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二章 無意味の象徴
116話 『只今』
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──つまらない。
ゔにゃあああああああああああああああああああああああああ……。
コウくんはどっか行っちゃって、ネネさんも買い物に行っちゃって……暇だぁぁぁ……。
ネネさんの買い物は、寝たふりしてた私が悪いんだけど……。
にゃあああああ……。レイくんまだ帰って来ないのー……? もうすぐ六時半……。はーやーくー。帰ってきてー! ぷりーず! かもん!
──虚しくなってきた。
ゲームしててもなー。なんだかなー。……勉強もなー。レイくんがいないとつまんないしなー。ひまひまひまー! 足をバタバタ。手もばたばた。……魚みたい。そう言えば、魚食べたい。まぐろ食べたいなぁ。お寿司食べたい。
レイくんの友達ってどんな人だろ。やっぱり男の人かな。女の人だったりして。いや、やっぱり男友達かも。筋肉モリモリかな? 黒人? なんかマフィアとかに居そうな人だったりして。あとは──あっ、普通にイケメン? もしかしたら男の娘かも。
なんて、考えてても分かんないか。
「ひまぁぁ~……」
『暇なんですかぁ? せんぱぁい』
ぁぁああぁあぁぁぁ……。画面の癒やしぃぃぃ……。パソコンの画面に、女の子が映ってて、すんごい癒されるぅぅ~……。カワイイ。マジ、カワイイ。
「うぅぅ~……。レイくんが、帰ってきてくれないぃぃ~……。ひまぁぁぁ……」
にゃあああああ……。パソコンもずっとやってるとあんまり面白くない……。
『あんっ、先輩、どこ触ってるんですか!』
カーソルを胸に合わせてポチポチ。何回も変な喘ぎ声が出て来るけど……面白くないなぁ。レイくんがいないと面白くない。
早く帰って来てよ、レイくん。
ソファで寝っ転がっても、ばたばたしても暇だし。何しても暇に感じる。レイくんがいないとどうしようもなくて暇すぎるんだよ~……。
せめてコウくんでも良いからさぁ……。最悪、ネネさんでも。早く帰って来てよぉぉぉ~……。
ひ~ま~だ~……。
あっ、そう言えば、アイスがあった気がする。──次の選択肢になったら見てこよー。
『先輩、アイス食べませんか?』
あっ、選択肢きた。食べるか食べないか……。食べるけど、先ずは冷・凍・庫~♪
ふんふふーん♪ ふんふふんふーんふんっ♪ ふふんふふ──よっし! あった! こちら一番隊! 玄関に人の気配はあるか!? いや、無い! 今がチャンスだ! 総員、棒を掴めえええええええ!
──決まった。
右手にはグレープとオレンジ味のアイスキャンディー。左手にはパイナップルとキウイ味。……こんなに取っても溶けちゃいそうだしオレンジにしよっと。
他の三本はお預けだ!
さぁて、アイスは口に入れて、続き続き……。
もちろん、アイスは食べる。ゲームでもね!
『なら、ちょうどそこにコンビニがあるので何か買っていきましょ』
恋愛シュミレーションは疲れるねー……。RPGしたいなぁ……。そういや、今日はシューティングやってないや。次のセーブポイントでRPGしよっと。
ガタッ。──って、これ、絶対にゲームの音じゃない。なんの音だろ……。玄関、からかな。……まさか、レイくんか!
来たああああああ! あっ、その前にアイス食べ切ろう。あむ、あむ、あむ──……。うにゃぁぁ~……。変な感じがするんだよ……。
とにかく! 食べ終わった! 口の周りも拭いて、ゴミ箱に棒を投げ捨てて、証拠隠滅! 証拠抹殺! よぉっし! さあレイくんを迎えに行かなきゃ!
ソファを飛び越えろっ! とうっ! あ、そうだっ! 帰って来た旦那にやるやつ! アレやってみよ! 一回やってみたかったんだぁ~……! あぁ~、なんか足が浮いていく~!
