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11章 新たな生活
138話 訪問
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「ここ…だよな?」
「あ! ちょっと待って! お母さんも歳なんだから!」
「うん。分かった~」
車椅子を漕いで晴天の空を仰ぐ
「久し振りだなぁ…成長してたりすんのかな…」
「お待たせ~! それで? 友達がここに居るんだろ? 早く紹介して頂、戴、よ~!」
「うん。この先に住んでるみたいなんだ」
少年は車椅子の車輪を回して軽く舗装された道を進んで行った
(母さん…ブレイブ…そうだ…お墓…帰って来てまだ行ってない…)
レンゼは逃げる様にお墓へ、焼失した家に向かった
【母さん…ブレイブ…ごめんね…守れなくて…母さん達のお陰でこうやって生きてるのに…俺は……】
リゼとブレイブの墓の前で座り込んでその2つを見詰める
(俺は…人が怖くて…ロゼを守れなくて…ごめんなさい…)
再び涙が込み上げ、大声で泣きたくなった
【17歳なんだから…我慢…我慢しなくちゃ…】
涙を拭うとニコッと微笑んだ
【どうか転生しても元気で居てます様に…】
目を瞑り合掌して祈る。すると突然頭を叩かれ痛みと恐怖で跳び上がった
(だ…誰…!?)
振り向くと車椅子に座ってジッと睨んで来るアベルが居た
(ア、アベル? なんでここにいるんだ…? ぐっ…まさか、嫌がらせ…成長しやがって!)
鼻高々に嘲笑するアベルに怒りが込み上げて来るが勇気が振り絞れず近付けずにいた
【アリサよりも…高いんじゃ…】
車椅子に座っているので正確には分からないが少なくとも座っていても立っている自分と遜色無い事を知ったレンゼは嫉妬の視線を向けるのだった
(あ、アリサ…と誰?)
アベルの後ろから手を振って歩いて来るアリサと中年の女性。2人が近くに来るとつい身構えた
しかし、見知らぬ人に対しては更に恐怖が増してしまいアリサの後ろに隠れた。正確にはアリサを挟んでその女性から少し距離を置いていた
(そ、その人…誰…?)
レンゼがアリサの隣に立っている黒髪の女性を指差すとアリサは紙に字を書いてレンゼに見せた
『アベルくんのお母さん』
(アベルの…?)
そう聞くとアベルのお母さんはコクッと頷き、微笑んで何かを言いながら手を伸ばして来た
(よ、宜しく…)
目を見ずに言いながら再びアリサの後ろに隠れるとアリサは申し訳無さそうに謝った
【なんでアベル達がここに…? 2号は?】
考え込んでいるとアリサが目の前に顔を近付けて来て驚き尻餅を着いた
(お、脅かすな!)
レンゼが怒ると同時にアリサは紙をレンゼに見せた
『帰るわよ。そろそろお昼ご飯出来ちゃうし』
(…分かった…アベル達も?)
コクンとアリサが頷くとレンゼは触れてしまう事を覚悟して家に帰った
帰っている途中で…
【よし…! 出来るだけ頑張ってさわ…やっぱり無理…】
大きく溜め息を吐いてトボトボと歩いていると置いて行かれそうになったので慌てて駆け出す
【よし! 今回は出来るだけ知らない人と会話…は出来ないからせめて話すだけでもしてみよう! せめて話す位は出来ないとな…】
自分の不甲斐なさにガッカリしていると家の前に誰かが立っている事に気付いた
【あれ誰だ?】
アリサも気付き、その人に向かって走って行った
【また…人が増えた…】
これからの事が不安で堪らなくなり、歩幅が小さくなった
【また増えたりするのか…?】
固唾を飲んで震えながら歩いて行く
【あれ? シルビア?】
近付いて行くに連れてその姿が鮮明になっていく
手を振られると一瞬ビクッと体を震わせたがぎこちなく手を振り返した
【意気地ねぇ…手を振られただけで怖がるとかどれだけ…】
溜め息を吐いて歩いて行くと家の前に漸く着いた
【4人…これ以上増えませんように…】
そう願っていると目の前に紙が提示される
『この後沢山人が来るんだって。レンゼに会いに』
【あぁ…逃げたい…】
項垂れて盛大に溜め息を吐いた
「あ! ちょっと待って! お母さんも歳なんだから!」
「うん。分かった~」
車椅子を漕いで晴天の空を仰ぐ
「久し振りだなぁ…成長してたりすんのかな…」
「お待たせ~! それで? 友達がここに居るんだろ? 早く紹介して頂、戴、よ~!」
「うん。この先に住んでるみたいなんだ」
少年は車椅子の車輪を回して軽く舗装された道を進んで行った
(母さん…ブレイブ…そうだ…お墓…帰って来てまだ行ってない…)
レンゼは逃げる様にお墓へ、焼失した家に向かった
【母さん…ブレイブ…ごめんね…守れなくて…母さん達のお陰でこうやって生きてるのに…俺は……】
リゼとブレイブの墓の前で座り込んでその2つを見詰める
(俺は…人が怖くて…ロゼを守れなくて…ごめんなさい…)
再び涙が込み上げ、大声で泣きたくなった
【17歳なんだから…我慢…我慢しなくちゃ…】
涙を拭うとニコッと微笑んだ
【どうか転生しても元気で居てます様に…】
目を瞑り合掌して祈る。すると突然頭を叩かれ痛みと恐怖で跳び上がった
(だ…誰…!?)
