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六十九話「エバー・アフター」最終話
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白樺の森を春の風が通り過ぎていく。
五月、ボクと兄上は白樺の森の下でのどかに過ごしていた。
レーア様の形見のオルゴールの音が耳に心地よい。
「…………それからお姫様は王子様と幸せに暮らしました」
ヴォルフリック兄上はボクの膝を枕に横になっている。物語を聞く兄上の顔はとても穏やかだ。
「もう一度読んでくれ」
「ヴォルフリック兄上はこのお話がお好きですね」
ティオ兄上が記憶を頼りに書いてくださった絵本。
今日だけでも読むのは三回目だ。
「ハッピーエンドは好きだ」
「ボクもです」
兄上がボクの首に手を回す。
ボクは頭を下げヴォルフリック兄上の唇に口づけた。
唇を離すと銀の糸が引いた。
「……したい」
ヴォルフリック兄上がボクの太ももをなでる。腰がピクピクと震える。
「まだ、昼間ですよヴォルフリック兄上」
ヴォルフリック兄上の手をつかみねめつける。とは言ったもののボクもやぶさかではない。
「せめて屋敷に帰るまで我慢してください」
「わかった、ではすぐに帰ろう」
ヴォルフリック兄上が僕をお姫様だっこし、白馬に乗せる。今日は二人でこの馬に乗り白樺の森まで来た。
「ヴォルフリック兄上、オルゴールと絵本を忘れてはだめですよ」
ヴォルフリック兄上がカバンにオルゴールと絵本をつめ、戻ってくる。
兄上が馬の背にのり、ボクを後ろから抱きしめる。
「朝までしたい、だめか?」
「だめです」
先日も兄上と朝までエッチをしていて、夕方までベッドから起きられなかった。休んでばかりいいては、侯爵領の民に申し訳ない。
ヴォルフリック兄上が首筋にキスを落とす。背筋がぞくりとする。
「どうしてもだめか?」
色っぽい声で耳もとでささやかれ、理性がぐらりと揺れる。
「きょ、今日だけですからね」
「わかった」
ヴォルフリック兄上がくすりと笑う。
また流されてしまった。ああもう今日で何度目だろう、煩悩に負けヴォルフリック兄上の誘いに乗ってしまったのは。
「急いで屋敷に戻ろう」
「はい」
ボクたちは屋敷に帰り、激しく愛し合った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
本編はここで終了です。
ご愛読ありがとうございました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「第七回なろうデスゲーム」の商品として、Jam様にエアネスとヴォルフリックのイラストを描いていただきました。このページに書いてある服のイメージて描いていただきました。Jam様ありがとうございます!2023/05/09
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