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005 美容院どこへ行くか問題
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美容院に行ってきた。
ずっと切ってなくて、前髪だけ自分で切ったり、後ろでひとつに括ったり、騙し騙しやってきたけど、もう限界だった。
私は、数年前に引越しをしてから、行きつけの美容院が定まってない。
引越し後しばらくは、千円カット専門の所か母の通ってる美容院か近所の美容院など転々としていた。
最近、アパートから徒歩3分もかからない所にオシャレな美容院がオープンした。
ホームページを見てみるとカット4000円とのこと。
むむ……私にはちょっと高い……と思いつつ、オシャンティーな私に変身できるのかも!と今日、ドキドキしながら行ってみた。
ガラッと美容院のドアを開けて、
「こんにちは……初めてなんですけど……」
と入っていった。
オシャレな髪型でスタイルのいいお兄さんが、
「こんにちは~」
と来てくれる。
レジの前で
「お名前は?」
と聞かれた。
だからさ、初めてなんだよ。顧客情報に載ってないでしょ。と思う。
「初めてなんですが……」
「??……いえ、お名前を……」
「本山莉子といいます」
レジにある機械の画面を見ながら、イケメンのお兄さんは尋ねる。
「ご予約は?」
ガーン!そっか、予約が必要だったのか!!
「あっあの、予約してないです!」
「すみません!今日いっぱいでして!申し訳ない!」
謝るお兄さん。
「そうなんですね。すみません。ありがとうございます」
何故かお礼を言う私。
そのまま、オシャレな美容院をそそくさと出ていった。
実は、オシャレな美容院でモタモタしないように、モデルさんの写真をプリントしてきていた。こういう風にしてくださいと言うためである。
せっかくプリントしてきたのに、無駄になる。もうカットしてさっぱりする気満々だった私は、何度か行ったことがある近所の美容院にそのまま向かった。
近所の美容院は、スーパーの中にあり、店の指定する時間内に行けば980円でカットしてくれる。だが、未だかつて、ここでカットしてオシャンティーな私になったことは無かった。
あと、実は昨日、新年にお母さんが煮物をするために買っておいたらしい鶏もも肉を料理に使ってしまったので、それを買いにいく必要があった。
そこなら、スーパーも寄れるし……。とトボトボ歩いて行く。
年末だというのに、とても晴れていてポカポカと暖かかったので、着ていたダウンジャケットを脱いで歩いた。
スーパーと美容院のある建物に入り、スーパーのレジを横切って、美容院の方に向かった。
美容院の入り口の前には、『カット980円!』『男性も大歓迎!』という大きな旗がヒラヒラしていた。
店内に入り、タッチパネルで来店受付をして、ロッカーに荷物をいれた。バッグからプリントした写真もだして、椅子に座ろうとすると、
「いらっしゃいませ。こちらでお待ちください」
と、カットする椅子に案内された。
長い間、椅子の上で待っていた。
美容師さんはおばちゃん2人で、毛染めして時間が経つのを待っているおばちゃん2人と、カット中の男性とおばぁちゃんがいた。
私の番になり、プリントした写真をみせると、おばちゃん美容師さんは
「〇〇ボブみたいなかんじやね」
といった。
〇〇の部分は聞き取れなかったが、
「そうですね~」
と知ったかぶりをする私。
おばちゃん美容師さんは、ザクザク切っていたが、とても時間をかけて切ってくれた。
カット中、だいぶ短くしてるな大丈夫かな。これだとマッシュルームみたいにならないかな?と心配しながら見守っていた。
おばちゃん美容師さんは真剣だった。
ブローも一生懸命してくれて、ブローして終わりかと思いきや、またカットしていた。
カットしていく度に、どんどんオシャンティーになってるような気がした。
カットが終わり、鏡で後ろまで見せてくれた。とても綺麗でオシャンティーだった。
980円払って、こんなに時間をかけて丁寧なのに……なんだか申し訳ないと思いながら980円払った。
オシャンティーな結果だったのはとても嬉しい。オシャンティーなのは今回だけかもしれないが、雰囲気も落ち着くしこれからはここに通おう。
そう決めた私は、スーパーで鶏もも肉400グラムを買って帰路に着いたのだった。
ずっと切ってなくて、前髪だけ自分で切ったり、後ろでひとつに括ったり、騙し騙しやってきたけど、もう限界だった。
私は、数年前に引越しをしてから、行きつけの美容院が定まってない。
引越し後しばらくは、千円カット専門の所か母の通ってる美容院か近所の美容院など転々としていた。
最近、アパートから徒歩3分もかからない所にオシャレな美容院がオープンした。
ホームページを見てみるとカット4000円とのこと。
むむ……私にはちょっと高い……と思いつつ、オシャンティーな私に変身できるのかも!と今日、ドキドキしながら行ってみた。
ガラッと美容院のドアを開けて、
「こんにちは……初めてなんですけど……」
と入っていった。
オシャレな髪型でスタイルのいいお兄さんが、
「こんにちは~」
と来てくれる。
レジの前で
「お名前は?」
と聞かれた。
だからさ、初めてなんだよ。顧客情報に載ってないでしょ。と思う。
「初めてなんですが……」
「??……いえ、お名前を……」
「本山莉子といいます」
レジにある機械の画面を見ながら、イケメンのお兄さんは尋ねる。
「ご予約は?」
ガーン!そっか、予約が必要だったのか!!
