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18章 その手の温もりは何処(いずこ)へ
305話 消えていないと分かっていても
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消えてしまった
ルクシラの身体は消えてしまった
何故かは分からない
でも、消えてしまったのだ。溶けて、グチャグチャになって、最期には粉末のような形になって、風の中へ消えてしまった
ただ、その冷たい風はどこへ向かっていったのか、それは誰にも分からない
分かるのはきっと、彼らだけなのだろう
「こいつらの親玉はどこに居る?」
「……分からない。でも、ここに居る。それだけは分かってる」
そう呟いた。でも、気付いた時には遅かった
全てが遅かったのだ。音など無かった。理解する暇など無かった。突如、辺りの景色が変わったのだ。
眼前に広がるのは──
死体
死体、死体。死体。死体シタイしたい。死体だらけだ
男、女、子供、赤子、老人、人だけが殺されている。人ばかり。ヒトだけが……
死体の山
そう表現するしかない目の前の光景にレンゼは顔をしかめた。その頂点には一体の死体を背負った男が一人、座っていた
「よぉ、ザコ」
そう、声を掛けて男は下に滑り降りてきた
「お前がこれをやったのか……?」
「あ? 俺が話そうとする前に質問すんじゃねえよザコが」
もう一度辺りを確かめる。死体の山、赤い窓、場所は──
「どこだ、ここ?」
「決まってんだろ。お前らがさっきまで居た場所だよザコが」
そう言われて足元を見た。そして周りをもう一度確認する
通路の壁が無い。でも、それ以外は先程と全く同じだ。後ろの方には先程までレンゼが居た部屋が見える。そこまではまだ血は広がっておらず、レンゼの嘔吐物が見えた
「そして、ちょっとしたプレゼントだ。よくもまあスペービァとルクシラを倒してくれたな。スペービァの置き土産だ受け取れよザコ」
そう言って背負っていた死体の足を掴んでレンゼに向かって投げ付ける。その死体は回転しながらレンゼの方へ近付いて来る
それが近付くに連れ、誰なのかが分かった
足元に落ちたソレに手を伸ばし、膝を地面に付けた。ポタポタと涙が落ちる。よく知っている顔なのだ。とても優しく、好意を抱いていた。彼女が、今は足元に転がっている。まだ温かいまま
「ア、アリサ……? なあ、起きろよ、起きろって、起きて、なあ、なあ。なあ!」
「どうだ? スペービァにしては良い土産を置いて逝ったと思うだろ? なあ、どうだ? ザコ?」
「ぅ、ぁぁぁ……あああ……! あああああああああああああああああああ!!」
死体に泣き付く。泣き付いて泣き付いて泣き付いて、蹴飛ばされた。壁にぶつかり、それでもまだ泣いている。死体へ近付こうとする
既に死んでいる。魂はとうに無い。それを分かっているはずなのに同じ動作を続ける
ジャックも居ない。ただ、血にまみれた肉塊が転がっているだけだ
ここにはレンゼとアワィラの二人しか居ない
「……正直、拍子抜けだったわ。ザコが」
ピタリと泣き声が止んだ。大きな、と言うより高い鳴き声によって
「ぐずっ……絶対に……! 殺す! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す! コロス!」
床を蹴り、好きだった人を飛び越えて叫びながらアワィラへ近付いて行く。殴打。蹴り。頭突き。それらを繰り返し、時には髪を使って首を締めに行く
殴打。蹴り。頭突き。全てを返され、髪を使った際には脚を掴まれて窓へ叩き付けられた
パリンッ!
