上 下
65 / 83

六十五話「帰り道」

しおりを挟む

魔王を倒したボクたちは、囚われていたワルフリート兄上とティオ兄上を救出。

回復ポイントに待たせておいた、白馬と黒馬と合流した。

ボクとヴォルフリック兄上が白い馬に、ワルフリート兄上とティオ兄上が黒い馬に二人で乗った。

ボクが馬の前に乗り、ヴォルフリック兄上が後ろに乗る。

黒い馬にはワルフリート兄上が前に乗り、ティオ兄上が後ろに乗った。

馬は前の方が揺れが少ないので、馬に慣れてない方が前に乗る。

ボクは馬に慣れてるけど、ヴォルフリック兄上の気づかいが嬉しい。兄上に後ろからぎゅっと抱きしめられるのも心地良い。

ヴォルフリック兄上と体を密着させていると、情事を思い出してしまう。

後ろから抱きしめられヴォルフリック兄上の吐息が時折耳にかかる。馬の背が揺れるたびに兄上のものが背中に当たる。兄上との背面座位を思い出し、顔に熱が集まる。さすがに今は兄上の物は立ってはいないけど。

回復ポイントで体を繋げて以来、兄上とセックスしてない。お城に帰ったらヴォルフリック兄上といっぱいエッチしたいな。

ヴォルフリックに背面座位で奥を突いてほしい……って、ワルフリート兄上とティオ兄上がすぐ近くにいるのに、何を考えているんだボクは!

いやらしい事を想像して顔がゆるんでなかったかだろうか? チラリと隣を歩く黒い馬を見る。

ワルフリート兄上が獲物を狩るような目でボクを見ていた。背筋がブルリと震える。ワルフリート兄上に上から下までなめるように見られて、気持ちが悪くなる。

ヴォルフリック兄上にギロリと睨まれ、ワルフリート兄上が青い顔で視線を逸らした。

ティオ兄上が「やれやれ」とつぶやき、首を横に振る。

ワルフリートと兄上をティオ兄上を檻(おり)から出すとき、ヴォルフリック兄上に「ワルフリートとティオには近づくな! 特にワルフリートには気をつけろ! 絶対に二人きりになるな!」と注意された事を思い出す。

ボクも今のワルフリート兄上には近づきたくない。


◇◇◇◇◇
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完】ラスボス(予定)に転生しましたが、家を出て幸せになります

ナナメ(近況ボードお知らせあり)
BL
 8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。  家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。  思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!  魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。 ※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。 ※表紙はAI作成です

俺の穏やかなスローライフを荒らすのはやめてくれ

水場奨
BL
豊富な魔力を得るだろうと期待されていた俺。ところが儀式で得た魔力の圧に勝てず前世で大人だった記憶を思い出してしまった。結果、インドア派になった俺は村の役立たずに。 だけど考えてみ? 会社にも行かなくてよくてご近所とも付き合わなくていい。 のんびりまったり生きていくのも案外気楽だ……って思ってたのに! なぜだかかなり病んでるスーパー幼馴染に脅されています。誰か助けて!!

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

涙は流さないで

水場奨
BL
仕事をしようとドアを開けたら、婚約者が俺の天敵とイタしておるのですが……! もう俺のことは要らないんだよな?と思っていたのに、なんで追いかけてくるんですか!

【完結】侯爵家令息のハーレムなのに男しかいないのはおかしい

みやこ嬢
BL
【2020年12月20日完結、全69話、小話9話】 アデルは王国を裏で牛耳るヴィクランド侯爵家の跡取り息子。次世代の人脈作りを目標に掲げて貴族学院に入学するが、どうもおかしい。 寄ってくるのは男だけ! 女の子は何故か近付いてこない!! それでも将来のためと信じて地道に周囲との親交を深めて籠絡していく。 憧れの騎士団長との閨のレッスン。 女性が苦手な気弱同級生からの依存。 家族愛を欲する同級生からの偏愛。 承認欲求に飢えた同級生からの執着。 謎多き同級生との秘密の逢瀬。 これは、侯爵家令息アデルの成長と苦難の物語。 あやしい話にはタイトルの横に*を付けてます

やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。 短編用に登場人物紹介を追加します。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ あらすじ 前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。 20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。 そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。 普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。 そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか?? ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。 前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。 文章能力が低いので読みにくかったらすみません。 ※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました! 本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!

攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました

白兪
BL
前世で妹がプレイしていた乙女ゲーム「君とユニバース」に転生してしまったアース。 攻略対象者ってことはイケメンだし将来も安泰じゃん!と喜ぶが、アースは人気最下位キャラ。あんまりパッとするところがないアースだが、気がついたら王太子の婚約者になっていた…。 なんとか友達に戻ろうとする主人公と離そうとしない激甘王太子の攻防はいかに!? ゆっくり書き進めていこうと思います。拙い文章ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...