復讐の慰術師

14章 帰郷

２３４話 考察

※ごめんなさいっ！





ロゼにはアリサの服を着せたが、物凄くブカブカで下着はレンゼのを着用させ、ワンピースを着せている
「それで……今後の事なんだが……ロゼちゃん。何か影を操る化物の事で覚えてる事は無い？」
「無いもん！」
怖がる様に膝の上に座っているレンゼの頭を撫でているアリサにしがみついた
「すみません。俺の考察なんですけど良いですか？」
「うん。良いよ」
「俺が知ってる中で奴を含めた奴らの能力は、記憶改竄、自分を見た者の重さを何倍にも増やす、脳からの命令を一時的に強制終了、影の操作、ここまでは知っている能力ですね。そして残りの二人、俺の予想だと瞬間移動。食事。最後に二人が残りましたけどこの二人は話した事も無いので分かりようがないです」
「でも僕とリズさんが聞いたイラさんの能力は身体強化らしいからそこに加えて残り一人……か」
「レンゼ達のお父さんと面識があるんですか？」
「「「「え？」」」」
レンゼ、ロゼ、リズ、ジョンの四人が驚いた表情を浮かべてアリサを見た
「俺の……親父？　奴が？」
「あ。レンゼも会った事あるんだ～！　あんまり似てなかったよね～」
「確かに……男前だった……」
「あの人、レンゼとロゼの事話したらすっごい鼻の下伸ばして喜んでたよ。後、レンゼのお母さんの写真も持ってニヤニヤ笑ってた。そこだけ見るとレンゼにそっくりだな～って思ったけど」
物凄い速度で首を横に振って否定すると息を切らした
「俺、ニヤニヤなんてしてないし」
「ニヤニヤしてる所じゃなくてそこから連想できるのがエッチなところ。で、エッチと言えばレンゼ」
「なんで！？」
「だって人の胸さ「分かった分かった！　分かったからその話は無しな！」」
そんな二人を見てジョンは溜め息を吐いた
「とにかく現状で分かっている事はこうだ
一つ、現段階で奴らは最低一人、最高五人いる。という事
二つ、奴らの目的は『完璧な存在』になる事
三つ、殺しても死なない……が、ある程度殺せば動きが鈍くなり、軈て動かなくなる
四つ、ジェネット商会と関係がある
そして五つ、とある能力を有している事。この五つだけだ
何故、ジャスティスという子を連れて行ったのか、何故、あの様な能力を有しているのか。そして奴の話を聞くに過去に辛い経験があったのは確かみたいだ。そのせいで『完璧』になりたがっているらしい」
「そのまま『完璧』になる日にちとかも分かれば良いんですけどね……」
頭の上にアリサの頬を乗せられ、更に太ももをずっとポカポカ殴られているレンゼがそう呟くとジョンも頷いた
「僕達はあっちに戻る。レンゼくん……分かってるね？」
「……はい」
「よし！　じゃあ戻るよ！　あ、リズさんもここに「はぁ！？　そもそもレンゼくんが狙われてたのよ！？　そのレンゼくんを外すんだから私は連れて行ってよ！」」
リズが怒鳴るとジョンはジッとリズを見詰めた
「はっきり言うと君は戦力外なんだよ。分かったならここで待ってて」
「私だって戦えるわよ！」
「それに……今のレンゼくん達を見なよ。非力な少女に寂しがり屋。そしてか弱い男の子」
青筋を浮かせてギャーギャー叫んでいるレンゼを横目にリズを見た
「彼らにもしもの事が無いとは限らないだろう？」
「……分かったわよ……残れば良いんでしょ！　残れば！」
椅子に座って鼻から息を吐いた
「それじゃあアリサちゃんも、くれぐれも宜しくね」
「……分かりました」


ジョンが出て行き、ロゼはアリサの腕から離れて椅子をアリサの横にくっ付けるとその椅子に座ってアリサに抱き付いた
「……何しよっか」
「仕事なら早朝に終わらせましたし……」
レンゼの頭に頬を置いてロゼの頭を撫でながらリズに返事をした
「凄すぎる……」
余りの速さに驚きを隠せないでいるリズを、ロゼはジッと見詰めていた
「私の事、憶えてる？」
「知らないもん！」
アリサに更に強く抱き付くとリズは溜め息を吐いた
「これって私、残った意味ある？」
「ねぇねぇ、アリサ？」
アリサの肩を突つつくと、ロゼの方を見た
「どうしたの？　ロゼ」
「お母さん死んじゃった事……なんで言ってくれなかったの？」