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5章 友人達の大騒動
44話 喧嘩
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目を擦って瞬きをしてもう1度見てみた
(間違いない、やっぱりシルビアだ。でもこんな所で何をしてるんだ?)
レンゼは気付かれない様にそっと近くの飲食店に入った
偶々別の客も一緒に入ってきて、その客が適当な席に座るとレンゼも真似をして適当な場所(端)に座り、店の中を見渡した
店の中では女性や男性(主に女性)が料理を作ってはすぐにそれを運んでメニューを聞いて回っていてとても忙しそうにしている
内装はカウンターテーブルでその前にはズラリと椅子が並べられている。そしてそれだけでは椅子が足りないらしく辺りには四角いテーブルに4つの椅子がそれぞれ並べられている
メニューは壁に木の板が掛けられていて、その名前を言って注文するらしい
レンゼが座ったのはカウンター席の一番右端だ
(う~ん…腹へったし良いの無いかなぁ…)
そう思いながらメニューの板を1つずつ見ていく
「っ!」
そしてお馴染みの名前を見た時に腹の虫が大きく鳴いた
(トンカツ定食…だと…美味そう…美味そうなんだが! 異世界感が全く無い!)
自分の異世界のイメージに鼻で笑っていると先程の客が手を挙げていた
そこへ1人の男性が近付いて行き何かを確認して厨房に向かった
(なるほどな…ああやって注文するのか)
レンゼも同じ様に手を挙げて待った
「ご注文承ります」
やって来たのは若い女性だった
「トンカツ定食で」
「畏まりました。代金100セシュルですが宜しいですか?」
「はい」
「それでは少々お待ちください」
そして女性は厨房に向かって行った
十数分後…
「お待たせいたしました! 代金100セシュルです」
レンゼはすぐに金貨を1枚手渡した
「ありがとうございました~!」
そしてレンゼは目の前の料理を眺めた
(白米にトンカツ(ソース無し)…にキャベツの千切り…そして一緒に付いてきたスープ…まさか本当にあったとは…)
レンゼは喉を鳴らして共に渡されたフォークを掴んだ
「戴きます…」
ザクッ
「っ!」
(ほ、本当に本物のトンカツだ!)
少し感動して涙を目に溜める。それに気が付いて涙を拭くと白米、スープと共にトンカツを食べていく
(美味かった~)
「ご馳走さまでした…」
レンゼが食器を置いてそのまま店を出ると同時に目の前をシルビアが通り過ぎて行った
トントンッ
「っ!?」
シルビアが驚いて、手で振り払いながら振り向くとその手がレンゼの頬に当たり、レンゼは少しよろけた
「ってえな~…何すんだよ」
「あ…レンゼ!? どこに行ってたのよ! 心配したんだから…」
レンゼに抱き付いて身長のせいもあり、レンゼの顔がシルビアの胸に埋められる
トントンッ
レンゼがシルビアの腕を叩くとシルビアはレンゼの顔を見下ろした
「あ…あ…」
そして急に顔を紅潮させて少し距離を置いた
「苦しいわ! もう少し考えろよ!」
「あ…な、何よ! 折角心配してあげてたのに!」
「お前に心配されるだけで死にかけるなら心配されない方がマシだね!」
「レンゼのバカ~!」
シルビアはレンゼの頭をポカポカ殴り付けた
「ちょ! …あれ? 痛くない…」
頭を殴り付けられているが全く痛く感じないレンゼは少しヒヤッとしたが自分の頬をつねってみた
「痛い…夢じゃないか…」
頬から手を離すとハッとした
(周りの視線が痛い…)
「ちょっと来い!」
そして人気の無い裏道まで移動した
「な、何よ!」
「あのな? あそこでの皆の視線見てたか? 大分痛かったぞ? もう少し人目を考えようぜ? これは俺の為でもあるしお前の為でもある。ほら、少し前に言ってたろ? 『ハンス家の名に泥を塗らない為』って…分かったらもう少し自重しろよ?」
「…分かったわよ…」
シルビアが俯くとレンゼは驚いた
「今回はやけに物分かりが良いな? 何かあったのか?」
「え? …な、なんでもない!」
「そうか? あ、後今日は宿に泊まるから。それじゃ」
「え?」
呆然としているシルビアに背を向けて手を振る
「ちょ! ちょっとなんでよ!」
「だって今までは泊めて貰ったり気絶した時に運んで貰ったりであそこで寝てたけどいつまでもそう言う訳にはいかないだろ?」
「じゃ、じゃあ今日は私が招待する! それなら良いでしょ!」
レンゼは嘆息して振り向いた
「はあ…それじゃあお前は何をしてくれるんだ?」
「え?」
「今まではな? 俺がライズリックさんに金を貰うまで、資格を受け取るまでの期間あそこに泊めて貰えた。しかもこれは俺にとって利益が生じたからだ。
初日は俺の求める物の為の情報を得る事が出来た
2日目はお前がその為に資格を取れる場所を教える筈だった
3日目はしっかり教えてくれたろ?
