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10章 妖精界での冒険
119話作戦決行と北側の様子
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メル達が了承するとハーレンはコクりと頷きレイン達を先程の大きな木の中へ案内した
今回は先程の部屋と違い、筋肉が付いている男の妖精が数人いるだけだった
「ここだ」
「え!兵士ってこれだけ?」
「ああ、こいつら以外は1年前のあの男の襲来で死んでしまったのでな」
ハーレンが寂しげに言うとメルも何か気を悪くして黙り込んだ
「ハーレン様!私共はこんな子供がいなくても魔王軍ごとき倒せます!」
「あの男1人に苦戦していて、その上、最終的にあいつの慈悲で生きているのにか?」
「ぐっ、ですが!」
「言いたい事は分かるが今は少しでも戦力が欲しいのだ。仕方あるまい」
ハーレンの言葉に、兵士は拳を震わせ答える
「…はい」
ーー人間界・上空ーー
「はあ、レイトさん、もうちょっと自重してください!私とまだ子作りしてないんですから!子供は3人が良いです!」
「ふぃふは(知るか)!ふぁふぁふふぉふぉふぇ(早く降ろせ)!」
今、レイトはシリの胸に顔を埋めさせられていた
「何を言ってるのか分かりませーん」
シリはレイトをもっと強く抱き締め、暫くするとレイトは動かなくなった
そして、レイトは動かなくなる直前に
(こいつ、絶対に僕を殺そうとしてるな!)
と、確信付けた
ーー人間界・ドグリアス山岳ーー
「んあ!」
「起きたか」
「ん、どうしたリュート?」
「いや、ちょっとな」
アモが起きるとリュートは窓の外を寂しそうに眺めていた
「ふ~ん、ま!何か知らないけど元気出せって!俺がいるんだからな!」
「まあ、考えとく」
「考えとくって何だよ!」
アモはリュートにブーイングし出すがリュートの耳には届かず、ただ窓の外を眺めていた
ーー妖精界・大きな木の作戦会議室ーー
「つまり私達5人でこの国の東西南北を担当して魔王軍が来たら追い払うだけで良いのね?」
「ああ、それで良いが…絶対に足は引っ張るなよ?」
「あんた達こそ!お兄ちゃんの足を引っ張らないでね!」
そこではメルと妖精の兵士が喧嘩をしていた
「ちょっと皆!喧嘩は止めてよ!」
「うるせえ!お前は引っ込んでろ!俺はこいつと話してんだ!」
そう言い兵士がレインを突き飛ばすがそれをサツキが先回りして受け止める
「ちょっと!お兄ちゃんに何するのよ!」
「レイン大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
「100歩譲ってそこの桃色の髪をしている奴は許そう!だが!お前らはどこからどう見ても唯のガキだ!そこの青髪のガキに至っては俺みたいな妖精の突き飛ばしですら吹っ飛ぶのに!こんな奴等を誰が相手にするか!お前らは大人しく俺らの出した作戦に対してしっかりと行動すれば良いんだ!」
「それであなた達よりもお兄ちゃんが沢山敵を倒したらお兄ちゃんに泣いて土下座しなさい!」
「おお!やってやるとも!」
こうして作戦通りの配置に送られた
北=レイン+兵士×2
西=サツキ+兵士
南=メイト+兵士
東=メル・ハミ+兵士
ーーハレの北側ーー
「おい!敵が見えてきたぞ!構えろ!」
「はい!」
「うん」
先程メルと口喧嘩していたあの妖精はここに配属され、その妖精が今、指揮を取っている
レインがズボンのポケットからクサナギを取り出すと妖精が怒り出した
「おい、ふざけてるのか?これから戦うんだぞ?」
「ふざけてないよ?」
「そんな小さな武器でどうやって戦うんだ!」
「ん?こうやって」
【お!主人!俺の出番っすか!】
「うん、クサナギ召喚!」
