ゴッドクエスト

６章 石化の治療法と石像の在処

５９話情報収集(夜)

ハルはメルを抱えて屋敷から出る
「じゃあね～！お兄ちゃん！一生忘れないわ～！」
リズはハンカチで目を拭きながら手を振っている
「俺が死んだような感じになってるんですけど」
「知らないわよとにかく戻って！」
「はいはい」
ハルが屋敷から出たときにはもう辺りは暗くなり始めていた
宿には約６分で着いた
「はぁはぁはぁ」
ハルは今、手を膝に着き物凄い汗を流している
「ご苦労様」
メルは部屋の前に着くとガチャリとドアノブを回し、中に入るとナタが寝ていた
「ナタ！起きなさい！」
「ん？後５分」
ナタは寝返りを打って耳を塞ぐ
「早く起きろ～！」
メルがナタから布団を剥ぐ
「ん～まだ眠い」
「起きなさい！」
メルがナタを前後に振る
「分かった起きます起きます！」
ナタが眠たそうにベッドから降りて立つ
「ミルは？」
「えーと、確か女性と一緒に料理を作っている筈」
「女性？」
「はい、名前を知らないので」
「それで？情報は？」
メルが首を傾けて聞くとナタが上を向く
「えーと、ちょっとミルさん呼んできます」
ナタが欠伸をしながら部屋を出ようとするとメルがナタの手を掴む
「まず情報」
「でもミルさんが」
「まず情報」
「でも！」
「情報」
「で！」
「情報」
「…はい」
ナタを引き留めて椅子に座らせメルも座りナタから情報を聞き出す

ミルは今、受付の女性、本名をマラ、そしてリュートと一緒に作戦会議をしている
「何か思い付いた？」
「いいえ、何も思い付きません」
「俺そろそろ戻って良いか？」
「「ダメ！」」
リュートが頭を掻いて戻ろうとするとミルとマラに止められる
「だって貴方は天才なんですから！」
「貴方の技術を奪うまで帰さないわよ！」
「えー」
ミル達は今、宿で出す料理を考えている。思い付いては作って、試行錯誤してみたは良いもののリュートが考えた物でも希に失敗してしまう事もあった。が、考えた端から作って行ったので流石にネタも尽きてしまって今のこの状況に陥っている
「はぁ、別にもう何個も成功したのはあるんだし良いだろ？」
「もっとです！」
「私が貴方に勝つまでよ！」
「…もう戻りたい」
リュートは誰にも聞こえないような小さな声で呟いた
「あっ！思い付いた！」
ミルが台所へ行き料理を作る
約10分が経ち、ミルが皿を持ってきた
その皿には野菜と焼肉が入っていて皿をリュート達の前に出した時に塩を振りかけた
「さぁ！召し上がれ！」

モグモグモグ

「美味しいと思うぞ」
「そうですね」
「もうちょっと反応してくれても良いんじゃない!？」
ミル達は食べ終わるとまた考える事に専念し、思い付く度に次々と作っていってると材料が無くなって、マラの母親に怒られ、材料を買いに行かされた

タイタン達はあの後、金が無くなってしまったので戻った
しかし、ルクスとタイタンはガッカリしていた
「お前らどれだけ食べたかったんだ！」
「もっと～」
「もっとです～」
ルクス達の言葉を聞いてダルクは顔に手を当てて溜め息を着く
「はぁ、もう行くぞ」
「は～い」
「は～いです～」
タイタンとルクスはダルクとリーシャの後ろで手を繋ぎ宿に戻った
「はぁ、お腹空いたな～」
「そうです～」
タイタンとルクスは肩を落としながら部屋に向かおうとすると食堂の方から怒っている声が聞こえて二人で見に行く事にし、ダルク達に気付かれないようにそーっと食堂の方を覗くと、ミルとリュート、そして受付の女性がその母親らしき人物に怒られていた
「何でこんなことをしたんだい！あれで今日の分の夜ご飯を作るつもりだったのに！今すぐ買ってきなさい！」
「「「は、はい！」」」
ミルとリュートと女性は慌てて宿を出てどこかに行ってしまった
「はぁ、全くこんなに使っちまうなんてねぇ」
母親らしき人物は呆れた顔をして皿を洗い出す
「手伝おうかな」
「手伝いましょうです」
ルクスとタイタンはてくてくと歩き母親らしい人物に近付いていった
「手伝いましょうかです？」
ルクスが聞くと母親らしい人物が振り返る
「ん？そうかいありがとうねぇ君達は偉いねぇ、うちの娘とは大違いだ」
母親らしい人物は近くにあった布で手を拭きルクスとタイタンの頭を撫でた
「それじゃあ手伝って貰おうかね！」
「はい！」
「はいです！」
ルクスとタイタンは母親らしい人物の両隣に行き、食器を一緒に洗った