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4章 資格取得試験
37話 初モンスター
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「お父さん! なんで止めなかったのよ!」
「え? いや…それは…」
「そのせいで…私…私…もうお嫁に行けないじゃない!」
シルビアが顔を紅く染め上げて怒鳴るとライズリックはグッと親指を立てた
「安心しなさい! まだレンゼくんがいるじゃないか!」
笑顔でそう言うと部屋に飾っていた像を投げられ、ライズリックは慌てて机の下に隠れてやり過ごした
「もう! お父さんのバカ!」
シルビアが涙を流して部屋を出ていくとそーっと顔を出した
「あれじゃあ今日のレンゼくんの案内を頼むのは難しいかな…?」
「レンゼ! 早く行くわよ!」
「え? あ、うん…」
今朝の事もあって、レンゼは部屋を出ても未だに気まずそうにしている
「レンゼ!」
「な、なんだ?」
突然顔をグイッと近付けられて少し意識してしまっている
「今朝の事は…その…だから…わ、忘れてちょうだい!」
顔を赤らめたシルビアにレンゼも顔を赤らめる
「ま、まあ、俺も最善を尽くすよ…」
「そ、それなら良いわ…」
そうして気まずい空気のまま家の外に出て、今度こそ普通に建物に向かった
「ここが採用試験を受ける場所、アポイントメントステージよ!」
その建物は石造りの大きな建物で、屋上から大きな布がぶら下げられている。その布にはお互いの尾を飲み込もうとしている龍が∞の形に表記されている
そしてその建物は塀で囲まれていて、レンゼはそれを門から中に入った
中には、綺麗に手入れをされている花壇が並べられ、石レンガの道が入口と思われる大きな扉に向かって一直線に繋がっている
なぜか偉そうに胸を張るシルビアにイラッとしてシルビアの鳩尾に拳を喰らわせた
シルビアがそれを押さえて踞ると、シルビアを引っ張り建物に入って行った
(そう言えば時期とかって大丈夫なのか?)
と、疑問に思いつつも扉を開けて中に入った
「国家魔術師の試験会場はあちら! 慰術師の方の試験会場はこちら! そして錬金術師の方はそちらです! お間違えの無いよう願います!」
中に入った途端に大きな声で案内されて思わず耳を塞いでしまった
声が鳴り終わると耳から手を離して辺りを見渡した
「誰も…いない?」
「すみません! 久し振りに来たものでつい喜んでしまって!」
元気の良い声が聞こえてきたので右を向くと目の前には大きく揺れる豊満な胸があった
「それで…どの資格を取りに…?」
「あ、全部で」
「ぜ、全部…ですか?」
「はい、そっちの方が良いでしょ? 例え失敗しても1つでも受かればそれで良いし」
「で、ではまず左から魔術師、慰術師、錬金術師の順で試験を受けてください。道具の持ち込みは可能です。こちらからは支給しないのでお気をつけください…」
今度はゆっくり頭を下げてきた女性にペコリとお辞儀を返すとシルビアの頭を叩いた
「それじゃあ行ってくる」
そう言って手を振ると魔術師の試験会場と思わしき…そもそもドアに『魔』と書いているので分かりやすかった
その『魔』のドアを開けると中には長い通路があった
そしてレンゼが中に踏み込むと突然松明に火が灯った
「おお! すげぇ…」
感嘆の声を上げて歩いていく
すると等間隔で松明の火が灯り、次の松明に火が灯ると松明の火が消えていく
そして暫く歩いて行くと透明の膜にぶつかった様に何かに弾かれた
そしてその事に驚いて辺りをキョロキョロ見渡すと壁に何かが書かれていた
『立ち去れ! 殺されるぞ!』
と、血で書いてあった
「…試験なんだろうなぁ…」
レンゼはその膜に思いきり体当たりをした
するとブチッと鳴り響きドサッと倒れた
「これで進める」
パンパンと土埃を払うと歩いて行った
「お、お疲れさまです先輩!」
「うむ…所でこの娘は?」
「試験を受けに来た者の付き添いです!」
「試験? なんだ? 慰術師か? 錬金術師か?」
「いえ! 魔術師です!」
「は? それなら今は休みだろうが、中に住み着いたあれが討伐されるまでは」
最初にレンゼに案内をしていた女性は今思い出したと言う様に口元を押さえた
「はあ…まあ大丈夫だろう。あれに辿り着く前に俺が膜を張ったからな、ちょっとやそっとじゃ破れないだろう」
そして2人はレンゼが出てくるのを待つ事にした
「ドア?」
目の前にある赤いドアを顔を顰めて開けた
(くさっ!)
