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①初めての
しおりを挟む小林拓也の日課は愛する及川紗奈を見守ることである。学校内は勿論、夜に至るまで彼は彼女を見守っていた。夜は通学鞄に忍ばせておいた盗聴器を使って彼女を見守っており、今日も彼はイヤホンを装着する。
『お、お母さん。眠ったよね……?』
独り言を零した沙奈の、不安そうな、しかしどこか期待しているような声色。一体彼女は何をするのだろう。期待に弾む拓也の胸。イヤホンから流れる音を聴き逃すまいと、拓也は耳を澄ました。
ぎしり、とベッドの軋む音が聞こえる。沙奈がベッドに横になったのだろうか。それから、服の擦れるような音。ああ、彼女の部屋にカメラを仕込めたらどれほど良かったか。もどかしさに拓也は唇を噛む。
『んっ』
沙奈の声がイヤホン越しに拓也の鼓膜を撫でる。
『っは、はあ……ふっ……』
押し殺した声と、くちゅくちゅという卑猥な水音がイヤホン越しに拓也の鼓膜を揺らす。ドクンと心臓が大きく跳ねた。これは、もしかして。及川沙奈が、オナニーをしている?そう考えると、ブワッと顔に、下半身に熱が集まるのを感じた。
「さ……さな、ちゃん?」
『んん……、ふう、んっ……』
「オナニー、してるの?」
『あん、ふぁ……っ』
拓也は盗聴しているのであり、返答は当然ながら無かった。しかし、彼女が出す卑猥な水音が何よりの証拠であるように思えた。
『っん……』
少しばかり人見知りな彼女がひかえめな嬌声を漏らしている。それは拓也が想像していたよりもずっと甘く、彼の鼓膜を誘うように揺らす。彼はズボンをずらし、熱を持ち天を向く陰茎を握る。いつもよりも硬度を増したそれは、彼女の秘部に入りたいと既に涎を垂らしていた。
「さなちゃん、エロすぎ……」
はあ、と湿度の高い息を吐き出して、拓也は陰茎を扱く。沙奈の嬌声は、彼が普段オカズにしている彼女の写真よりもずっと甘美で刺激的だ。
「ふ、ふう、さな、ちゃ……!すき、すきい……!」
『ぁ、あん、ふ、あぁ……っ』
こうして一緒に自慰していると、まるでセックスをしているようだ。拓也は妄想に耽る。
沙奈ちゃんの胸は発育が良くて、僕が彼女のナカにおちんちんを入れたら、その衝撃でぶるんと震えてしまうだろう。僕が思い切り腰を打ち付けたら、胸を震わせながら、甘い声でえっちな声を出すんだ。ピンク色の乳首をちゅぱちゅぱ舐めると、おまんこをきゅうきゅうさせて、僕の精液を絞り出そうとする。なんて、なんてえっちな身体なんだ……。
『あ、ぁ、あ……っ♡』
「はあ、はあ……さなちゃん、もうイっちゃう?ぼくも、イきそ……っ」
『あ、あぁ―――っ♡』
「っ、う……!」
拓也はティッシュの中に欲を吐き出す。重く気だるげで、しかし甘い余韻に浸っている拓也の耳に、沙奈の甘い吐息が響く。
『はあ、はあ……。うう、初めてなのにイっちゃった……』
罪悪感を孕んだ声はとても可愛らしく、拓也はにやにやと口元を緩ませてしまう。
『やだ、あそこがべたべた……洗わなきゃ』
ぱたぱたと足音が聞こえて、部屋に静寂が訪れる。沙奈はシャワーを浴びているのだろう。沙奈のシャワーシーンを妄想すると、再び身体の中心が熱を帯び始める。自身の欲深さに苦笑しながら、拓也は彼女の嬌声を反芻させながら自慰に耽るのだった。
つづく
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