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12章 放浪
173話 お買い物
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「いらっしゃいませ~」
あの宿に入るとウェイターがお辞儀をしてきた
(やっぱり高級…)
「ここで物が買えるって聞いたんですけど…」
「…そうですか。こちらへどうぞ。当店ではこの街の職人たちの巧みな腕前により作られた良い品質の物ばかりでございます。良ければ宣伝などして戴ければ感激の至りでございます」
レンゼにそう言葉を掛けてくるウェイターに苦笑した
(この街も必死だなぁ…)
「わ、分かりました」
「ここが雑貨店になります。ご自由にお選び下さい」
「う、うおぉ…」
目の前に広がる道具の置かれた棚の量に感嘆の声を上げた
(え~と…まずは水、保存食その次に寝袋…最後に小道具)
値段の書かれた札の後ろに置かれた商品を見詰めてゴクリと固唾を飲んだ
(良く分からないけど…ここに置かれてる商品…50セシュルだと…!? 高い! 4つ何か買ったら殆ど消えていく…)
苦笑しつつ必要と思う物を取っていく
最初に取ったのは保存食3日分水筒付き、これで50が消えた
その次に取ったのは寝袋。これで再び50セシュルが消えた
因みにレンゼの身長に合わせて選んだので肩から提げている鞄にも、頑張れば入る大きさだった
そしてコンパス。これは50ではなく10だった
次にナイフ。またもや10が消えた
(小道具は10セシュルか…100と20が消えたから…結構痛い出費だな…)
他にも手袋、チョーク、一応ロープ。そして今より少し大きい鞄を買い、保存食用と分ける事にした
計200
(残金20セシュル…)
手に残った銀貨2枚を見詰めてフッ…と自嘲した
(案外軽い…そう思えばやす…安くないな…)
「ありがとうございました」
銀貨をポケットに突っ込むと革のケースに入ったナイフを握り締めた
(これでこれからの旅が少し安全になる事を…フラグだな…)
少し大きい鞄を反対の肩に掛け、右には先程買った鞄が、左にはマルクに貰った鞄が…
(動きづらい!)
結局両方、左肩に掛ける事になった。多少はマシになり、ナイフは何時でも素早く手元に置ける様に手首にロープを巻いて固定した
少し手首を捻ればナイフの柄に届く位置に取り付け、その上にコートを羽織った
(やっぱり夏…夜も暑いけど…地面で寝るよりかは大分マシだよな? 痛み和らぐし…)
自分に言い訳をして高級宿を出ると店長が笑っていた
(あの男…これが目的か!)
その頃にはすっかり太陽も空高く昇っており、再び店長の店で食事を取った
この時の1食が今までより物凄く高く感じ、頭を垂れた
「叔父さ~ん。近くに町ないの?」
「そうだなぁ…あ! ここから東に行った所に川があるからそこを登っていくと町じゃ無いけど村があるな」
「それ以外は~?」
「なんだ? 地図買わなかったのか?」
「地図ね~…30だったから買えなかったんだよ…」
ズーンと黒いオーラがレンゼから滲み出ていた
「そうか…まあ金を置いていってくれる奴に悪い奴はいねぇからな! 地図はくれてやるよ」
「本当!?」
異様に食い付きの良いレンゼに店長は苦笑した
「説明も面倒くさいしな」
(それが1番の理由だろうなぁ…)
そう思いながらもぐもぐと、出された料理を頬張り始めた
「ご馳走様でした」
合掌して言うと金を置いて地図を貰い受け、手を振りながら店を後にした
「え~と…1番近い町は…ここがアーガイル…だから……ここから更に西に行った所にあるヤハウェって所か…あ…あの村、名前無いんだ」
自分の行った場所を地図と照らし合わせて見た後、深呼吸をした
(セントラルに向かってみるか…何かあるかも知れないし…)
地図を折り畳んで小道具用鞄に入れるとコンパスで方角を確認して西へ向かった
あの宿に入るとウェイターがお辞儀をしてきた
(やっぱり高級…)
「ここで物が買えるって聞いたんですけど…」
「…そうですか。こちらへどうぞ。当店ではこの街の職人たちの巧みな腕前により作られた良い品質の物ばかりでございます。良ければ宣伝などして戴ければ感激の至りでございます」
レンゼにそう言葉を掛けてくるウェイターに苦笑した
(この街も必死だなぁ…)
「わ、分かりました」
「ここが雑貨店になります。ご自由にお選び下さい」
「う、うおぉ…」
目の前に広がる道具の置かれた棚の量に感嘆の声を上げた
(え~と…まずは水、保存食その次に寝袋…最後に小道具)
値段の書かれた札の後ろに置かれた商品を見詰めてゴクリと固唾を飲んだ
(良く分からないけど…ここに置かれてる商品…50セシュルだと…!? 高い! 4つ何か買ったら殆ど消えていく…)
苦笑しつつ必要と思う物を取っていく
最初に取ったのは保存食3日分水筒付き、これで50が消えた
その次に取ったのは寝袋。これで再び50セシュルが消えた
因みにレンゼの身長に合わせて選んだので肩から提げている鞄にも、頑張れば入る大きさだった
そしてコンパス。これは50ではなく10だった
次にナイフ。またもや10が消えた
(小道具は10セシュルか…100と20が消えたから…結構痛い出費だな…)
他にも手袋、チョーク、一応ロープ。そして今より少し大きい鞄を買い、保存食用と分ける事にした
計200
(残金20セシュル…)
手に残った銀貨2枚を見詰めてフッ…と自嘲した
(案外軽い…そう思えばやす…安くないな…)
「ありがとうございました」
銀貨をポケットに突っ込むと革のケースに入ったナイフを握り締めた
(これでこれからの旅が少し安全になる事を…フラグだな…)
少し大きい鞄を反対の肩に掛け、右には先程買った鞄が、左にはマルクに貰った鞄が…
(動きづらい!)
結局両方、左肩に掛ける事になった。多少はマシになり、ナイフは何時でも素早く手元に置ける様に手首にロープを巻いて固定した
少し手首を捻ればナイフの柄に届く位置に取り付け、その上にコートを羽織った
(やっぱり夏…夜も暑いけど…地面で寝るよりかは大分マシだよな? 痛み和らぐし…)
自分に言い訳をして高級宿を出ると店長が笑っていた
(あの男…これが目的か!)
その頃にはすっかり太陽も空高く昇っており、再び店長の店で食事を取った
この時の1食が今までより物凄く高く感じ、頭を垂れた
「叔父さ~ん。近くに町ないの?」
「そうだなぁ…あ! ここから東に行った所に川があるからそこを登っていくと町じゃ無いけど村があるな」
「それ以外は~?」
「なんだ? 地図買わなかったのか?」
「地図ね~…30だったから買えなかったんだよ…」
ズーンと黒いオーラがレンゼから滲み出ていた
「そうか…まあ金を置いていってくれる奴に悪い奴はいねぇからな! 地図はくれてやるよ」
「本当!?」
異様に食い付きの良いレンゼに店長は苦笑した
「説明も面倒くさいしな」
(それが1番の理由だろうなぁ…)
そう思いながらもぐもぐと、出された料理を頬張り始めた
「ご馳走様でした」
合掌して言うと金を置いて地図を貰い受け、手を振りながら店を後にした
「え~と…1番近い町は…ここがアーガイル…だから……ここから更に西に行った所にあるヤハウェって所か…あ…あの村、名前無いんだ」
自分の行った場所を地図と照らし合わせて見た後、深呼吸をした
(セントラルに向かってみるか…何かあるかも知れないし…)
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