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15章 向かう先には……
256話 ご相談
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車から出て、少し離れた所でアリサに先程の出来事を説明し終えた
「なるほどね……つまりはその何かの情報が欲しくてその護衛の任を受けたわけ……」
「まあ、はい」
目を逸らして答えるとアリサが頬をつねる
「全く……今日は許してあげる……でもね? 何でもかんでも勝手に決めないで。それに今日は遊びに来ただけなんだから……」
「……ごめんなさい」
頬をつねられたまま軽く頭を下ろすと、アリサはニコッと笑って手を離した
「それでどんな情報が欲しかったの?」
「あ……っと…………秘密」
失笑して目を逸らすと、アリサは溜め息を吐いた
「あのね? 別にそれを否定しようとしてる訳じゃないの。だから、ね? 教えて?」
「これは答えられない……答えられたとしても答えたくはない……」
俯いてそう言うと、アリサが再び溜め息を吐いて両頬をムギュぅとつねった
「全く……なんでなの? 私に聞かれちゃ恥ずかしい事なの?」
「あぁ~……そう! そうだよ! ……だから聞くな!」
アリサに背を向けて言うと、アリサは溜め息を吐いた
「ハァ……分かったけど。忘れないでね? 今日、ちゃんと帰るって」
「うんうん! 分かった分かった! 分かったから少し離れてろ! 聞いてくるから!」
そう言うと振り返ってアリサの横を通り過ぎて行く
「約束だよ?」
「分かってるから!」
車の方に戻ると男は車体にもたれ掛かって立っており、溜め息を吐いた
「それで? 決まったのか?」
「ああ。勿論だ」
小さく頷くと、よし。と声を出して車体から離れてしゃがみ、レンゼと顔の高さを合わせる
「で? なんなんだ?」
「それは……」
チラッとアリサの方を見て男の耳に手を当て、口を近付けて小声でそれを言う
「……どっちか。だな」
「じゃあ、後者で……」
「よし。分かった」
男は立ち上がるとレンゼの頭をクシャッと掻き混ぜる
「大体……十分くらい待ってくれ。どこで待ち合わせる?」
「じゃあ……東地区駅の前で」
「了解」
頷くと車へ乗り込みエンジンを掛け、ドアを閉める
「じゃ、また後で」
そう言って男は去って行き、すぐに視界から消えた
「……終わった?」
「ああ。終わった」
様子を見て近付いて来るアリサに返事をすると、アリサが隣に立つ
「それじゃあロゼ達を探しに行きましょ?」
「……体力面から考えて恐らくそこまで駅から離れていないはず」
そう呟くと辺りを見回した
「アリサ……どうやってここまで来た?」
「分からない。だって追い駆けて来ただけだもん」
「相変わらず化物みたいな体力だな……」
溜め息を吐くと頭を掻いた
「じゃあ一度あっちに行ってみよう。子供達があっちに行ったから民家はある……と思う」
「……さっきのは聞かなかった事にするね?」
「どっちでも良いから行くぞ。ここで立ち止まっててもさっきの騒動に巻き込まれるだけだ」
アリサの手を引っ張ると前方を睨んで力強く地面を踏み締めて歩いて行った
その頃、ロゼの要望で近くの飲食店に入り主にロゼが食事をしていた
「おいひ~! おかわり~!」
「ちょっと待って? ロゼちゃん、次で何個目か分かってる?」
「ごくンッ……え~っと……」
自分の前に積み重ねた皿の量を数え始める
「二十三個目!」
「そうだね……そんなに食べてもいいの?」
「何が?」
ジョンが返事をしようとすると女性の店員が追加でもう一皿持って来た
「追加のホールケーキになりまーす」
「やった~!」
左手でフォークを逆手に持ち、右手で皿を持って、フォークをケーキに突き刺すと口を近付けてパクっと頬張る
「ん~! おいひ~!」
「……それで、最後だよ? ……いや、お願いします」
顔にホイップクリームを付けながら満面の笑みを浮かべる
「だいじょーぶ! アリサ達が帰って来るまでここで待っておけば良いからその間に沢山食べる!」
「ホントに勘弁して! お金が無くなるから!」
顔を蒼くして抱え込んだ
「こんな事になるなら好きな物を買ってあげるなんて言わなきゃ良かった……食べ物だから……女の子だからって油断した……!」
大きく溜め息を吐いてチラッとロゼを見ると皿を舐めて、ぷはー。と息を吐いた所だった
「おか「お勘定お願いします」」
布巾でロゼの口を塞いでそう言うと先程の女性の店員がニコニコと微笑みながら紙をジョンに渡した
「千百五十セシュルになります!」
「せっ!? ……はい……」
大きく溜め息を吐いて財布を取り出すと中から金貨を十枚、銀貨を五枚渡す
「ありがとうございました~!」
「退職金貰ってて良かった~……」
安堵の息を吐くと、ロゼの口を押さえていた布巾でロゼの顔を拭く
「もう! 後もうちょっと食べたかったのに!」
「ごめんね。流石に僕もお金持ちじゃないから……」
ロゼの顔を拭き終わると嫌がるロゼを引っ張って店を出て行った
店から出ると同時に道路の脇に人々が集まってヒソヒソと何かを話しており、中央には軍が足並みを揃えて歩いていた。ロゼは人々の話に耳を澄ます