そして中に入ると大の大人が5人程の巨体で、鷲の頭にライオンの体、そして蛇の尾がある化物、グリフォンが佇んでいた
その目は赤く、レンゼの顔を見詰めていた
(初めて見た…モンスター? 魔物? どっちでも良いや…それより何も持ってきてねぇよ…)
レンゼはゴホゴホとわざとらしく咳き込んだ
「こ、こんにちは?」
「グルルルルルルルル…」
レンゼが話し掛けたと同時に威嚇されて落ち込んだ
(乗ってみたかった…)
そう思いながらも自分の手を口に近付けた
そしてそのまま2つの生物は動かずに相手の出方を見ていた
そして最初に動き出したのは…グリフォンだった
「え? いや…それは…」
「そのせいで…私…私…もうお嫁に行けないじゃない!」
シルビアが顔を紅く染め上げて怒鳴るとライズリックはグッと親指を立てた
「安心しなさい! まだレンゼくんがいるじゃないか!」
笑顔でそう言うと部屋に飾っていた像を投げられ、ライズリックは慌てて机の下に隠れてやり過ごした
「もう! お父さんのバカ!」
シルビアが涙を流して部屋を出ていくとそーっと顔を出した
「あれじゃあ今日のレンゼくんの案内を頼むのは難しいかな…?」
「レンゼ! 早く行くわよ!」
「え? あ、うん…」
今朝の事もあって、レンゼは部屋を出ても未だに気まずそうにしている
「レンゼ!」
「な、なんだ?」
突然顔をグイッと近付けられて少し意識してしまっている
「今朝の事は…その…だから…わ、忘れてちょうだい!」
顔を赤らめたシルビアにレンゼも顔を赤らめる
「ま、まあ、俺も最善を尽くすよ…」
「そ、それなら良いわ…」
そうして気まずい空気のまま家の外に出て、今度こそ普通に建物に向かった
「ここが採用試験を受ける場所、アポイントメントステージよ!」
その建物は石造りの大きな建物で、屋上から大きな布がぶら下げられている。その布にはお互いの尾を飲み込もうとしている龍が∞の形に表記されている
そしてその建物は塀で囲まれていて、レンゼはそれを門から中に入った
中には、綺麗に手入れをされている花壇が並べられ、石レンガの道が入口と思われる大きな扉に向かって一直線に繋がっている
なぜか偉そうに胸を張るシルビアにイラッとしてシルビアの鳩尾に拳を喰らわせた
シルビアがそれを押さえて踞ると、シルビアを引っ張り建物に入って行った
(そう言えば時期とかって大丈夫なのか?)
と、疑問に思いつつも扉を開けて中に入った
「国家魔術師の試験会場はあちら! 慰術師の方の試験会場はこちら! そして錬金術師の方はそちらです! お間違えの無いよう願います!」
中に入った途端に大きな声で案内されて思わず耳を塞いでしまった
声が鳴り終わると耳から手を離して辺りを見渡した
「誰も…いない?」
「すみません! 久し振りに来たものでつい喜んでしまって!」
元気の良い声が聞こえてきたので右を向くと目の前には大きく揺れる豊満な胸があった
「それで…どの資格を取りに…?」
「あ、全部で」
「ぜ、全部…ですか?」
「はい、そっちの方が良いでしょ? 例え失敗しても1つでも受かればそれで良いし」
「で、ではまず左から魔術師、慰術師、錬金術師の順で試験を受けてください。道具の持ち込みは可能です。こちらからは支給しないのでお気をつけください…」
今度はゆっくり頭を下げてきた女性にペコリとお辞儀を返すとシルビアの頭を叩いた
「それじゃあ行ってくる」
そう言って手を振ると魔術師の試験会場と思わしき…そもそもドアに『魔』と書いているので分かりやすかった
その『魔』のドアを開けると中には長い通路があった
そしてレンゼが中に踏み込むと突然松明に火が灯った
「おお! すげぇ…」
感嘆の声を上げて歩いていく
すると等間隔で松明の火が灯り、次の松明に火が灯ると松明の火が消えていく
そして暫く歩いて行くと透明の膜にぶつかった様に何かに弾かれた
そしてその事に驚いて辺りをキョロキョロ見渡すと壁に何かが書かれていた
『立ち去れ! 殺されるぞ!』
と、血で書いてあった
「…試験なんだろうなぁ…」
レンゼはその膜に思いきり体当たりをした
するとブチッと鳴り響きドサッと倒れた
「これで進める」
パンパンと土埃を払うと歩いて行った
「お、お疲れさまです先輩!」
「うむ…所でこの娘は?」
「試験を受けに来た者の付き添いです!」
「試験? なんだ? 慰術師か? 錬金術師か?」
「いえ! 魔術師です!」
「は? それなら今は休みだろうが、中に住み着いたあれが討伐されるまでは」
最初にレンゼに案内をしていた女性は今思い出したと言う様に口元を押さえた
「はあ…まあ大丈夫だろう。あれに辿り着く前に俺が膜を張ったからな、ちょっとやそっとじゃ破れないだろう」
そして2人はレンゼが出てくるのを待つ事にした
「ドア?」
目の前にある赤いドアを顔を顰めて開けた
(くさっ!)
そして中に入ると大の大人が5人程の巨体で、鷲の頭にライオンの体、そして蛇の尾がある化物、グリフォンが佇んでいた
その目は赤く、レンゼの顔を見詰めていた
(初めて見た…モンスター? 魔物? どっちでも良いや…それより何も持ってきてねぇよ…)
レンゼはゴホゴホとわざとらしく咳き込んだ
「こ、こんにちは?」
「グルルルルルルルル…」
レンゼが話し掛けたと同時に威嚇されて落ち込んだ
(乗ってみたかった…)
そう思いながらも自分の手を口に近付けた
そしてそのまま2つの生物は動かずに相手の出方を見ていた
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