4日目は服を貰えた
今日はなんだ? 何をしてくれるんだ?」
少し口角を上げて言う
「本当に言ってるの?」
「ああ、本当だ」
バチンッ!
「もう知らない!」
シルビアは涙を溢して走って行った
「うわっ!」
「ん?」
突然聞いた事のある声が聞こえて振り向いた
「アベル?」
「さっきの誰?」
「シルビア、俺の知り合い。てかなんでここにいるんだ?」
「実はまた迷子になってさ…それで大きな音が鳴ったからその方向に歩いて来たらさっきの女の子が…うわぁ…なんとなく察した…」
レンゼの頬を見てアベルは苦笑した
「あれだろ? 痴話喧嘩」
「違う。断じて違う」
レンゼが睨んでアベルを見詰めるとアベルはレンゼを宥める様に笑った
「そ、それよりさ…道、教えてくれよ。宿に行きたいんだけど中々着けなくてさ…」
「宿って言われても何軒もあると思うんだけど…?」
「大丈夫だって! 俺の泊まってる所だったら『ここ!』って言うからさ~、頼むよ」
アベルは合掌して少しだけ腰を折ってレンゼと頭の高さを同じ位にする
「分かったよ。それじゃあ行こうぜ」
「おう! てか置いて行くな!」
そして2人はアベルの泊まっている宿を目指して街の中を徘徊しに行った
(間違いない、やっぱりシルビアだ。でもこんな所で何をしてるんだ?)
レンゼは気付かれない様にそっと近くの飲食店に入った
偶々別の客も一緒に入ってきて、その客が適当な席に座るとレンゼも真似をして適当な場所(端)に座り、店の中を見渡した
店の中では女性や男性(主に女性)が料理を作ってはすぐにそれを運んでメニューを聞いて回っていてとても忙しそうにしている
内装はカウンターテーブルでその前にはズラリと椅子が並べられている。そしてそれだけでは椅子が足りないらしく辺りには四角いテーブルに4つの椅子がそれぞれ並べられている
メニューは壁に木の板が掛けられていて、その名前を言って注文するらしい
レンゼが座ったのはカウンター席の一番右端だ
(う~ん…腹へったし良いの無いかなぁ…)
そう思いながらメニューの板を1つずつ見ていく
「っ!」
そしてお馴染みの名前を見た時に腹の虫が大きく鳴いた
(トンカツ定食…だと…美味そう…美味そうなんだが! 異世界感が全く無い!)
自分の異世界のイメージに鼻で笑っていると先程の客が手を挙げていた
そこへ1人の男性が近付いて行き何かを確認して厨房に向かった
(なるほどな…ああやって注文するのか)
レンゼも同じ様に手を挙げて待った
「ご注文承ります」
やって来たのは若い女性だった
「トンカツ定食で」
「畏まりました。代金100セシュルですが宜しいですか?」
「はい」
「それでは少々お待ちください」
そして女性は厨房に向かって行った
十数分後…
「お待たせいたしました! 代金100セシュルです」
レンゼはすぐに金貨を1枚手渡した
「ありがとうございました~!」
そしてレンゼは目の前の料理を眺めた
(白米にトンカツ(ソース無し)…にキャベツの千切り…そして一緒に付いてきたスープ…まさか本当にあったとは…)
レンゼは喉を鳴らして共に渡されたフォークを掴んだ
「戴きます…」
ザクッ
「っ!」
(ほ、本当に本物のトンカツだ!)
