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12章 決戦!魔王との戦闘!
172話カオスの変化
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「お兄ちゃんは!?」
「は?え?」
「お兄ちゃんはどこ!?」
メルが尋問していた兵士を踏み潰して闘技場の中へ入ると真横には血だらけで気絶しているリュートがいて、慌てて周りを探すが、近くでカオスがどす黒いオーラを静かに出しながらレイト達と睨み合っていて、レインはどこにも見当たらない
「ねえ!お兄ちゃんは!?」
メルがアリウスの胸ぐらを掴んで聞くがアリウスは黙りこくっていた。そしてついに息を大きく吸い込み言葉を発した
「…クル、リュートを頼む」
「分かった…」
「ちょっと!話を逸らさないでよ!お兄ちゃんはどこにいるのかって聞いてるの!」
しかしアリウスはメルの声に耳を傾けずただただカオスを見詰めていた
「もういいわよ!こうなったら自分で聞き出してやるわよ!」
メルがズカズカと闘技場へ足を踏み入れようとするとアリウスが襟を掴んでメルの動きを止めた
「なんなのよ!止めるくらいならお兄ちゃんがどこにいるか位教えてよ!」
メルが振り返るとアリウスはメルを強く睨んでいた
「お前な…皆ここまで来て魔王の奴と戦っているのになんだそれは。お前はバカか?自分の欲求の為に他の奴らを捲き込むんじゃねえよ」
アリウスがそう言うとメルは舌打ちしてそっぽを向いた
「治せたよ」
「大丈夫か?リュート」
「あぁ…?…アリウス?」
リュートが目を覚ますとアリウスはリュートの手を掴んで立ち上がらせた
「なあ、あのレイン…か、こいつをそいつの所に連れていってくれ」
アリウスがメルの肩に手を置いて言うとリュートはコクりと頷いた
「少しは役に立つじゃない」
「黙れ」
メルはどこかへ歩いていくリュートへ着いていき、近くの壁に辿り着いた
「ここにいるの?」
「ああ、少し待ってくれ」
リュートは辺りを見渡すと小さな石ころを見付けて壁に投げた
それが壁に当たると波紋状に揺れてリュートはメルの手を引いてその中へ入っていった
「お兄ちゃん…?」
レインは寝息を立ててアリスの膝の上で眠っていた
「誰よあんた!お兄ちゃんに何をしてるのよ!」
「え?この人の妹さん?良かったね!この人が生きてて!」
アリスはレインを持ち上げるとメルへと手渡した
「はい、ハミちゃんが治してたから傷は殆ど無いけど…この足と眼は治らないみたい…」
「そ、そうなの…」
メルはすぐに返して貰えた事に少し好感を抱いた
「それじゃあバイバイ」
メルがその部屋を出ていこうとすると壁に顔をぶつけて倒れた
「いった~!」
メルが鼻を押さえると同時にレインが床へ叩き付けられ目を覚ました
「…魔王は!?」
レインが起き上がり周りをキョロキョロするとそこは入口の見当たらない部屋だった
「夢…?」
レインが首を傾げるとリュートがレインの襟を掴んで立ち上がらせた
「ったく、じゃあまた行くわ」
リュートは石ころを再び投げると鼻を押さえているメルと、レインを担いで壁へ走り出した
ビクンッ…!
