだ診断もされてないのに、センチメンタルな気持ちになっていた。

その日の夕方に、母に専門の病院へ連れて行ってもらうことになっていた。
きっと、大腸検査をするんだ。こわいな。
痔かもしれないなら、先生におしりをみせるのかなとも考えていた。

大学の勉強をすすめながら、母が帰ってくるのを待っていた。
そして、ようやく母が仕事から帰ってきた。
「お母さん!おかえり!病院いこう。疲れてるのにごめんね。」
なぜか母は驚いた様子で、
「もしかしたら行かないのかもと思っていた。怖がっていたから。わかったよ」

病院までバスで行くこともできるが、不安が強い私は、母に付き添ってもらうことに安心感を覚えるので、送迎をお願いすることにした。

病院につくと、その病院は土足厳禁なのに、スリッパがなかった。
「次来る時は靴下を履いてこないとね~」
私も母もサンダルを履いてきていたので、裸足のままあがった。

受付をして、問診票を書く。
17時過ぎだけど、患者さんがちらほらいる。
問診票を書き終わり、私のお薬手帳と一緒に受付に提出した。
「ふだん飲んでいる薬の説明の紙も持ってきたんだけど、これもいりますか?」
受付の人は、薬の名前さえ分かればいいんですよ~といって、お薬手帳をコピーしていた。

「本山さん、2番にどうぞ」
先生に放送で呼ばれて、いよいよ診察になる。
診察室のドアをノックして、開けると、若い男の先生が座っていた。
少しイケメンかもしれない。
荷物をカゴにおいて、先生の前に座る。

「下痢の症状は1年前からだね?」
問診票を見ながら質問する先生。
「えっと、お腹がゆるいのは3年前からで、下痢がひどくなって血便がでたのは1年前からです。血便は今まで3回あって」
おろおろしながら、事実を伝える私に、うーんと先生は考えていた。
問診票の症状を書くスペースが狭かったので、上手くかけてなかったかもしれない。
今言えてよかった。
「1度、大腸の検査した方がいいね。いつがいい?」
「平日は今日みたいな時間で夕方なら⋯⋯」
母の予定も聞かないといけないのに、母は待合室で待ってるしな。バスでこようかな。
「あっ、大腸検査は一日かかるよ。朝からだよ!そっちにカレンダーあるよ」
先生が教えてくれた。
カレンダーを振り返り、何日がいいかなぁ。と悩んでいると。
「27とか28日なんてどう?」
と来週の週末を提案してくれる先生。土曜日でもいいのか。でも土曜日は精神科に通院の日だし、金曜は作業所行く日だなぁ。
「26日でお願いします」
「わかったよ。貧血がないか、今日採血もするね。」
「はい!ありがとうございました」
そう言って、頭を下げて診察室を後にした。

待合室にいた母に、大腸検査になったよと。26日大丈夫?と聞いてみた。
「26日は、職場で休み取るのは言いづらいや。31日ならいいよ。休みは1週間前にいうことになってるの」
あわてて受付で、予約を変更してもらった。
受付の人は、
「うちはいつでもいいので~」
とやさしかった。

少し待ってると、また名前を呼ばれた。
採血だ。
部屋に入っていくと、看護師さんが、おいでおいでとしていた。
椅子にすわり、左腕を台に置くと、二の腕を縛られる。
「血便があるの?便秘もする?」
看護師さんが心配そうに声を掛けてくれる。
「便秘はなくて、ずっと下痢なんです」
私は血をとられる様子をじっと見ながら、答えた。
「それも辛いね~」
「血便は、痔なのかなとも思うけど、1度検査はした方がいいんだろうなと思って」
看護師さんはうんうんとうなずきながら、
「痔だと思ってたら、出口のすぐ近くに大きいポリープがあった人もいたのよ。検査はした方がいいよ!」
看護師さんの言葉にひえーとなる。
「そうなんだぁ!!はい!検査します!」
そんなことを話してると採血はあっという間に終わった。

受付でお金を払い、その日は母の運転で真っ直ぐ帰った。
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