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6章 喜びの楽園
68話 夢
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『ねぇねぇ! 見てて!』
(またこいつか…)
最近になって良く見る男の様な女にレンゼは溜め息を吐こうとするが前回同様口が自分の意思とは関係なしに動く
うん、分かった
女はビーカーの中に指の腹を切って血を淹れると…
モクモクモク…
『凄いでしょ!』
え? 何が?
『もう! 最近、ラーくんはいっつも楽しそうじゃ無いね? 母さんの事が心配?』
悪戯っぽく笑う女にレンゼの口は反応する
な、ななななな、何言ってんだよ! べべべ、別に? 心配じゃ無いし?
(おい俺、何に慌ててるんだよ…)
『だから大丈夫だって! 撃たれた時にラーくんが教えてくれたエリクサーを飲んでたお陰で頭の傷もすぐに塞がったんだし!』
そうじゃなくて…
『僕は君のお願いを叶えられる可能性があるってだけで嬉しいんだよ? …だから心配そうな顔はするな! 心配事ならここにいる立派な親に~…まっかせ~なさ~い!』
女が胸を張って自慢気に言うとレンゼの口は微妙につり上がった
ありがとう…
パチッ
目を覚ますとそこは見知ったレンゼに割り当てられた部屋だった
(…今日だけで2回もあいつを見た…最近頻度が上がってる気がする。これもラストに会ってからな気が…7年近く前の事だから昔は覚えてないけど…この1週間と少しであいつの夢を良く見る。一番はラストに聞く事だがグリードも一応は『能力』を持っているからな…多分もう夜だろう。明日…聞いてみよう)
もう一度布団に潜り込むとそのまま静かに寝息を立てた
ガチャ…
「おい、起きたか?」
レンゼの様子を見に来たクラークはレンゼの寝顔を見て嘆息した
「ったく、ボスの考える事は分からんわ…なんてったってこんなガキを加えたんだか…」
クラークはそれだけを言い残すとレンゼの部屋を出ていった
「…覚えとけよ…」
クラークの声に寝入りを邪魔されたレンゼはドアをジト目で睨むと目を瞑った
『やったよラーくん! 人体を造れたよ!』
母さん? が見せて来た物は金髪で虚ろな目をした少年の姿の物だった
凄いね!
『これでラーくんもちゃんと人間として暮らせていけるよ!』
母さん? が眼鏡をクイッと掛け直すとよく見れば分かる程の微妙な胸を張った
ドンッ!
『こんな所にいたのか!』
母さん? の後ろにあったドアから前回の男が他の人間も連れて窓の無い部屋に入ってきた
『くっ…エリクサーは後…1回分…か…』
母さん! 逃げて!
『ラーくん、君だけはなんとしても守るからね。それが親…そして、友達である僕の最後の役目だ!』
母さん? は懐に手を伸ばして中から赤い血の様な液体の入った試験管を取り出すと蓋を外してそれを飲んだ
すると母さん? の髪がゆらゆらと逆立ち、そこから見えるうなじには血管がビキビキと音を立てて浮き上がっていた
『じゃあね、ラーくん…』
母さん? がレンゼの方に振り返ると、目尻から血管がビキビキと生えている様に浮き出ていて、その他にも頬や額にも血管が同じ様に浮き上がっていた
『撃てぇ!』
『絶対に殺させない!』
母さん? が机に触れると、レンゼはその中にゆっくりと引き込まれて行き、最後に母さん? に銃弾が命中し、血がレンゼの前まで飛んで来ると丸い球に当たった様に止まった
そこまで視界に入ったがその後は何かに取り込まれる様にしてゆっくり降下していった
母さん! 母さん!
(一体なんなんだ…エリクサー…たしか魔術に置ける等価交換、つまり持ってくる素材自体が不要になる物だったよな? つまり…あの女は魔術師?)
暫く真っ暗な空間でも無い、どこかに埋まっていると頭上が微妙に明るくなってきた
母さん!?
頭上が明るくなるに連れて段々と明確に見えてきたのは…
『お前が母と呼ぶ者はもういない』
人間達に命令していた男だった
男がレンゼの周りの球を掴むと持ち上げた
『見てみろ…』
レンゼが向けられた方向を見るとそこには赤い池の中心に倒れる穴だらけの人形が転がっていた
母…さん…?
『貴様の様な人では無い者には罰を…』
俺や母さんが何をしたって言うんだよ!
(怒ってる…のか?)
自分の行動に共感しながらレンゼの目は男を睨み付けた
『あの女はお前を造った。お前は存在自体が罪なのだ。その罪を償え』
男が冷徹にレンゼを見下すと球に力を入れ始めた
お前は絶対に許さない!
ビキッ!
いつか必ず殺してやる!
ビキッビキビキ…
例え死んでもどんな手段を取っても! 必ず…必ず殺す!
ビキビキビキ…
そして相手の姿が完璧に見えなくなった時に口からある言葉が漏れ出た
どんな事をしても…転生しても…かなバキッ!
