【完結】「癒やしの力を持つ聖女は王太子に嵌められ民衆の恨みを買い処刑され時を巻き戻る〜二度目の人生は誰も救いません」

【完結済み】
「大逆罪人リート・レーベンは聞け! 貴様は養父バルデマー・レーベン公爵と結託し、人頭税を払えない子供達を奴隷商人に売り払い多額の金銭を得た! その罪まことに許しがたい!」

王太子殿下が淡々と私と養父の罪状を読み上げていく。 

「聖女の癒やしの力を使い貧しい子供達の病や怪我を治療したのは、子供達の健康状態を良好にすることで少しでも高く売る為だったことはすでに調べがついている!!」

私が癒やした子供達が奴隷として売られていたなんて知らなかった。

「また両名は隣国との間に戦争の火種を作り、わざと戦争を起こし我が国に多大な損失を与えた!」

王太子が謂れのない罪状を次々に述べていく。

「戦争を起こし兵士の傷を癒やせば、己の聖女としての地位が向上すると考えたのだろう、なんと浅ましい計画だ! そんなことの為に戦争を引き起こすなど悪魔の所業! 貴様に治療された兵士は何度も何度も戦場に送られ廃人と化した! 貴様達の犯した罪は万死に値する!」

広場に集まった民衆から罵声を浴びせられ、石を投げつけられた。

「罪人リート・レーベンの罪は明白、よってリート・レーベンを極刑に処す!」

全て国王と王太子の命じられてしたこと。私も養父も戦争なんて起こしてない、子供達を奴隷商人に売ったりしていない。

だが私の訴えは届かず、私は養父と共に首を刎ねられた。

もし人生をやり直せるなら……私はもう誰も癒やさない、聖女の力を隠して生きて生く。

処刑されたはずの私は十四歳の誕生日、聖女の力を得た日までタイムリープしていた。

逆行した聖女は生まれ育った村を出て隣国に渡りひっそりと暮らす、王太子はいるはずのない聖女を探し破滅していく。

全11話、約2万文字、完結済み。

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