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共和国長旅フラグ破壊

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「時が来た時に開くと言われる古の箱だ。暦が始まる前から存在しており、選ばれしものしか開けぬという曰くがある。この短期間に数々の偉業を成し遂げた貴公なら開けるという確信がある。受け取るが良い」

「なんと美しい箱だ!」「暦よりも前のアーティファクトなど、どれだけの価値があるというのだ!」「モンスターを倒した褒美には過剰すぎるのでは!」

 他の貴族が骨董品としての価値が云々している皇帝から与えられた箱に既視感を感じる。
 薄汚れていたあの箱とは見た目は雲泥の差があるが、サイズ感とシルエット的に同じだ。

「ありがたき幸せ」
 
 ーーー

「オートマタ〈タイプホムンクルス〉識別コード6689号機起動しました」

 案の定、箱の中身はオートマタだった。
 しかも前と見た目が全く同じゴスロリ女だ。
 デマキがまた一体増えた。

「「マスター、よかったですね。私が増えましたよ」」

 洗脳をしようとしてるのか、左右から一斉に同じ言葉を語りかけてくる。

「左右で喧しい。右のお前は暗黒平原、左のお前は辺境伯領に向かえ。俺はこれから共和国の連中と合流する」

「「承知しました、マスター」」

 ーーー

 軍の宿舎から離れ、皇都の門前に向かうとちょうど共和国の馬車が進んでくるのが見えた。

「タイミングよく集まることができましたね。では行きましょうか、カスタへ」

 至近まで近づくとハイザが馬車の窓から身を乗り出して、そう告げた。

「ええ、ですが気をつけてください。皇都周辺には転移させてくる危険なモンスターがいます」

「そんな危険なモンスターが……」

 転移させるためのお膳立てをすると、門を潜った瞬間にデマキによって転移が発動する。

「い、一瞬で共和国に!」「なんと恐ろしい生物が皇都周辺にはいるのだ!」

「モンスターに転移されましたが、一瞬で共和国につけたのは僥倖ですな。報奨授与式は今すぐできますか?」

 転移をしたことに対して付き合うのも茶番なので、授与式に移るように促す。

「ええ、可能ですが。すいません、周りへの布告がまだで。少々お待ち下さい」

 ハイザは付人と外に出ると、ダッシュして近くにある大きめの建物の中に入っていた。
 まだ準備を完了していないようだが、予定を早めるために尽力してくれるようだ。

 

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