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皇族抹殺フラグ破壊
しおりを挟む「やめて! やめて! お願い!」
「ガキはよく泣き叫ぶからなこれだから堪らねえぜ! 逃げんじゃねえ! いっぱい可愛がってやるよ!」
「相変わらずいい趣味ですな。子供を拷問するのはそんなに楽しいなんて。私も後で試してみましょうか。シーザー団長、やるのは指切り落とすところまでにしておいてくださいよ。それ以上になると私の白魔法でも回復出来ませんから」
「へへ、わかってるよ。大事な商品だからそこまでしねえよ。イノケンティウス」
暗黒平原にある盗賊団の隠れ家の中。
卑しい笑顔を浮かべながら眼帯の男が足枷のついた少女に乱暴しようと近づいていくのを、近隣の村から略奪した金目のものを手に取り整理する部下たちの傍らで、メガネの男が帳簿をつけながら見ていた。
ーーー
猫耳少女に俺の領地での法や、職業を紹介したが、やはり自分が行くべき道を1日で選ぶということは無理だったので母上たちに、彼女を任せて、暗黒平原に来ていた。
俺と同じくらいの年頃の子で、本来ならば何かの選択をするような年頃の子じゃないのでしょうがないだろう。
うちは領民への税の取り立てを軽くしているため没落貴族と揶揄されているが、子供一人をしばらく養うくらいの余裕はある。
『マスター。マスターの母上ですが、私の魔力照合の結果、皇族の血の繋がりがあることがわかりました。マスターには皇位の継承権があります。マスター以外の全ての皇族を抹殺し、私と千年王国を作りませんか。そうすれば、潤沢な資源を使い、不老長寿の術を確立し、マスターの存在を永久保存することができます』
「ふざけろ。母上の赤髪、赤目から皇族であることにはとっくの昔に気づいている。俺は行動が制限されるだけの玉座には興味はないし、不老不死も必要ない」
『マスターの存在の損失は私にとって重大な問題です。マスターが死んでしまえば、私はまた長い間暗い場所で何千年も待ち続けることになります。だからマスターは私と共に永遠に共にいなければならないんです。最悪人類が滅んだとしても、マスターさえいれば問題ありません』
コイツ、重いな。
前世で一時期流行ったヤンデレ彼女を彷彿とさせる。
「諦めろ、俺は永劫に生きるなど退屈そうでごめんだ。死ぬ時になったら、信頼できるやつにお前のことは託すよ」
『私の魔核がマスターほど優秀な操縦者は2度と現れないと演算しています。マスターだからこそ完璧な私と共に永遠の時を生きるべきなのです』
「そこまで言うなら俺を巻き込まない範囲で不老不死は勝手にしろ」
『承知しました。独自に不老不死の術について調査します』
デマキに提案に渋々妥協案を出すと、デマキのモニターから洞穴の中に元王国騎士の頭目だろう一つ大きな魔力波と子分だろう小さな魔力波が複数出ていることが見えた。
「あそこが精霊鎧を持ってるという噂の盗賊団のアジトか」
洞窟の大きさ的に鎧がギリギリ入れるくらいなのでそのままデマキに乗ったままアジトに入っていく。
「邪魔だ。どけ」
すると丸腰の盗賊たちが金物を物色して邪魔だったので、デマキを魔導回路を通さずに風魔法を発動して、道を開けさせると共に壁に叩きつけて無力化する。
「チ! 鎧かよ!」
「私は避難させていただきます!」
少女に拳を振り下ろそうとしていた眼帯の男ーー魔力波から頭目と思われる男がこちらを見上げ忌々しそうな顔をすると、メガネの男が逃げようとし始めた。
「な、なぜだ!!」
逃げられても後から探すのが大変なので、先にメガネの男を風魔法で手下と同じように処理すると、苦悶の声をあげて気絶した。
『へへへ、舐めた真似しやがって、お仕置きが必要みてえだなあ』
次に頭目の男を無力化しようと思うと、近くの白と青を基調にした鎧ーー精霊鎧が動き出した。
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