142 / 315
11章 新たな生活
137話 恐怖
しおりを挟む
【え~と…ゴーレム…カ行だからそこまで遠くは無い筈…】
指でなぞって見ていくとやっとコの段まで来た
【ゴーレムゴーレム…あった! これが…】
『ゴーレム』と言う単語を見付けてその本を取ると落胆した
その本のタイトルは…
『ゴーレムくんの日常』
と言う名の絵本だった
【これ以外にゴーレムは…】
『ゴーレムくんの冒険1』
『〃2』
『〃3』
『〃4』
『〃5(終)』
『ゴーレムくんのお料理』
『ゴーレムくんの仲直り』
この全八巻しかゴーレムに関する本は存在しなかった
【無いよりマシだ。読もう…】
その八巻全ての本を手に取り、読んでいく
数十分後…
パタンっ
本を閉じて頭を悩ませた
【本当にこれゴーレムじゃなきゃ駄目なのか? 確かに冒険シリーズはゴーレムで良いと思う。そのせいで幾度かピンチに陥ったしな? でも他の、特にこの日常は人で良いだろ。造り方は載ってないし…】
溜め息を吐いて本を棚に戻すと上へ上がっていった
(アリサ~! 朝ごは~ん!)
お腹を押さえて戻って来ると丁度アリサが皿を両手にキッチンから出て来た
(ご飯?)
アリサがコクンと頷くとその後を追い越してリビングのテーブルへ向かい席に着く
アリサが皿を持ってテーブルに並べると涎が溢れてきた
トーストにチーズの乗った物に搾り立ての牛乳(畑の近くで育てている牛から絞った物)、そして簡単なサラダ。朝食にしては少し豪華だ
(戴きます)
合掌してそう言うとトーストに手を伸ばした
はむっ!
トーストを口に入れると目に涙が浮かんで自然と笑みが溢れた
【うん…美味い…】
チーズが伸びてレンゼはそれが落ちない様に口に入れて噛み千切ると涙が頬を伝った
【やっぱり…美味いなぁ…】
ゴクンと飲み込むと再びトーストを頬張る
モチモチとした食感が美味しさを更に惹き立てる
(ご馳走様でした…)
頬の涙を拭うと伸びをして部屋に戻りベッドの上に座り込んだ
【ゴーレム…神聖な儀式を行った奴が土を捏ねて人形を造り『エメス』の文字を彫る…これだけだとやっぱりどうにもならないよなぁ…他には…思いつかねぇ! こいつがいなきゃ出てもアリサが付いて来るし…それに人語を理解するって事で聞こえると予想してるけど…こいつが居ないと俺の耳が聞こえないし…】
頭を悩ませていると隣に誰かが座った
固唾を飲んで瞳を動かして隣を見る
【ア、アリサか…】
(脅かすなよ…)
ホッと溜め息を吐いてアリサを見上げる
その顔は何処か寂しそうに外を見詰めており、レンゼに凭れ掛かった
筋力もそこまで無い上に身長もそこまで無いレンゼからしてみれば物凄く重くビクッと体を震わせてベッドに倒れた
(アリサ…お、重い…)
未だにレンゼの腹の上に顔を埋めているアリサを見詰めてハッとした
【不味い…! 脚の触覚に神経が集中してる!】
太腿の上辺りに当たる柔らかく気持ちの良い当たり心地に興奮してしまう
【に、逃げよ…!】
興奮と恐怖の2つから逃げようとアリサを退けようとするとある事に気付いた
【ど、どうしよ…触れない…】
考えている間にもレンゼの金的に存在しているモノは変形していき、ジワッと涙が浮かぶ
(うわああぁぁぁぁぁ…!)