レインが地面にクサナギを突き刺すと巨大な地震が起こった
ゴゴゴゴゴ…
「はっは~!さあ!暴れるっすよ!」
レインの後ろに巨大な人の上半身が現れた
「な、何なんだこれは!」
「お!俺っすか?俺は有神刀クサナギっす!主人が召喚してくれたのでここに出てきたんすよ!」
「クサナギくん!」
「何ですか?主人?」
「あそこにいる敵を倒してきて!できるだけ沢山!」
「了解っす!」
そう言うとクサナギは敵の所へ飛んでいった
飛んでいく時も上半身しか無く、それより下は煙に覆われて見えなかった、と言うか無かった
「じゃあ僕も行くかな」
レインは神刀創造で別の刀、水神刀ミズチを造り出した
【ま、魔力を~】
「この子も?」
レインはえい!と言い、少しだけ魔力を流した
【ふう、ありがとうございます。お陰で助かりました。私はミズチ、これからあなた様に仕える僕となりましょう。何なりとお申し付けください】
と、女性の声がした
「だったらクサナギくんみたいに出てこれる?」
【はい?もしかしてあのクサナギとも契約なさっておられるのですか?】
「契約?」
【はい、そもそも神器を扱う際は手に持った時に契約が交わされるのです。しかし通常なら神にしか契約は出来ず、人間なら触れる事すら叶わないのです】
「へぇ~」
レインは一応知識の本で調べてみた
『神器契約
神器を扱う際に起こる強制的契約
この契約で得られる力は絶大な物である物は全てを凍てつかせる程の力を、またある物は使用者の運命を操れる程の力を有する事もある』
【それと、私はクサナギ様のように具現化は出来ませんが水を操る事くらいなら】
「じゃあ、それをするにはどうすれば良いの?」
【ただ魔力を込めるだけで私の体に水が纏い始めます。後は魔力の量によって纏う水の量は変わります】
「1回やってみるね」
【はい】
レインは魔力を少しだけ込めてみた
【こんなに入れて貰って大丈夫なのですか!?】
「うん、別にまだまだあるし」
【凄いお方ですね】
ミズチの言葉の後、ミズチの刀身に水がグルグルと纏い始める
そして纏い終わった後も少しだけ水が出てきて、触手のように蠢いている
【少し魔力が多すぎたみたいで纏うのに全てを費やすのは流石に出来ませんでした!すいません!】
「別に良いよ、それよりこの触手みたいなのは何なの?」
【これは見た通りですが私と同じくらいの切れ味を誇る刀と同じです】
「へぇ~じゃあそろそろ行こうか!」
【はい!】
レインがミズチを構えて走り出すと後ろで兵士が2匹驚いていた
「な、何者なんですか?あの子は」
「あいつ1人でこの軍勢に勝てるんじゃ無いのか?」
と、口ずさむだけで動こうとしなかった
今回は先程の部屋と違い、筋肉が付いている男の妖精が数人いるだけだった
「ここだ」
「え!兵士ってこれだけ?」
「ああ、こいつら以外は1年前のあの男の襲来で死んでしまったのでな」
ハーレンが寂しげに言うとメルも何か気を悪くして黙り込んだ
「ハーレン様!私共はこんな子供がいなくても魔王軍ごとき倒せます!」
「あの男1人に苦戦していて、その上、最終的にあいつの慈悲で生きているのにか?」
「ぐっ、ですが!」
「言いたい事は分かるが今は少しでも戦力が欲しいのだ。仕方あるまい」
ハーレンの言葉に、兵士は拳を震わせ答える
「…はい」
ーー人間界・上空ーー
「はあ、レイトさん、もうちょっと自重してください!私とまだ子作りしてないんですから!子供は3人が良いです!」
「ふぃふは(知るか)!ふぁふぁふふぉふぉふぇ(早く降ろせ)!」
今、レイトはシリの胸に顔を埋めさせられていた
「何を言ってるのか分かりませーん」
シリはレイトをもっと強く抱き締め、暫くするとレイトは動かなくなった
そして、レイトは動かなくなる直前に
(こいつ、絶対に僕を殺そうとしてるな!)