「あっあの、予約してないです!」
「すみません!今日いっぱいでして!申し訳ない!」
謝るお兄さん。
「そうなんですね。すみません。ありがとうございます」
何故かお礼を言う私。
そのまま、オシャレな美容院をそそくさと出ていった。
実は、オシャレな美容院でモタモタしないように、モデルさんの写真をプリントしてきていた。こういう風にしてくださいと言うためである。
せっかくプリントしてきたのに、無駄になる。もうカットしてさっぱりする気満々だった私は、何度か行ったことがある近所の美容院にそのまま向かった。
近所の美容院は、スーパーの中にあり、店の指定する時間内に行けば980円でカットしてくれる。だが、未だかつて、ここでカットしてオシャンティーな私になったことは無かった。
あと、実は昨日、新年にお母さんが煮物をするために買っておいたらしい鶏もも肉を料理に使ってしまったので、それを買いにいく必要があった。
そこなら、スーパーも寄れるし……。とトボトボ歩いて行く。
年末だというのに、とても晴れていてポカポカと暖かかったので、着ていたダウンジャケットを脱いで歩いた。
スーパーと美容院のある建物に入り、スーパーのレジを横切って、美容院の方に向かった。
美容院の入り口の前には、『カット980円!』『男性も大歓迎!』という大きな旗がヒラヒラしていた。
店内に入り、タッチパネルで来店受付をして、ロッカーに荷物をいれた。バッグからプリントした写真もだして、椅子に座ろうとすると、
「いらっしゃいませ。こちらでお待ちください」
と、カットする椅子に案内された。
長い間、椅子の上で待っていた。
美容師さんはおばちゃん2人で、毛染めして時間が経つのを待っているおばちゃん2人と、カット中の男性とおばぁちゃんがいた。
私の番になり、プリントした写真をみせると、おばちゃん美容師さんは
「〇〇ボブみたいなかんじやね」
といった。
〇〇の部分は聞き取れなかったが、
「そうですね~」
と知ったかぶりをする私。
おばちゃん美容師さんは、ザクザク切っていたが、とても時間をかけて切ってくれた。
カット中、だいぶ短くしてるな大丈夫かな。これだとマッシュルームみたいにならないかな?と心配しながら見守っていた。
おばちゃん美容師さんは真剣だった。
ブローも一生懸命してくれて、ブローして終わりかと思いきや、またカットしていた。
カットしていく度に、どんどんオシャンティーになってるような気がした。
カットが終わり、鏡で後ろまで見せてくれた。とても綺麗でオシャンティーだった。
980円払って、こんなに時間をかけて丁寧なのに……なんだか申し訳ないと思いながら980円払った。
オシャンティーな結果だったのはとても嬉しい。オシャンティーなのは今回だけかもしれないが、雰囲気も落ち着くしこれからはここに通おう。
そう決めた私は、スーパーで鶏もも肉400グラムを買って帰路に着いたのだった。
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