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最終章

三十六話※

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 楽しかったパーティは終わり、みんなで片付けを済ませて、今は夜も遅い時間。
 私とリオは最上階にある、客室まで戻ってきていた。
(パーティ、すごい楽しかったなぁ……)
 夜の海をゆっくりと進む船の中で、私は窓のそばに座って外を眺めている。
「ソア……飲む?」
「……ありがと」
 私はリオから手渡されたお茶を、ひと口だけ飲んだ。
 今日はパーティでいっぱい食べてしまったから、こんな時間になっても、全然お腹が空いていない。

「ソア……そろそろ、こっちに来てよ」
「う、うん」
 私は促されて、ベッド脇にいるリオの横に座った。
 そしてリオの顔を見る。
 すると、同時に目が合って、気がつくとそのまま自然に口を重ねていた。
 リオの舌が、ゆっくりとした動作で口の中へと入ってくるもんだから、そちらばかりに意識がいってしまう。
(舌……ゆっくり……なぞるように……してる。なんかコレすごくヤラシイな……)
 こんなにも口内を丁寧に愛撫されたら、このキスだけで体がとろけてしまいそうだ。

「リ、リオ……もう、これ……」
「まだ……もっと」
 リオに何度も舌で求められ、それに私も必死に応える。
 そんなことを繰り返しているうちに、リオの方も少しづつ深く強く攻めてくるようになってきて、お互いに息も上がってきたところで……リオの唇がやっと離れた。
(キスだけで……こんな……エッチ)
わりぃ、止まらなかった……なぁソア、初めて繋がった時のこと覚えてる? こうやって……何度もキスしたんだよ」
「ん、覚えてるよ……」
 その時はキス以外、全てが初めてなことで、私は慌ててばかりだったけど、リオの方は逆にかなり冷静で……私がどんなに乱れても、ずっと黙って抱いていたような……?
 
「服を上からゆっくり脱がせてったら、ソアがすげー恥ずかしがってイヤ、イヤ言うから、何度も理性が飛びそうになってヤバかったな。あん時はよく抑えた、俺」
 な……なんだと。
 それは私が思っていたのと、だいぶ感覚が違う……。
「相手が恥ずかしそう嫌がってたら、リオは理性が飛ぶんですか……」
「男ってのは、そういう生きもんだから」
「えー……」
「余裕なくなると、ずっと無言で襲ってたくなる……」
 え、そういうものなの?
 急にリオが無言になるのも、つまりはそういうコトなの?

「ね、ねぇリオ……あの時みたいに照明暗くしないの? 私も多少は慣れたとしても、明るいとやっぱり恥ずかしいんだけど……」
「…………別に、当時をそこまで再現しなくていいかと。時には臨機応変も大事であって、ソアには理解しにくい感覚かもしれないが、物事は何事もよく方が良い」
 なんだ、その急に理屈っぽくなった言い方は……それに返事までの間が、妙に長かった気がするけど……。
「良く見えるから、恥ずかしいんだってば……」
「それで良い。いや、それ良い」
 いきなり真面目な顔して断言してる。
 だめだ……言うこと聞いてくれそうにない。

「ソア、やっぱり……」
「な、なに?」
「胸、あの時より確実にデカくなってるよな? 俺が育てた……ね?」
 リオはそう言って、私の胸を揉み出した。
 うわ、今のリオの顔、すんごいヤラシイし!
「前の大きさなんか、知らないっ」
「素直じゃねぇなあ……まったく」
(あ、先端いじっちゃ……) 
「あの時は揉んだり吸ったら、信じられないって感じで、顔を真っ赤にしてたっけ」
「いやぁあ……」
 そんなこと、いちいち言いながら再現しないでよ。
 なんか色々とリアルに、当時のことを思い出しちゃうじゃんか。

「それに、下は中々見せてくれなかったよなぁ。すげー恥ずかしがって」 
「今だって……恥ずかしい。そんなの、いつも慣れない」
 今の私の言葉で、リオの顔がピクッとした後、急にまた真顔になった。
「……どれ」
「えっ……や……」
 リオは私の蜜が垂れてきているところを、おもむろに拡げる。
 すると、ねちゃ……と、やらしい音がして、私は恥ずかしさのあまり、思わず足を閉じて隠そうとするが、リオの押さえる腕の力が強くて、そんなことは全くさせてもらえない。
「ひろげちゃ、やだぁ……あっ、嗅いじゃダメ……や……息かかる……やだ……」
「はぁ……やっぱ、ソアとはいくらシても、毎回煽られ方がやべぇな……また、すーぐに挿れたくなってくる」
 リオの頬も赤くなって、段々と余裕がなくなってきているのが、表情からも読み取れる。
「もう……いいけど……」
「いや、まだだ。まだ早い。まだ、この空気を堪能する!」
「えぇ……」
 なんだろう……なんか、リオにも男性側にも色々と段取りみたいなものがあるのかな。 
 よく分からない。

「ソアのここに、初めて挿れた時は、痛そうだった……」
「うん……でも、最初だけだったし……気持ち良くなったら、何も考えられなくなっちゃっ……た」
「……それは、嬉しい言葉」
(今だって、リオに触られて……気持ちいい……あっ)
 リオの指の動きが速くなってくる。
 中の敏感なところをトントンされて、興奮して赤くなってる突起を舌でコロコロされたら、私は我慢できずにプシュっという変な音を立てて、イッてしまった。
「あ……い、今……私……」
「潮吹いたね……」
 は、恥ずかしい……けど、リオのその嬉しそうな顔は何だ。
 俺やってやったぞ、みたいな顔は。
 それに、自分の体のことなのに、どうしてこうもリオに色々と変えられてしまうのか……不思議でならない。

「俺、ソアが初めてをくれて、本当に感動したんだよな……この女の生涯、絶対守るって……」
 リオ……そんな風に思ってくれてたんだね。
「そんな時に……いなくなっちゃって、ごめんね……」
「ソアのせいじゃない……あの時の俺たちは、きっとそういう運命だったんだ。俺があまりにも天狗になって調子に乗ってたから、お前少しは懲りろって、ナターリアじゃない別の何かの力に、きっと罰くらったんだよ。あんな化け物に……二度と堕ちるもんか」
「リオ……」
 リオはあの時の傷を少しずつ受け入れて、ずっと頑張っているんだ。
 それは一度の失敗から、自暴自棄になって自分を堕としてしまうよりも、ずっと難しいこと。
 でも……だからこそ、私は彼をそばで支えたいと思う。
(たまに喧嘩はするだろうけども)

「俺もあん時から少しは変われたのかなぁ……どうかな。自分じゃよくわかんねぇな」
「リオは変わってきたよ。少しずつだけど確実に……そこは私が保証する!」
「サンキュー……はぁー……つい脱線しちまったな」
「はは……あっっ……」
 リオは私の入口に硬くなったものを、グリグリと押し当ててきた。
「こっからが本番……だからな?」
「ひゃ……あ……」
(リオのがどんどん中に……入ってきてる……)
 私の中はリオの形に馴染んできているのか、すぐに彼を受け入れるようになってきた。
 最初は違和感の方が多かったのに、今はもう……挿れられただけで、体が勝手に何かを期待している。
 このまま私は、リオとの快楽の沼に深く溺れていった。
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