──って、あれ? 玄関にいない。まだ家の前にいるのかな? とにかく、見てこよー。
くつ履いて~♪
一回展っ♪
それからドアをガチャって開けて~♪
……開かないな。なんか、物が置かれてるみたい。……何か荷物届けられてたかなぁ……? 何も注文した記憶が無いんだけど……。
もー! 仕方ないっ! ご飯かお風呂か、のやつはまた今度にしよー……。
「ねー! レイくん? いるー?」
「あ、うん。いるよ」
「良かったー。……ねー、扉の前に荷物かあるみたいだからちょっとどけてくれるー?」
「あっ、ごめんね、レイカちゃん。……実は、遊び過ぎて、疲れて動けなくなっちゃって……」
「えええええええええッッッ!? 友達と遊ぶからってはしゃぎ過ぎだよ! ちょっと待ってて! あれ! ベランダの方から中に運んであげるから!」
全く! 友達と遊ぶからってはしゃぎ過ぎだよ! 私が小さい頃でも、ミッちゃんと遊ぶ時でもそんなになるまで遊ばなかったのに! やり過ぎ! もう! 世話かけるんだからぁー!
ガチャっ! ピシャッ! よしっ! 透明なドアを開けて外に! 必殺! EXテレポート!
──本当はテレポートじゃなくてただジャンプしただけだけど。あっ、くつ脱いで来るの忘れてた。まあ、仕方ないよね。バレなければ罪にはならないのだー。
すぐに玄関に回ったら、上着が無くなったレイくんが座ってて、頭を押さえてしまったぁぁぁぁ……! だって! だって──! だって……!
でも、なんで!?
「レイくん!」
「レイカちゃん」
「何がどうしてそのネコちゃんの顔に穴が空いちゃってるの!?」
「ごめんね……。ちょっと、引っかかっちゃって……」
「全然ちょっとじゃないよ!」
全く……。そんなにネコちゃんが嫌いなのかな……。かわいいのに……。にゃあぁ~、って鳴いたりするのもかわいいし、ぺろぺろしてるのもかわいいし……。
分かんないなぁ……。
「もう……。まあ、ネコちゃんが好きか嫌いかは、好みがあるよね……」
「本当にごめんね……。何か、できる事ならなんでもするよ」
「ホント!? それじゃあねぇ~……。にゃふふふふ~……♪」
何してもらおっかなぁ~♪ ドアを開けた向こうには~♪ ふっしぎの国が~♪
無いけどねッ! 無いけどねッッッ!
大事な事だから二回言ったけど、今のこの姿勢って、なんか、死地から戻って来た戦友みたいじゃない……!?
すごい……! かっこいい……!
「ありがとう、レイカちゃん」
「ん? ああ、いいよいいよ! それに、レイくんにやってもらうこと、思いついたし~」
それじゃあ、レイくんにはアレをやってもらおー!
ゔにゃあああああああああああああああああああああああああ……。
コウくんはどっか行っちゃって、ネネさんも買い物に行っちゃって……暇だぁぁぁ……。
ネネさんの買い物は、寝たふりしてた私が悪いんだけど……。
にゃあああああ……。レイくんまだ帰って来ないのー……? もうすぐ六時半……。はーやーくー。帰ってきてー! ぷりーず! かもん!
──虚しくなってきた。
ゲームしててもなー。なんだかなー。……勉強もなー。レイくんがいないとつまんないしなー。ひまひまひまー! 足をバタバタ。手もばたばた。……魚みたい。そう言えば、魚食べたい。まぐろ食べたいなぁ。お寿司食べたい。
レイくんの友達ってどんな人だろ。やっぱり男の人かな。女の人だったりして。いや、やっぱり男友達かも。筋肉モリモリかな? 黒人? なんかマフィアとかに居そうな人だったりして。あとは──あっ、普通にイケメン? もしかしたら男の娘かも。
なんて、考えてても分かんないか。
「ひまぁぁ~……」
『暇なんですかぁ? せんぱぁい』
ぁぁああぁあぁぁぁ……。画面の癒やしぃぃぃ……。パソコンの画面に、女の子が映ってて、すんごい癒されるぅぅ~……。カワイイ。マジ、カワイイ。
「うぅぅ~……。レイくんが、帰ってきてくれないぃぃ~……。ひまぁぁぁ……」
にゃあああああ……。パソコンもずっとやってるとあんまり面白くない……。
『あんっ、先輩、どこ触ってるんですか!』
カーソルを胸に合わせてポチポチ。何回も変な喘ぎ声が出て来るけど……面白くないなぁ。レイくんがいないと面白くない。
早く帰って来てよ、レイくん。
ソファで寝っ転がっても、ばたばたしても暇だし。何しても暇に感じる。レイくんがいないとどうしようもなくて暇すぎるんだよ~……。
せめてコウくんでも良いからさぁ……。最悪、ネネさんでも。早く帰って来てよぉぉぉ~……。
ひ~ま~だ~……。
あっ、そう言えば、アイスがあった気がする。──次の選択肢になったら見てこよー。
『先輩、アイス食べませんか?』
あっ、選択肢きた。食べるか食べないか……。食べるけど、先ずは冷・凍・庫~♪
ふんふふーん♪ ふんふふんふーんふんっ♪ ふふんふふ──よっし! あった! こちら一番隊! 玄関に人の気配はあるか!? いや、無い! 今がチャンスだ! 総員、棒を掴めえええええええ!
