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プロローグ

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「おいしくな~れ、おいしくな~れ」

 運んだオムライスにケチャップでハートマークを描きながら、そう唱える。

「妖精さんが作ったオムライスを美味しく召し上がれ」

 そう言ってからスプーンを渡すと、子供たちは大はしゃぎでオムライスを頬張る。

 その笑顔を見ているとほのぼのとしてくる。無邪気な子供の笑顔は異世界でも変わらない。



 最初は男性客を見込んで立ち上げたメイドカフェだったが、カフェのメニューが子供と女性たちにうけたせいで今は家族連れが多い。妖精さんの国で作ったお菓子やオムライス、お子様ランチにレディースランチなどを時間凍結した空間魔法で空間をつないで持ってくるので、出来立てのおいしさを提供できる。

 昔、そう前世でアルバイトしていたメイドカフェなら自分でもできるかもと思ったが、これは普通のカフェでも良かったかもとそう思いながら客層を眺める。最初こそ、若い男が多かったが最近は家族連れが多くなってきた。これもみんな妖精さんたちのお蔭だ。そう思うと胸が温かくなる。

 本当は殺されるはずだった。それが妖精さんたちのお蔭で生き延びることができ、更に妖精さんたちとほのぼのとしたカフェを営み、異世界でまさかのまったりとスローライフ。

 転生してよかったと今はつくづくそう思う。

 


 皆さま、いらっしゃいませ、妖精さんのカフェにようこそ♪
 
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