「な、なんだ?」
レイトは目の前で痙攣しているカオスを見詰めて首を傾げた
「はは、ははは、あっははははははは!」
カオスが笑いだすと同時にどす黒いオーラがカオスの体を包み込んだ
「はは…はぁ」
笑い終わるとギョロッとレイトを睨んだ
「良いねぇ…この感覚、嘗ての力を取り戻した気分になるんだよ…」
カオスは手を握ったり開いたりするとレイトに襲い掛かった
「うおっ!」
レイトはその速度に一瞬驚き、反応が遅れて頭を掴まれた
「死ね」
カオスはもう片方の手で手刀を作りレイトの首へ突き刺した
「ごっ!」
レイトの首からは大量の血が吹き出し、カオスが手を抜くと同時にレイトは倒れた
「さあ、最終決着だ」
「は?え?」
「お兄ちゃんはどこ!?」
メルが尋問していた兵士を踏み潰して闘技場の中へ入ると真横には血だらけで気絶しているリュートがいて、慌てて周りを探すが、近くでカオスがどす黒いオーラを静かに出しながらレイト達と睨み合っていて、レインはどこにも見当たらない
「ねえ!お兄ちゃんは!?」
メルがアリウスの胸ぐらを掴んで聞くがアリウスは黙りこくっていた。そしてついに息を大きく吸い込み言葉を発した
「…クル、リュートを頼む」
「分かった…」
「ちょっと!話を逸らさないでよ!お兄ちゃんはどこにいるのかって聞いてるの!」
しかしアリウスはメルの声に耳を傾けずただただカオスを見詰めていた
「もういいわよ!こうなったら自分で聞き出してやるわよ!」
メルがズカズカと闘技場へ足を踏み入れようとするとアリウスが襟を掴んでメルの動きを止めた
「なんなのよ!止めるくらいならお兄ちゃんがどこにいるか位教えてよ!」
メルが振り返るとアリウスはメルを強く睨んでいた
「お前な…皆ここまで来て魔王の奴と戦っているのになんだそれは。お前はバカか?自分の欲求の為に他の奴らを捲き込むんじゃねえよ」
アリウスがそう言うとメルは舌打ちしてそっぽを向いた
「治せたよ」
「大丈夫か?リュート」
「あぁ…?…アリウス?」
リュートが目を覚ますとアリウスはリュートの手を掴んで立ち上がらせた
「なあ、あのレイン…か、こいつをそいつの所に連れていってくれ」
アリウスがメルの肩に手を置いて言うとリュートはコクりと頷いた
「少しは役に立つじゃない」
「黙れ」
メルはどこかへ歩いていくリュートへ着いていき、近くの壁に辿り着いた
「ここにいるの?」
「ああ、少し待ってくれ」
リュートは辺りを見渡すと小さな石ころを見付けて壁に投げた
それが壁に当たると波紋状に揺れてリュートはメルの手を引いてその中へ入っていった
「お兄ちゃん…?」
レインは寝息を立ててアリスの膝の上で眠っていた
「誰よあんた!お兄ちゃんに何をしてるのよ!」
「え?この人の妹さん?良かったね!この人が生きてて!」
アリスはレインを持ち上げるとメルへと手渡した
「はい、ハミちゃんが治してたから傷は殆ど無いけど…この足と眼は治らないみたい…」
「そ、そうなの…」
メルはすぐに返して貰えた事に少し好感を抱いた
「それじゃあバイバイ」
メルがその部屋を出ていこうとすると壁に顔をぶつけて倒れた
「いった~!」
メルが鼻を押さえると同時にレインが床へ叩き付けられ目を覚ました
「…魔王は!?」
レインが起き上がり周りをキョロキョロするとそこは入口の見当たらない部屋だった
「夢…?」
レインが首を傾げるとリュートがレインの襟を掴んで立ち上がらせた
「ったく、じゃあまた行くわ」
リュートは石ころを再び投げると鼻を押さえているメルと、レインを担いで壁へ走り出した
ビクンッ…!
「な、なんだ?」
レイトは目の前で痙攣しているカオスを見詰めて首を傾げた
「はは、ははは、あっははははははは!」
カオスが笑いだすと同時にどす黒いオーラがカオスの体を包み込んだ
「はは…はぁ」
笑い終わるとギョロッとレイトを睨んだ
「良いねぇ…この感覚、嘗ての力を取り戻した気分になるんだよ…」
カオスは手を握ったり開いたりするとレイトに襲い掛かった
「うおっ!」
レイトはその速度に一瞬驚き、反応が遅れて頭を掴まれた
「死ね」
カオスはもう片方の手で手刀を作りレイトの首へ突き刺した
「ごっ!」
レイトの首からは大量の血が吹き出し、カオスが手を抜くと同時にレイトは倒れた
「さあ、最終決着だ」
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