そこで目を覚ました
それと同時に頭に激痛が走った
「ぎゃぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」
レンゼの叫びにグリード達が部屋に雪崩れ込んで来た
(またこいつか…)
最近になって良く見る男の様な女にレンゼは溜め息を吐こうとするが前回同様口が自分の意思とは関係なしに動く
うん、分かった
女はビーカーの中に指の腹を切って血を淹れると…
モクモクモク…
『凄いでしょ!』
え? 何が?
『もう! 最近、ラーくんはいっつも楽しそうじゃ無いね? 母さんの事が心配?』
悪戯っぽく笑う女にレンゼの口は反応する
な、ななななな、何言ってんだよ! べべべ、別に? 心配じゃ無いし?
(おい俺、何に慌ててるんだよ…)
『だから大丈夫だって! 撃たれた時にラーくんが教えてくれたエリクサーを飲んでたお陰で頭の傷もすぐに塞がったんだし!』
そうじゃなくて…
『僕は君のお願いを叶えられる可能性があるってだけで嬉しいんだよ? …だから心配そうな顔はするな! 心配事ならここにいる立派な親に~…まっかせ~なさ~い!』
女が胸を張って自慢気に言うとレンゼの口は微妙につり上がった
ありがとう…
パチッ
目を覚ますとそこは見知ったレンゼに割り当てられた部屋だった
(…今日だけで2回もあいつを見た…最近頻度が上がってる気がする。これもラストに会ってからな気が…7年近く前の事だから昔は覚えてないけど…この1週間と少しであいつの夢を良く見る。一番はラストに聞く事だがグリードも一応は『能力』を持っているからな…多分もう夜だろう。明日…聞いてみよう)
もう一度布団に潜り込むとそのまま静かに寝息を立てた
ガチャ…
「おい、起きたか?」
レンゼの様子を見に来たクラークはレンゼの寝顔を見て嘆息した
「ったく、ボスの考える事は分からんわ…なんてったってこんなガキを加えたんだか…」
クラークはそれだけを言い残すとレンゼの部屋を出ていった
「…覚えとけよ…」
クラークの声に寝入りを邪魔されたレンゼはドアをジト目で睨むと目を瞑った
『やったよラーくん! 人体を造れたよ!』
母さん? が見せて来た物は金髪で虚ろな目をした少年の姿の物だった
凄いね!
『これでラーくんもちゃんと人間として暮らせていけるよ!』
母さん? が眼鏡をクイッと掛け直すとよく見れば分かる程の微妙な胸を張った
ドンッ!
『こんな所にいたのか!』
母さん? の後ろにあったドアから前回の男が他の人間も連れて窓の無い部屋に入ってきた
『くっ…エリクサーは後…1回分…か…』
母さん! 逃げて!
『ラーくん、君だけはなんとしても守るからね。それが親…そして、友達である僕の最後の役目だ!』
母さん? は懐に手を伸ばして中から赤い血の様な液体の入った試験管を取り出すと蓋を外してそれを飲んだ
すると母さん? の髪がゆらゆらと逆立ち、そこから見えるうなじには血管がビキビキと音を立てて浮き上がっていた
『じゃあね、ラーくん…』
母さん? がレンゼの方に振り返ると、目尻から血管がビキビキと生えている様に浮き出ていて、その他にも頬や額にも血管が同じ様に浮き上がっていた
『撃てぇ!』
『絶対に殺させない!』
母さん? が机に触れると、レンゼはその中にゆっくりと引き込まれて行き、最後に母さん? に銃弾が命中し、血がレンゼの前まで飛んで来ると丸い球に当たった様に止まった
そこまで視界に入ったがその後は何かに取り込まれる様にしてゆっくり降下していった
母さん! 母さん!
(一体なんなんだ…エリクサー…たしか魔術に置ける等価交換、つまり持ってくる素材自体が不要になる物だったよな? つまり…あの女は魔術師?)
暫く真っ暗な空間でも無い、どこかに埋まっていると頭上が微妙に明るくなってきた
母さん!?
頭上が明るくなるに連れて段々と明確に見えてきたのは…
『お前が母と呼ぶ者はもういない』
人間達に命令していた男だった
男がレンゼの周りの球を掴むと持ち上げた
『見てみろ…』
レンゼが向けられた方向を見るとそこには赤い池の中心に倒れる穴だらけの人形が転がっていた
母…さん…?
『貴様の様な人では無い者には罰を…』
俺や母さんが何をしたって言うんだよ!
(怒ってる…のか?)
自分の行動に共感しながらレンゼの目は男を睨み付けた
『あの女はお前を造った。お前は存在自体が罪なのだ。その罪を償え』
男が冷徹にレンゼを見下すと球に力を入れ始めた
お前は絶対に許さない!
ビキッ!
いつか必ず殺してやる!
ビキッビキビキ…
例え死んでもどんな手段を取っても! 必ず…必ず殺す!
ビキビキビキ…
そして相手の姿が完璧に見えなくなった時に口からある言葉が漏れ出た
どんな事をしても…転生しても…かなバキッ!
そこで目を覚ました
それと同時に頭に激痛が走った
「ぎゃぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」
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