「もうすぐ始まっちゃうわね」
「ね~。スラムなんて別に放っておけば良いのにね……」
「スラムの殲滅作戦……噂は本当だったのね!」
「なるほどね……つまりはその何かの情報が欲しくてその護衛の任を受けたわけ……」
「まあ、はい」
目を逸らして答えるとアリサが頬をつねる
「全く……今日は許してあげる……でもね? 何でもかんでも勝手に決めないで。それに今日は遊びに来ただけなんだから……」
「……ごめんなさい」
頬をつねられたまま軽く頭を下ろすと、アリサはニコッと笑って手を離した
「それでどんな情報が欲しかったの?」
「あ……っと…………秘密」
失笑して目を逸らすと、アリサは溜め息を吐いた
「あのね? 別にそれを否定しようとしてる訳じゃないの。だから、ね? 教えて?」
「これは答えられない……答えられたとしても答えたくはない……」
俯いてそう言うと、アリサが再び溜め息を吐いて両頬をムギュぅとつねった
「全く……なんでなの? 私に聞かれちゃ恥ずかしい事なの?」
「あぁ~……そう! そうだよ! ……だから聞くな!」
アリサに背を向けて言うと、アリサは溜め息を吐いた
「ハァ……分かったけど。忘れないでね? 今日、ちゃんと帰るって」
「うんうん! 分かった分かった! 分かったから少し離れてろ! 聞いてくるから!」
そう言うと振り返ってアリサの横を通り過ぎて行く
「約束だよ?」
「分かってるから!」
車の方に戻ると男は車体にもたれ掛かって立っており、溜め息を吐いた
「それで? 決まったのか?」
「ああ。勿論だ」
小さく頷くと、よし。と声を出して車体から離れてしゃがみ、レンゼと顔の高さを合わせる
「で? なんなんだ?」
「それは……」
チラッとアリサの方を見て男の耳に手を当て、口を近付けて小声でそれを言う
「……どっちか。だな」
「じゃあ、後者で……」
「よし。分かった」
男は立ち上がるとレンゼの頭をクシャッと掻き混ぜる
「大体……十分くらい待ってくれ。どこで待ち合わせる?」
「じゃあ……東地区駅の前で」
「了解」
頷くと車へ乗り込みエンジンを掛け、ドアを閉める
「じゃ、また後で」
そう言って男は去って行き、すぐに視界から消えた
「……終わった?」
「ああ。終わった」
様子を見て近付いて来るアリサに返事をすると、アリサが隣に立つ
「それじゃあロゼ達を探しに行きましょ?」
「……体力面から考えて恐らくそこまで駅から離れていないはず」
そう呟くと辺りを見回した
「アリサ……どうやってここまで来た?」
「分からない。だって追い駆けて来ただけだもん」
「相変わらず化物みたいな体力だな……」
溜め息を吐くと頭を掻いた
「じゃあ一度あっちに行ってみよう。子供達があっちに行ったから民家はある……と思う」
「……さっきのは聞かなかった事にするね?」
「どっちでも良いから行くぞ。ここで立ち止まっててもさっきの騒動に巻き込まれるだけだ」
アリサの手を引っ張ると前方を睨んで力強く地面を踏み締めて歩いて行った
その頃、ロゼの要望で近くの飲食店に入り主にロゼが食事をしていた
「おいひ~! おかわり~!」
「ちょっと待って? ロゼちゃん、次で何個目か分かってる?」
「ごくンッ……え~っと……」
自分の前に積み重ねた皿の量を数え始める
「二十三個目!」
「そうだね……そんなに食べてもいいの?」
「何が?」
ジョンが返事をしようとすると女性の店員が追加でもう一皿持って来た
「追加のホールケーキになりまーす」
「やった~!」
左手でフォークを逆手に持ち、右手で皿を持って、フォークをケーキに突き刺すと口を近付けてパクっと頬張る
「ん~! おいひ~!」
「……それで、最後だよ? ……いや、お願いします」
顔にホイップクリームを付けながら満面の笑みを浮かべる
「だいじょーぶ! アリサ達が帰って来るまでここで待っておけば良いからその間に沢山食べる!」
「ホントに勘弁して! お金が無くなるから!」
顔を蒼くして抱え込んだ
「こんな事になるなら好きな物を買ってあげるなんて言わなきゃ良かった……食べ物だから……女の子だからって油断した……!」
大きく溜め息を吐いてチラッとロゼを見ると皿を舐めて、ぷはー。と息を吐いた所だった
「おか「お勘定お願いします」」
布巾でロゼの口を塞いでそう言うと先程の女性の店員がニコニコと微笑みながら紙をジョンに渡した
「千百五十セシュルになります!」
「せっ!? ……はい……」
大きく溜め息を吐いて財布を取り出すと中から金貨を十枚、銀貨を五枚渡す
「ありがとうございました~!」
「退職金貰ってて良かった~……」
安堵の息を吐くと、ロゼの口を押さえていた布巾でロゼの顔を拭く
「もう! 後もうちょっと食べたかったのに!」
「ごめんね。流石に僕もお金持ちじゃないから……」
ロゼの顔を拭き終わると嫌がるロゼを引っ張って店を出て行った
店から出ると同時に道路の脇に人々が集まってヒソヒソと何かを話しており、中央には軍が足並みを揃えて歩いていた。ロゼは人々の話に耳を澄ます
「もうすぐ始まっちゃうわね」
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