少し感動して涙を目に溜める。それに気が付いて涙を拭くと白米、スープと共にトンカツを食べていく
(美味かった~)
「ご馳走さまでした…」
レンゼが食器を置いてそのまま店を出ると同時に目の前をシルビアが通り過ぎて行った
トントンッ
「っ!?」
シルビアが驚いて、手で振り払いながら振り向くとその手がレンゼの頬に当たり、レンゼは少しよろけた
「ってえな~…何すんだよ」
「あ…レンゼ!? どこに行ってたのよ! 心配したんだから…」
レンゼに抱き付いて身長のせいもあり、レンゼの顔がシルビアの胸に埋められる
トントンッ
レンゼがシルビアの腕を叩くとシルビアはレンゼの顔を見下ろした
「あ…あ…」
そして急に顔を紅潮させて少し距離を置いた
「苦しいわ! もう少し考えろよ!」
「あ…な、何よ! 折角心配してあげてたのに!」
「お前に心配されるだけで死にかけるなら心配されない方がマシだね!」
「レンゼのバカ~!」
シルビアはレンゼの頭をポカポカ殴り付けた
「ちょ! …あれ? 痛くない…」
頭を殴り付けられているが全く痛く感じないレンゼは少しヒヤッとしたが自分の頬をつねってみた
「痛い…夢じゃないか…」
頬から手を離すとハッとした
(周りの視線が痛い…)
「ちょっと来い!」
そして人気の無い裏道まで移動した
「な、何よ!」
「あのな? あそこでの皆の視線見てたか? 大分痛かったぞ? もう少し人目を考えようぜ? これは俺の為でもあるしお前の為でもある。ほら、少し前に言ってたろ? 『ハンス家の名に泥を塗らない為』って…分かったらもう少し自重しろよ?」
「…分かったわよ…」
シルビアが俯くとレンゼは驚いた
「今回はやけに物分かりが良いな? 何かあったのか?」
「え? …な、なんでもない!」
「そうか? あ、後今日は宿に泊まるから。それじゃ」
「え?」
呆然としているシルビアに背を向けて手を振る
「ちょ! ちょっとなんでよ!」
「だって今までは泊めて貰ったり気絶した時に運んで貰ったりであそこで寝てたけどいつまでもそう言う訳にはいかないだろ?」
「じゃ、じゃあ今日は私が招待する! それなら良いでしょ!」
レンゼは嘆息して振り向いた
「はあ…それじゃあお前は何をしてくれるんだ?」
「え?」
「今まではな? 俺がライズリックさんに金を貰うまで、資格を受け取るまでの期間あそこに泊めて貰えた。しかもこれは俺にとって利益が生じたからだ。
初日は俺の求める物の為の情報を得る事が出来た
2日目はお前がその為に資格を取れる場所を教える筈だった
3日目はしっかり教えてくれたろ?
4日目は服を貰えた
今日はなんだ? 何をしてくれるんだ?」
少し口角を上げて言う
「本当に言ってるの?」
「ああ、本当だ」
バチンッ!
「もう知らない!」
シルビアは涙を溢して走って行った
「うわっ!」
「ん?」
突然聞いた事のある声が聞こえて振り向いた
「アベル?」
「さっきの誰?」
「シルビア、俺の知り合い。てかなんでここにいるんだ?」
「実はまた迷子になってさ…それで大きな音が鳴ったからその方向に歩いて来たらさっきの女の子が…うわぁ…なんとなく察した…」
レンゼの頬を見てアベルは苦笑した
「あれだろ? 痴話喧嘩」
「違う。断じて違う」
レンゼが睨んでアベルを見詰めるとアベルはレンゼを宥める様に笑った
「そ、それよりさ…道、教えてくれよ。宿に行きたいんだけど中々着けなくてさ…」
「宿って言われても何軒もあると思うんだけど…?」
「大丈夫だって! 俺の泊まってる所だったら『ここ!』って言うからさ~、頼むよ」
アベルは合掌して少しだけ腰を折ってレンゼと頭の高さを同じ位にする
「分かったよ。それじゃあ行こうぜ」
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