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6章 喜びの楽園
55話 兄妹失踪
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(グリード? くそが…ラストと言いこんな化物がよく誰にも知られずに生きてやがるな…)
レンゼは足でなんとか距離を保っているがシルビアの力が半端ではなく肋骨がギシギシ音を立て始めている
「チョークは…くそ…無い!」
レンゼは壁に手を付けて思いきりシルビアを足で押していくが足がミシミシ鳴り始め、一瞬痛みが足の関節を襲った
「いてっ!」
その一瞬の力の緩みに付け入られ、シルビアは体を1度離してから、レンゼが倒れると同時に首根っこを掴もうと襲ってきた
「ぐっ…」
レンゼがなんとか首根っこをシルビアの手から守っていると再び口の所からグリードが姿を現した
『中々やるな…どうだ? 俺の仲間にならないか? 俺の仲間になれば好き放題やれるぜ? ま、勿論俺が一番だから俺の許可がいるけどな!』
「へぇ~…お前がシルビアから離れたら考えてやるよ」
『くっ…ははは! この俺に交渉を持ち掛けるたぁ、おもしれぇ! ああ離れてやるよ!』
グリードはシルビアの口から出てくると全身真っ黒な人型の化物がいた
そして、シルビアは糸の切れた人形の様にレンゼに倒れてきた
『さあ約束は守ったぜ? 今度はそっちが守る番だ…どうだ? 俺の仲間になる気はねぇか?』
「誰がなるか…俺はな、こいつを守る為に言ったんだ。その上俺は『考えてやる』って言ったんだ。だから断ろうが守ろうが俺の勝手だ」
『そうか、なら好きにすると良い。俺は欲しいものは手に入れるが、いくら欲しくても拒む物は受け付けない。じゃあな』
グリードは負け惜しみの様な言葉を吐き捨てて窓から暗い月明かりの元、外に出た
「聞き分けが良くて助かった~…」
レンゼはまだ痛む足と背中に涙を溜めるがシルビアを退かすと、壁に這っていった
プチっ
親指の腹を噛み切ると魔術式を画いて魔力を通した
すると青く発光して魔術式を中心に子供が屈んで入れる位の穴が空いた
「「レンゼ!」」
穴が空いたと同時に気絶したレンゼに駆け寄ったロゼとアリサはレンゼを引っ張り出した
「こんな穴じゃ、僕が入れないじゃないか…」
ライズリックがガッカリしている間にアリサとロゼは穴から中に入って行った
アリサは途中で穴に嵌まりそうになったがなんとか抜け出せた
「うわぁ…流石貴族…家と違って凄い綺麗…」
「きぞくって?」
「お金持ちよ」
「へぇ~…分かんない」
アリサが部屋を物色しているとロゼは人影を見付けて窓に近付いた
「はっ!」
「あ、レンゼくん、今ね、アリサち「アリサ達は!?」まあまあ、聞いてよ。アリサちゃん達は中に入って行ったよ」
ライズリックの言葉にレンゼは顔を青くした
「くそが!」
レンゼが中に入ろうとするとライズリックに引っ張られる
「どうしたんだい!」
「俺は入ってこいなんて言おうとしたんじゃない! 俺は早く逃げろって伝えたかったんだ!」
「え?」
一瞬、ライズリックの力が緩んだ隙にレンゼは中に入った
「遅かった…」
窓から緩やかな風が入ってきていて、それに今気付いたのかアリサは窓の方に振り向いた
「くそっ…」
レンゼは急いで窓から外を見渡すが、見付からずに膝から崩れ落ちた
「ね、ねぇ…どう「おいアリサ…ロゼはどうした…」」
アリサは首を傾げた
「ロゼだった…ら…い、いない…」
「は、はは…もう少し俺が早かったら…」
そんなレンゼの頬に伝う一筋の線は月光に照らされて反射しキラキラと光っていた
そしてレンゼは立ち上がって口を動かした
「アリサ、ライズリックさんに言っといて…さよならって…」
「レンゼ?」
「ん?」
狂気の笑みを浮かべるレンゼがアリサの方を向くと、左目の瞳が己の尾を喰らい円の形になっている龍の姿になっていた
「レンゼ…それ…何?」
「じゃあな…」