白い月明かりがレンゼを照らし出した。赤い赤い、全身が赤いレンゼを
直ぐ様レンゼは窓際に手を伸ばし、掴んだ。ポタポタと血が垂れているがすぐに上がれた。中に入ろうとすると眼前にアワィラが居た。拳を構え、ニヤリと笑いながら、レンゼを歓迎した
「死ねよザコ」
吹き飛んでいく。空を飛んでいく。追い打ちを掛けるようにアワィラが窓のあった場所を蹴ってレンゼの眼前へと飛んでくる
「ォラッ!」
「ごゔッ!」
加速する。速く、速く、速くなっていく。レンゼの下を灯が一瞬で逆方向に通過して行った
固いものにぶつかる。固く、高い。コンクリートか何かで固められた集合住宅、所謂マンションに。どこかの部屋のベランダに突っ込み、悲鳴が上がる
「……え? は? 何!?」
「ァぅぅああ……」
頭から血を流し、苦しそうに呻き声を上げる。そんなレンゼを見てベッドの上で寝ていた彼女は上体を起こして顔を顰めた
「なんでアンタがここに居るのよ……。しっかり弁償してもらうから」
「あぁ? 寝ときゃ助かったのによ。ザコはやっぱ運がねえのな」
「誰よアンタ」
ベッドから降りてベランダまで登ってきたアワィラを睨み付ける。と、ドアがノックされた
「早く出て行って」
「ならお前こそどっか行け。ザコのくせして出しゃばるなよ」
「さっきからさっきからザコザコザコって……私はザコじゃないわよ!」
「あ? なら今から十秒、ソイツを守って見せろよ。そうすればザコからカスに格上げしてやる」
「はぁ? 何言ってんのよ! アンタが出て行けば済む話でしょ!」
そう叫ぶと同時にサラが横からアワィラに蹴りを入れて来た
「人の娘をおかしな名前で呼ぶのはやめて頂けますか?」
ベランダから回転して落ちていく。とても速い。二秒も経たない内に地面に突っ込んだ。それと同時にサラは柵を掴んでベランダに降りてきた
「ハッ! テメェの娘だぁ!? こりゃあ良い! どれほどの強さか見てやろうじゃねえか!」
下でそう叫ぶアワィラを無視してサラはソラとレンゼを目に入れる
「大丈夫ですか? ソラ、レンゼくん」
「私は、なんともないけど……コイツは、ちょっと……」
血に濡れて本の上に倒れているレンゼを尻目で見ながら指を指す。どこか心配そうに。スタスタと歩いて行き、レンゼの前でしゃがみ込むとサラは──
「終わり、ですね」
「え?」
そう、呟いた。虚無の双眸で、もう一度言う
終わりですね……
ルクシラの身体は消えてしまった
何故かは分からない
でも、消えてしまったのだ。溶けて、グチャグチャになって、最期には粉末のような形になって、風の中へ消えてしまった
ただ、その冷たい風はどこへ向かっていったのか、それは誰にも分からない
分かるのはきっと、彼らだけなのだろう
「こいつらの親玉はどこに居る?」
「……分からない。でも、ここに居る。それだけは分かってる」
そう呟いた。でも、気付いた時には遅かった
全てが遅かったのだ。音など無かった。理解する暇など無かった。突如、辺りの景色が変わったのだ。
眼前に広がるのは──
死体
死体、死体。死体。死体シタイしたい。死体だらけだ
男、女、子供、赤子、老人、人だけが殺されている。人ばかり。ヒトだけが……
死体の山
そう表現するしかない目の前の光景にレンゼは顔をしかめた。その頂点には一体の死体を背負った男が一人、座っていた
「よぉ、ザコ」
そう、声を掛けて男は下に滑り降りてきた
「お前がこれをやったのか……?」
「あ? 俺が話そうとする前に質問すんじゃねえよザコが」
もう一度辺りを確かめる。死体の山、赤い窓、場所は──
「どこだ、ここ?」
「決まってんだろ。お前らがさっきまで居た場所だよザコが」
そう言われて足元を見た。そして周りをもう一度確認する
通路の壁が無い。でも、それ以外は先程と全く同じだ。後ろの方には先程までレンゼが居た部屋が見える。そこまではまだ血は広がっておらず、レンゼの嘔吐物が見えた
「そして、ちょっとしたプレゼントだ。よくもまあスペービァとルクシラを倒してくれたな。スペービァの置き土産だ受け取れよザコ」