──決まった。
右手にはグレープとオレンジ味のアイスキャンディー。左手にはパイナップルとキウイ味。……こんなに取っても溶けちゃいそうだしオレンジにしよっと。
他の三本はお預けだ!
さぁて、アイスは口に入れて、続き続き……。
もちろん、アイスは食べる。ゲームでもね!
『なら、ちょうどそこにコンビニがあるので何か買っていきましょ』
恋愛シュミレーションは疲れるねー……。RPGしたいなぁ……。そういや、今日はシューティングやってないや。次のセーブポイントでRPGしよっと。
ガタッ。──って、これ、絶対にゲームの音じゃない。なんの音だろ……。玄関、からかな。……まさか、レイくんか!
来たああああああ! あっ、その前にアイス食べ切ろう。あむ、あむ、あむ──……。うにゃぁぁ~……。変な感じがするんだよ……。
とにかく! 食べ終わった! 口の周りも拭いて、ゴミ箱に棒を投げ捨てて、証拠隠滅! 証拠抹殺! よぉっし! さあレイくんを迎えに行かなきゃ!
ソファを飛び越えろっ! とうっ! あ、そうだっ! 帰って来た旦那にやるやつ! アレやってみよ! 一回やってみたかったんだぁ~……! あぁ~、なんか足が浮いていく~!
──って、あれ? 玄関にいない。まだ家の前にいるのかな? とにかく、見てこよー。
くつ履いて~♪
一回展っ♪
それからドアをガチャって開けて~♪
……開かないな。なんか、物が置かれてるみたい。……何か荷物届けられてたかなぁ……? 何も注文した記憶が無いんだけど……。
もー! 仕方ないっ! ご飯かお風呂か、のやつはまた今度にしよー……。
「ねー! レイくん? いるー?」
「あ、うん。いるよ」
「良かったー。……ねー、扉の前に荷物かあるみたいだからちょっとどけてくれるー?」
「あっ、ごめんね、レイカちゃん。……実は、遊び過ぎて、疲れて動けなくなっちゃって……」
「えええええええええッッッ!? 友達と遊ぶからってはしゃぎ過ぎだよ! ちょっと待ってて! あれ! ベランダの方から中に運んであげるから!」
全く! 友達と遊ぶからってはしゃぎ過ぎだよ! 私が小さい頃でも、ミッちゃんと遊ぶ時でもそんなになるまで遊ばなかったのに! やり過ぎ! もう! 世話かけるんだからぁー!
ガチャっ! ピシャッ! よしっ! 透明なドアを開けて外に! 必殺! EXテレポート!
──本当はテレポートじゃなくてただジャンプしただけだけど。あっ、くつ脱いで来るの忘れてた。まあ、仕方ないよね。バレなければ罪にはならないのだー。
すぐに玄関に回ったら、上着が無くなったレイくんが座ってて、頭を押さえてしまったぁぁぁぁ……! だって! だって──! だって……!
でも、なんで!?
「レイくん!」
「レイカちゃん」
「何がどうしてそのネコちゃんの顔に穴が空いちゃってるの!?」
「ごめんね……。ちょっと、引っかかっちゃって……」
「全然ちょっとじゃないよ!」
全く……。そんなにネコちゃんが嫌いなのかな……。かわいいのに……。にゃあぁ~、って鳴いたりするのもかわいいし、ぺろぺろしてるのもかわいいし……。
分かんないなぁ……。
「もう……。まあ、ネコちゃんが好きか嫌いかは、好みがあるよね……」
「本当にごめんね……。何か、できる事ならなんでもするよ」
「ホント!? それじゃあねぇ~……。にゃふふふふ~……♪」
何してもらおっかなぁ~♪ ドアを開けた向こうには~♪ ふっしぎの国が~♪
無いけどねッ! 無いけどねッッッ!
大事な事だから二回言ったけど、今のこの姿勢って、なんか、死地から戻って来た戦友みたいじゃない……!?
すごい……! かっこいい……!
「ありがとう、レイカちゃん」
「ん? ああ、いいよいいよ! それに、レイくんにやってもらうこと、思いついたし~」
それじゃあ、レイくんにはアレをやってもらおー!
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