レンゼが窓から飛び降りると、アリサは慌てて窓から顔を出したがもうレンゼの姿は無かった
レンゼは足でなんとか距離を保っているがシルビアの力が半端ではなく肋骨がギシギシ音を立て始めている
「チョークは…くそ…無い!」
レンゼは壁に手を付けて思いきりシルビアを足で押していくが足がミシミシ鳴り始め、一瞬痛みが足の関節を襲った
「いてっ!」
その一瞬の力の緩みに付け入られ、シルビアは体を1度離してから、レンゼが倒れると同時に首根っこを掴もうと襲ってきた
「ぐっ…」
レンゼがなんとか首根っこをシルビアの手から守っていると再び口の所からグリードが姿を現した
『中々やるな…どうだ? 俺の仲間にならないか? 俺の仲間になれば好き放題やれるぜ? ま、勿論俺が一番だから俺の許可がいるけどな!』
「へぇ~…お前がシルビアから離れたら考えてやるよ」
『くっ…ははは! この俺に交渉を持ち掛けるたぁ、おもしれぇ! ああ離れてやるよ!』
グリードはシルビアの口から出てくると全身真っ黒な人型の化物がいた
そして、シルビアは糸の切れた人形の様にレンゼに倒れてきた
『さあ約束は守ったぜ? 今度はそっちが守る番だ…どうだ? 俺の仲間になる気はねぇか?』
「誰がなるか…俺はな、こいつを守る為に言ったんだ。その上俺は『考えてやる』って言ったんだ。だから断ろうが守ろうが俺の勝手だ」
『そうか、なら好きにすると良い。俺は欲しいものは手に入れるが、いくら欲しくても拒む物は受け付けない。じゃあな』
グリードは負け惜しみの様な言葉を吐き捨てて窓から暗い月明かりの元、外に出た
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レンゼはまだ痛む足と背中に涙を溜めるがシルビアを退かすと、壁に這っていった
プチっ
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すると青く発光して魔術式を中心に子供が屈んで入れる位の穴が空いた
「「レンゼ!」」
穴が空いたと同時に気絶したレンゼに駆け寄ったロゼとアリサはレンゼを引っ張り出した
「こんな穴じゃ、僕が入れないじゃないか…」
ライズリックがガッカリしている間にアリサとロゼは穴から中に入って行った
アリサは途中で穴に嵌まりそうになったがなんとか抜け出せた
「うわぁ…流石貴族…家と違って凄い綺麗…」
「きぞくって?」
「お金持ちよ」
「へぇ~…分かんない」
アリサが部屋を物色しているとロゼは人影を見付けて窓に近付いた
「はっ!」
「あ、レンゼくん、今ね、アリサち「アリサ達は!?」まあまあ、聞いてよ。アリサちゃん達は中に入って行ったよ」
ライズリックの言葉にレンゼは顔を青くした
「くそが!」
レンゼが中に入ろうとするとライズリックに引っ張られる
「どうしたんだい!」
「俺は入ってこいなんて言おうとしたんじゃない! 俺は早く逃げろって伝えたかったんだ!」
「え?」
一瞬、ライズリックの力が緩んだ隙にレンゼは中に入った
「遅かった…」
窓から緩やかな風が入ってきていて、それに今気付いたのかアリサは窓の方に振り向いた
「くそっ…」
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アリサは首を傾げた
「ロゼだった…ら…い、いない…」
「は、はは…もう少し俺が早かったら…」
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そしてレンゼは立ち上がって口を動かした
「アリサ、ライズリックさんに言っといて…さよならって…」
「レンゼ?」
「ん?」
狂気の笑みを浮かべるレンゼがアリサの方を向くと、左目の瞳が己の尾を喰らい円の形になっている龍の姿になっていた
「レンゼ…それ…何?」
「じゃあな…」
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