そう言って背負っていた死体の足を掴んでレンゼに向かって投げ付ける。その死体は回転しながらレンゼの方へ近付いて来る
それが近付くに連れ、誰なのかが分かった
足元に落ちたソレに手を伸ばし、膝を地面に付けた。ポタポタと涙が落ちる。よく知っている顔なのだ。とても優しく、好意を抱いていた。彼女が、今は足元に転がっている。まだ温かいまま
「ア、アリサ……? なあ、起きろよ、起きろって、起きて、なあ、なあ。なあ!」
「どうだ? スペービァにしては良い土産を置いて逝ったと思うだろ? なあ、どうだ? ザコ?」
「ぅ、ぁぁぁ……あああ……! あああああああああああああああああああ!!」
死体に泣き付く。泣き付いて泣き付いて泣き付いて、蹴飛ばされた。壁にぶつかり、それでもまだ泣いている。死体へ近付こうとする
既に死んでいる。魂はとうに無い。それを分かっているはずなのに同じ動作を続ける
ジャックも居ない。ただ、血にまみれた肉塊が転がっているだけだ
ここにはレンゼとアワィラの二人しか居ない
「……正直、拍子抜けだったわ。ザコが」
ピタリと泣き声が止んだ。大きな、と言うより高い鳴き声によって
「ぐずっ……絶対に……! 殺す! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す! コロス!」
床を蹴り、好きだった人を飛び越えて叫びながらアワィラへ近付いて行く。殴打。蹴り。頭突き。それらを繰り返し、時には髪を使って首を締めに行く
殴打。蹴り。頭突き。全てを返され、髪を使った際には脚を掴まれて窓へ叩き付けられた
パリンッ!
白い月明かりがレンゼを照らし出した。赤い赤い、全身が赤いレンゼを
直ぐ様レンゼは窓際に手を伸ばし、掴んだ。ポタポタと血が垂れているがすぐに上がれた。中に入ろうとすると眼前にアワィラが居た。拳を構え、ニヤリと笑いながら、レンゼを歓迎した
「死ねよザコ」
吹き飛んでいく。空を飛んでいく。追い打ちを掛けるようにアワィラが窓のあった場所を蹴ってレンゼの眼前へと飛んでくる
「ォラッ!」
「ごゔッ!」
加速する。速く、速く、速くなっていく。レンゼの下を灯が一瞬で逆方向に通過して行った
固いものにぶつかる。固く、高い。コンクリートか何かで固められた集合住宅、所謂マンションに。どこかの部屋のベランダに突っ込み、悲鳴が上がる
「……え? は? 何!?」
「ァぅぅああ……」
頭から血を流し、苦しそうに呻き声を上げる。そんなレンゼを見てベッドの上で寝ていた彼女は上体を起こして顔を顰めた
「なんでアンタがここに居るのよ……。しっかり弁償してもらうから」
「あぁ? 寝ときゃ助かったのによ。ザコはやっぱ運がねえのな」
「誰よアンタ」
ベッドから降りてベランダまで登ってきたアワィラを睨み付ける。と、ドアがノックされた
「早く出て行って」
「ならお前こそどっか行け。ザコのくせして出しゃばるなよ」
「さっきからさっきからザコザコザコって……私はザコじゃないわよ!」
「あ? なら今から十秒、ソイツを守って見せろよ。そうすればザコからカスに格上げしてやる」
「はぁ? 何言ってんのよ! アンタが出て行けば済む話でしょ!」
そう叫ぶと同時にサラが横からアワィラに蹴りを入れて来た
「人の娘をおかしな名前で呼ぶのはやめて頂けますか?」
ベランダから回転して落ちていく。とても速い。二秒も経たない内に地面に突っ込んだ。それと同時にサラは柵を掴んでベランダに降りてきた
「ハッ! テメェの娘だぁ!? こりゃあ良い! どれほどの強さか見てやろうじゃねえか!」
下でそう叫ぶアワィラを無視してサラはソラとレンゼを目に入れる
「大丈夫ですか? ソラ、レンゼくん」
「私は、なんともないけど……コイツは、ちょっと……」
血に濡れて本の上に倒れているレンゼを尻目で見ながら指を指す。どこか心配そうに。スタスタと歩いて行き、レンゼの前でしゃがみ込むとサラは──
「終わり、ですね」
「え?」
そう、呟いた。虚無の双眸で、もう一度言う
終わりですね……
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