と、確信付けた
ーー人間界・ドグリアス山岳ーー
「んあ!」
「起きたか」
「ん、どうしたリュート?」
「いや、ちょっとな」
アモが起きるとリュートは窓の外を寂しそうに眺めていた
「ふ~ん、ま!何か知らないけど元気出せって!俺がいるんだからな!」
「まあ、考えとく」
「考えとくって何だよ!」
アモはリュートにブーイングし出すがリュートの耳には届かず、ただ窓の外を眺めていた
ーー妖精界・大きな木の作戦会議室ーー
「つまり私達5人でこの国の東西南北を担当して魔王軍が来たら追い払うだけで良いのね?」
「ああ、それで良いが…絶対に足は引っ張るなよ?」
「あんた達こそ!お兄ちゃんの足を引っ張らないでね!」
そこではメルと妖精の兵士が喧嘩をしていた
「ちょっと皆!喧嘩は止めてよ!」
「うるせえ!お前は引っ込んでろ!俺はこいつと話してんだ!」
そう言い兵士がレインを突き飛ばすがそれをサツキが先回りして受け止める
「ちょっと!お兄ちゃんに何するのよ!」
「レイン大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
「100歩譲ってそこの桃色の髪をしている奴は許そう!だが!お前らはどこからどう見ても唯のガキだ!そこの青髪のガキに至っては俺みたいな妖精の突き飛ばしですら吹っ飛ぶのに!こんな奴等を誰が相手にするか!お前らは大人しく俺らの出した作戦に対してしっかりと行動すれば良いんだ!」
「それであなた達よりもお兄ちゃんが沢山敵を倒したらお兄ちゃんに泣いて土下座しなさい!」
「おお!やってやるとも!」
こうして作戦通りの配置に送られた
北=レイン+兵士×2
西=サツキ+兵士
南=メイト+兵士
東=メル・ハミ+兵士
ーーハレの北側ーー
「おい!敵が見えてきたぞ!構えろ!」
「はい!」
「うん」
先程メルと口喧嘩していたあの妖精はここに配属され、その妖精が今、指揮を取っている
レインがズボンのポケットからクサナギを取り出すと妖精が怒り出した
「おい、ふざけてるのか?これから戦うんだぞ?」
「ふざけてないよ?」
「そんな小さな武器でどうやって戦うんだ!」
「ん?こうやって」
【お!主人!俺の出番っすか!】
「うん、クサナギ召喚!」
レインが地面にクサナギを突き刺すと巨大な地震が起こった
ゴゴゴゴゴ…
「はっは~!さあ!暴れるっすよ!」
レインの後ろに巨大な人の上半身が現れた
「な、何なんだこれは!」
「お!俺っすか?俺は有神刀クサナギっす!主人が召喚してくれたのでここに出てきたんすよ!」
「クサナギくん!」
「何ですか?主人?」
「あそこにいる敵を倒してきて!できるだけ沢山!」
「了解っす!」
そう言うとクサナギは敵の所へ飛んでいった
飛んでいく時も上半身しか無く、それより下は煙に覆われて見えなかった、と言うか無かった
「じゃあ僕も行くかな」
レインは神刀創造で別の刀、水神刀ミズチを造り出した
【ま、魔力を~】
「この子も?」
レインはえい!と言い、少しだけ魔力を流した
【ふう、ありがとうございます。お陰で助かりました。私はミズチ、これからあなた様に仕える僕となりましょう。何なりとお申し付けください】
と、女性の声がした
「だったらクサナギくんみたいに出てこれる?」
【はい?もしかしてあのクサナギとも契約なさっておられるのですか?】
「契約?」
【はい、そもそも神器を扱う際は手に持った時に契約が交わされるのです。しかし通常なら神にしか契約は出来ず、人間なら触れる事すら叶わないのです】
「へぇ~」
レインは一応知識の本で調べてみた
『神器契約
神器を扱う際に起こる強制的契約
この契約で得られる力は絶大な物である物は全てを凍てつかせる程の力を、またある物は使用者の運命を操れる程の力を有する事もある』
【それと、私はクサナギ様のように具現化は出来ませんが水を操る事くらいなら】
「じゃあ、それをするにはどうすれば良いの?」
【ただ魔力を込めるだけで私の体に水が纏い始めます。後は魔力の量によって纏う水の量は変わります】
「1回やってみるね」
【はい】
レインは魔力を少しだけ込めてみた
【こんなに入れて貰って大丈夫なのですか!?】
「うん、別にまだまだあるし」
【凄いお方ですね】
ミズチの言葉の後、ミズチの刀身に水がグルグルと纏い始める
そして纏い終わった後も少しだけ水が出てきて、触手のように蠢いている
【少し魔力が多すぎたみたいで纏うのに全てを費やすのは流石に出来ませんでした!すいません!】
「別に良いよ、それよりこの触手みたいなのは何なの?」
【これは見た通りですが私と同じくらいの切れ味を誇る刀と同じです】
「へぇ~じゃあそろそろ行こうか!」
【はい!】
レインがミズチを構えて走り出すと後ろで兵士が2匹驚いていた
「な、何者なんですか?あの子は」
「あいつ1人でこの軍勢に勝てるんじゃ無いのか?」
と、口ずさむだけで動こうとしなかった
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