振り向くと車椅子に座ってジッと睨んで来るアベルが居た
(ア、アベル? なんでここにいるんだ…? ぐっ…まさか、嫌がらせ…成長しやがって!)
鼻高々に嘲笑するアベルに怒りが込み上げて来るが勇気が振り絞れず近付けずにいた
【アリサよりも…高いんじゃ…】
車椅子に座っているので正確には分からないが少なくとも座っていても立っている自分と遜色無い事を知ったレンゼは嫉妬の視線を向けるのだった
(あ、アリサ…と誰?)
アベルの後ろから手を振って歩いて来るアリサと中年の女性。2人が近くに来るとつい身構えた
しかし、見知らぬ人に対しては更に恐怖が増してしまいアリサの後ろに隠れた。正確にはアリサを挟んでその女性から少し距離を置いていた
(そ、その人…誰…?)
レンゼがアリサの隣に立っている黒髪の女性を指差すとアリサは紙に字を書いてレンゼに見せた
『アベルくんのお母さん』
(アベルの…?)
そう聞くとアベルのお母さんはコクッと頷き、微笑んで何かを言いながら手を伸ばして来た
(よ、宜しく…)
目を見ずに言いながら再びアリサの後ろに隠れるとアリサは申し訳無さそうに謝った
【なんでアベル達がここに…? 2号は?】
考え込んでいるとアリサが目の前に顔を近付けて来て驚き尻餅を着いた
(お、脅かすな!)
レンゼが怒ると同時にアリサは紙をレンゼに見せた
『帰るわよ。そろそろお昼ご飯出来ちゃうし』
(…分かった…アベル達も?)
コクンとアリサが頷くとレンゼは触れてしまう事を覚悟して家に帰った
帰っている途中で…
【よし…! 出来るだけ頑張ってさわ…やっぱり無理…】
大きく溜め息を吐いてトボトボと歩いていると置いて行かれそうになったので慌てて駆け出す
【よし! 今回は出来るだけ知らない人と会話…は出来ないからせめて話すだけでもしてみよう! せめて話す位は出来ないとな…】
自分の不甲斐なさにガッカリしていると家の前に誰かが立っている事に気付いた
【あれ誰だ?】
アリサも気付き、その人に向かって走って行った
【また…人が増えた…】
これからの事が不安で堪らなくなり、歩幅が小さくなった
【また増えたりするのか…?】
固唾を飲んで震えながら歩いて行く
【あれ? シルビア?】
近付いて行くに連れてその姿が鮮明になっていく
手を振られると一瞬ビクッと体を震わせたがぎこちなく手を振り返した
【意気地ねぇ…手を振られただけで怖がるとかどれだけ…】
溜め息を吐いて歩いて行くと家の前に漸く着いた
【4人…これ以上増えませんように…】
そう願っていると目の前に紙が提示される
『この後沢山人が来るんだって。レンゼに会いに』
【あぁ…逃げたい…】
項垂れて盛大に溜め息を吐いた
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