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最終章
エピローグ
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「え、ルルムには戻らないの?!」
「そうだよ? 俺、まだソアに言ってなかったっけ?」
えぇ、そんなの全然聞いてない。
そういえば、ニケルさんが記念の長い船旅って言ってた気がしたけど、あれは聞き間違いなんかじゃなかったんだ……。
「城の手抜き工事のことは、親の連絡係にもう伝えさせたから安心しろよ」
「それは良かったけど……でも、なんで急に旅行なんて……」
「あー…つまりは、新婚旅行?」
「し、新婚りょ……」
えっ、そういうことなの。
つまり、私たちの……。
「そ、俺たちまだ行ってなかっただろ? 船を用意させる時に、この際だからパーティする流れで、そっちも一緒にやっちまおうかなと」
そういえば、ハネムーンずっと先送りにしてたんだったわね。
三年前、初めてこの船でリオと旅行に出かけた時は、結局色々あって、観光らしいことがあまり出来なかった。
もちろん、それは私が行方不明になってたせいなんだけど、この世界に帰ってきてからも、私たちにそんな余裕も時間もなかったし……。
「今回、ソアと色んな場所に行けたことで、もっと一緒にあちこち回ってみてぇと思った。王家の奴らも、世界に異変が起きてるかどうかの調査を名目として、俺の気が済むまで帰ってくんなって言ってたしな。このまま違う国に突入して、俺たちで世界中を制覇しちまおうぜ」
それ……リオが言うと、ちょっと違う意味で制覇しちゃうんじゃないかって、勘違いしそうになるんだけど……。
っていうか、王家の人たちに気が済むまで帰ってくんなって言わせるのも、ある意味すごいな。
まぁ、こいつが全然言うこと聞かない上に、能力も異常に高いから、諦めて野放しにしている可能性もあるけど……。
「で、この船は今どこに向かってるの?」
「それに関しては、リュエから手紙が来てる」
そう言ってリオは、王族出身で世界中を飛び回っている友人の、サイン付き封書を見せた。
「リュエルさんが何か?」
「俺たちにぜひ見せたいものがあると……ある国にリュエからご招待いただいた。詳しくは何も書かれてねーけど、なんかすげぇ気になるだろ? まずはリュエの言う国に行ってみようぜ?」
これって、もう新婚旅行というよりも、冒険の旅って感じな気がしてきた。
でも……なんか……妙にワクワクしてくる。
こういうのも、私たち夫婦らしくて良いのかもしれない。
「リオ、私もリュエルさんが今いる国、気になる。行ってみたい」
「なら良かった。じゃ、そうと決まれば、これから俺らがやることは一つだな?」
「そうだね、明日のためにも早く寝……」
「ソア、もう一回戦だ! ワンモアチャンス!」
って、違うわボケ~~!
はぁ、きっとこんな感じで、これからもリオとバタバタしながら生きてくんだろうな。
でも、なんだかんだと言って、幸せでごさいます。
私は。
Fin
「そうだよ? 俺、まだソアに言ってなかったっけ?」
えぇ、そんなの全然聞いてない。
そういえば、ニケルさんが記念の長い船旅って言ってた気がしたけど、あれは聞き間違いなんかじゃなかったんだ……。
「城の手抜き工事のことは、親の連絡係にもう伝えさせたから安心しろよ」
「それは良かったけど……でも、なんで急に旅行なんて……」
「あー…つまりは、新婚旅行?」
「し、新婚りょ……」
えっ、そういうことなの。
つまり、私たちの……。
「そ、俺たちまだ行ってなかっただろ? 船を用意させる時に、この際だからパーティする流れで、そっちも一緒にやっちまおうかなと」
そういえば、ハネムーンずっと先送りにしてたんだったわね。
三年前、初めてこの船でリオと旅行に出かけた時は、結局色々あって、観光らしいことがあまり出来なかった。
もちろん、それは私が行方不明になってたせいなんだけど、この世界に帰ってきてからも、私たちにそんな余裕も時間もなかったし……。
「今回、ソアと色んな場所に行けたことで、もっと一緒にあちこち回ってみてぇと思った。王家の奴らも、世界に異変が起きてるかどうかの調査を名目として、俺の気が済むまで帰ってくんなって言ってたしな。このまま違う国に突入して、俺たちで世界中を制覇しちまおうぜ」
それ……リオが言うと、ちょっと違う意味で制覇しちゃうんじゃないかって、勘違いしそうになるんだけど……。
っていうか、王家の人たちに気が済むまで帰ってくんなって言わせるのも、ある意味すごいな。
まぁ、こいつが全然言うこと聞かない上に、能力も異常に高いから、諦めて野放しにしている可能性もあるけど……。
「で、この船は今どこに向かってるの?」
「それに関しては、リュエから手紙が来てる」
そう言ってリオは、王族出身で世界中を飛び回っている友人の、サイン付き封書を見せた。
「リュエルさんが何か?」
「俺たちにぜひ見せたいものがあると……ある国にリュエからご招待いただいた。詳しくは何も書かれてねーけど、なんかすげぇ気になるだろ? まずはリュエの言う国に行ってみようぜ?」
これって、もう新婚旅行というよりも、冒険の旅って感じな気がしてきた。
でも……なんか……妙にワクワクしてくる。
こういうのも、私たち夫婦らしくて良いのかもしれない。
「リオ、私もリュエルさんが今いる国、気になる。行ってみたい」
「なら良かった。じゃ、そうと決まれば、これから俺らがやることは一つだな?」
「そうだね、明日のためにも早く寝……」
「ソア、もう一回戦だ! ワンモアチャンス!」
って、違うわボケ~~!
はぁ、きっとこんな感じで、これからもリオとバタバタしながら生きてくんだろうな。
でも、なんだかんだと言って、幸せでごさいます。
私は。
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