大声を張り上げるとアリサは驚いて素早く体を起こした
(あ…ごめん…ちょっと…頭冷やしてくる…)
外に出て入口の隣で壁に凭れて座り込むと膝に顔を埋めた
【アリサだから大丈夫…なのに…アリサって分かってるのに…! それでも…やっぱり怖い…アリサと居たい。でも居たくない…】
ギュッとズボンを握ると体が震えた
【戻りたくない…】
更に顔を埋めた
指でなぞって見ていくとやっとコの段まで来た
【ゴーレムゴーレム…あった! これが…】
『ゴーレム』と言う単語を見付けてその本を取ると落胆した
その本のタイトルは…
『ゴーレムくんの日常』
と言う名の絵本だった
【これ以外にゴーレムは…】
『ゴーレムくんの冒険1』
『〃2』
『〃3』
『〃4』
『〃5(終)』
『ゴーレムくんのお料理』
『ゴーレムくんの仲直り』
この全八巻しかゴーレムに関する本は存在しなかった
【無いよりマシだ。読もう…】
その八巻全ての本を手に取り、読んでいく
数十分後…
パタンっ
本を閉じて頭を悩ませた
【本当にこれゴーレムじゃなきゃ駄目なのか? 確かに冒険シリーズはゴーレムで良いと思う。そのせいで幾度かピンチに陥ったしな? でも他の、特にこの日常は人で良いだろ。造り方は載ってないし…】
溜め息を吐いて本を棚に戻すと上へ上がっていった
(アリサ~! 朝ごは~ん!)
お腹を押さえて戻って来ると丁度アリサが皿を両手にキッチンから出て来た
(ご飯?)
アリサがコクンと頷くとその後を追い越してリビングのテーブルへ向かい席に着く
アリサが皿を持ってテーブルに並べると涎が溢れてきた
トーストにチーズの乗った物に搾り立ての牛乳(畑の近くで育てている牛から絞った物)、そして簡単なサラダ。朝食にしては少し豪華だ
(戴きます)
合掌してそう言うとトーストに手を伸ばした
はむっ!
トーストを口に入れると目に涙が浮かんで自然と笑みが溢れた
【うん…美味い…】
チーズが伸びてレンゼはそれが落ちない様に口に入れて噛み千切ると涙が頬を伝った
【やっぱり…美味いなぁ…】
ゴクンと飲み込むと再びトーストを頬張る
モチモチとした食感が美味しさを更に惹き立てる
(ご馳走様でした…)
頬の涙を拭うと伸びをして部屋に戻りベッドの上に座り込んだ
【ゴーレム…神聖な儀式を行った奴が土を捏ねて人形を造り『エメス』の文字を彫る…これだけだとやっぱりどうにもならないよなぁ…他には…思いつかねぇ! こいつがいなきゃ出てもアリサが付いて来るし…それに人語を理解するって事で聞こえると予想してるけど…こいつが居ないと俺の耳が聞こえないし…】
頭を悩ませていると隣に誰かが座った
固唾を飲んで瞳を動かして隣を見る
【ア、アリサか…】
(脅かすなよ…)
ホッと溜め息を吐いてアリサを見上げる
その顔は何処か寂しそうに外を見詰めており、レンゼに凭れ掛かった
筋力もそこまで無い上に身長もそこまで無いレンゼからしてみれば物凄く重くビクッと体を震わせてベッドに倒れた
(アリサ…お、重い…)
未だにレンゼの腹の上に顔を埋めているアリサを見詰めてハッとした
【不味い…! 脚の触覚に神経が集中してる!】
太腿の上辺りに当たる柔らかく気持ちの良い当たり心地に興奮してしまう
【に、逃げよ…!】
興奮と恐怖の2つから逃げようとアリサを退けようとするとある事に気付いた
【ど、どうしよ…触れない…】
考えている間にもレンゼの金的に存在しているモノは変形していき、ジワッと涙が浮かぶ
(うわああぁぁぁぁぁ…!)
大声を張り上げるとアリサは驚いて素早く体を起こした
(あ…ごめん…ちょっと…頭冷やしてくる…)
外に出て入口の隣で壁に凭れて座り込むと膝に顔を埋めた
【アリサだから大丈夫…なのに…アリサって分かってるのに…! それでも…やっぱり怖い…アリサと居たい。でも居たくない…】
ギュッとズボンを握ると体が震えた
【戻りたくない…】
更に顔を埋めた
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる