ゴッドクエスト

紅蓮の焔

文字の大きさ
上 下
129 / 242
10章 妖精界での冒険

116話妖精界の王都

しおりを挟む
「うわあぁぁぁぁぁぁああ!」
4人が裂け目に吸い込まれ辿り着いた先は自然が豊かな森の中だった
「いたたたた」
「大丈夫か?」
「僕はでゃいじょーぶ!」
「儂も平気だ」
「私も大丈夫」
メイトが皆の安全を確認するとホッとため息を吐いた
「それはそうとここは?」
メイトが辺りを見渡すが、辺りには木しか無かった
「アワワワワワ!早く行かないと!ちょっと君達着いてきたんだから…君って」
ハミがレインを指差し驚いていた
「とにかく!この子を元に戻してあげるから早く来て!」
「え!戻し方知ってるの!?」
「なら今戻してあげるから早く!」
ハミがブツブツと何かを呟くとレインは悲鳴を上げだした
「ぎゃあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁああああぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁああぁぁあ!」
「ちょっとお兄ちゃんに何するのよ!」
メルが手を伸ばしたが先にサツキが異変に気付いた
「メル!ちょっと待て!」
「何でよ!お兄ちゃんが苦しんでるのに!」
「よく見てみろ!大きくなってきている!」
「え?」
メルがレインをよーく見てみると確かに徐々に大きくなっている
「ぎゃあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁああああぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁああぁぁああぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁあ!」
「うっ」
メルは泣き叫ぶレインを助けたいが必死で我慢している
そして数分後
「ぎゃあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁああああぁぁぁあぁあぁぁぁぁああぁぁぁああぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
レインが最後に断末魔のような叫びを上げると気絶した
「ふう、戻せた~」
レインの体は幼児体形では無く元の15歳の体に戻っていた
「お、お兄ちゃんが…戻った…」
「だから!早くハーレン様の所に行かないと行けないから!早く!」
「そ、その、お兄ちゃんを戻してくれてありがと」
「そんな事良いから早く~!」
「メル…ハミも用事があるようだし早く行ってやれ」
「え!私はお兄ちゃんと一緒が良いもん!」
メルはレインに抱き付く
レインの服は以外と破れず、何故か丁度良いサイズになっていた
「はあ、じゃあレインも連れていけば良いだろ」
「あっ、そうか!」
「何言ってるの?君も来るんだよ?」
「え?」
メルはレインを背負って飛んでいくハミの後を追いかけて行ったその後をメイトとサツキも一緒に追い掛けていった





そして森を駆け抜ける事約3分、他とは違う雰囲気を醸し出す大きな木が見えてきた
「あそこ?」
「早く行かないと怒られる~!」
ハミはあたふたとしてメルの声は耳に届いていない様子だった
「人間だ」
「本当だ」
木の近くまで来ると妖精達の姿がちらほらと見受けられ、木の根本には小さな村があるようだった
「すみません!今すぐ妖精王様に会いたいのですが!」
ハミが急いで木の前に立っている門番に話しかける
門番の後ろには少し大きな穴がありその奥には階段があった
「貴方は誰ですか?」
「ハミです!」
「…ハミ?少し待っていてください」
門番が飛んで階段の奥に行ってしまった
「所でここってどこなの?」
「ここ?ここは王都ハレ、ハーレン様が治めるここ妖精界ポワンの大きな国…の筈なんだけど前よりも小さくなってるんだよね」
ハミが周りを見渡すが家が3軒と店のような所が2軒あるだけでそれ以外ではこの大きな木があるだけだった
ここの家はキノコをくりぬいたような造りをしていて人間界では考えられないような家だ
「ハミ様、こちらへ…ハミ様の友人様もこちらへ」
門番に連れられて階段を登っていく
軈て大きな部屋に着くとメル達の目の前に小さな男児が王座に座っていた
「おおハミ!よく無事で帰ってきたな!いつ以来だ?1000年前の聖戦以来か!」
「はい?…1000年前、ですか?」
「ああ、お前一体どこで何をしてたんだ?」
「え?いや、昨日ハーレン様に言われて…」
「え?昨日?いや、1000年前にハミを人間界へ行かせた時に…」
「「あれ?」」
ハミとハーレンは話が噛み合っていない事に気付き一旦話が止まった
「はいはい、ちょっと待って。まずハミから言ってみて」
メルがハミを指差すとハミはコクりと頷き話し始めた
「うん、昨日ハーレン様に魔王軍がアレを造り出したから伝えに行ってくれって」
「アレ?」
「え?うん、ハーレン様、言って良いの?」
「ああ、1000年前の話だしな」
「じゃあ話すね、まずアレって言うのは魔吸武器って言う物で、何をする物かって言うと名前の通り攻撃して魔力を吸収する武器だよ…そうじゃなくて!」
「どうしたの?」
ハミがいきなり大きな声を出したのでメルは驚いた
「そうじゃなくてハーレン様!」
「ん?どうした」
「私、何か人間界の神様と一体化してしまったらしいんですよ!」
ハミの言葉にハーレンは首を傾げた
「どういう事だ?」
「何か、まずこれ貰って」
ハミは空間の裂け目へ入りハミの頭ほどの小ささの緑色の球体を持ち出してきた
「その後物凄い痛みと一緒に光ったんですよ。その後頭の中で幻聴が聞こえてですね…ほら、また聞こえた。それに気を取られてる内に誰かに捕まっちゃってしまって…その後数秒経ったらこの子達が箱を開けてくれて、それでここに来たんですよ!あ、それと聖戦の結果どうなったんですか?」
「聖戦って何?」
「知らんのか?仕方ない教えてやろう」
メルの質問に答えたハーレンは聖戦の事を話し始める
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。 だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。 そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。 全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。 気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。 そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。 すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

ヒューストン家の惨劇とその後の顛末

よもぎ
恋愛
照れ隠しで婚約者を罵倒しまくるクソ野郎が実際結婚までいった、その後のお話。

〖完結〗私が死ねばいいのですね。

藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。 両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。 それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。 冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。 クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。 そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全21話で完結になります。

処理中です...