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五十九話「霧の道」
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エアネスト視点
◇◇◇◇◇
僕は白馬に兄上は黒馬にまたがり、霧の中を進んでいた。途中いくつかの別れ道があったが、馬たちは道を知っているようで迷わずに進んでいく。
ヴォルフリック兄上が「これがシュトラールが言っていた、魔王城への近道か」とつぶやく。
おそらくシュトラール様にいただいたルーン文字Mから生まれた馬がいなければ、たどりつけないのだろう。
やがて霧が晴れ、漆黒の城が現れた。コウモリに似たモンスターが城の周りを飛び交う。禍々しいオーラを放つ巨大な城。暗雲が立ち込め、ときおり稲妻が光る。
ゲーム本編と設定資料で見たことがあるから間違いない、あれが魔王城だ。
ゲームでは崖を越えるとか、海を渡る、イベントをクリアするとか、アイテムを集めるとかいろいろあった。いろんな手順や道順をすっ飛ばして、魔王が住まう城まで来てしまった。
ここに来て僕は重大なことに気づいた!
僕のレベルが1で、装備が布の服だということに……。
死ぬ! 光魔法が使えても、レベル1で、装備が布の服で、武器が初期装備のロングソードでは死んでしまう!
戻ろうにも、霧の道は消えていた。白馬と黒馬に道を聞こうにも、馬たちは道草を食べている。魔王城の近くに生えてる草なんか食べて大丈夫かな? お腹壊さない?
仕方なく馬から降りる。
「怖いか?」
震えるボクの腰にヴォルフリック兄上が手を回す。昨日までしていた行為を思い出し、顔に熱が集まる。
抱かれたい。ヴォルフリック兄上の男根を想像してしまい、お尻がキュンとうずく。兄上の男根がほしい。だけど今はそんなことをしている場合ではない!
ここは魔王城の近くなのだ! 気を引き締めなくては!
「怖いです、でも逃げません!」
魔王城にはワルフリート兄上と、ティオ兄上が囚われている。ここまで来て逃げ出すわけにはいかない。兄上たちを助け出さなければ!
ワルフリート兄上とティオ兄上の名を口にすると、ヴォルフリック兄上が不機嫌になるから黙っていよう。
「ボク一人では心細くて泣いていたかもしれません。でもヴォルフリック兄上が一緒にいてくださるから、平気です」
兄上を見上げニコリと笑い、抱きつく。
「あおるな、我慢しているんだ」
「えっ?」
ヴォルフリック兄上もエッチなことしたいのかな? でもここは魔王城の近くだし、モンスターも出るし、宿屋もないし……。
「案ずるな、魔王がどこで監視しているか分からぬ場所で、お前を辱めたりしない」
安心したような、すごく残念なような。
昨日まで兄上と毎日セックスしてたからか、ボクはみだらな体になってしまったようだ。ヴォルフリック兄上の陰茎がほしい。
魔王を討伐し、ワルフリート兄上とティオ兄上を助け出したら、ヴォルフリック兄上といっぱい性行為したい。
この世界がゲームと同じなら魔力と体力を回復できるポイントと、レアアイテムが入った宝箱があるはずだ。
レアなアイテムを落とすモンスターや、経験値がお得なモンスターもいる。
まずは回復ポイントを見つけ、そこを拠点にレベルを上げよう。
◇◇◇◇◇
「光の矢!」
無数の光の矢が敵の体を貫く。
ヴォルフリック兄上がバスタードソードでモンスターを斬り、ボクが光魔法で援護する。
回復ポイントはゲームと同じ場所にあった。大きな魔法陣があり、そこを中心に清らかな気が流れ、モンスターが出現しない。HPとMPが一瞬で回復する。
ラスボス戦前のレベル上げポイントである。
ボクとヴォルフリック兄上も回復ポイントを拠点に、モンスター狩りをしている。
MPを気にしなくていいので、光魔法を連発できる。おかげでレベルもだいぶ上がった。
ゲームと同じ場所に配置されていた宝箱や、モンスターがドロップしたアイテムを回収し、勇者:レベル1、装備:布の服、武器:初期装備、というしょっぱい状態は回避された。
ボクが装備しているのは光の剣。最強の武器聖剣に次ぐ攻撃力を持つ剣だ。
光の服というそこそこ守備力の高い装備も手に入った。
あとは守備力が高いけどHPが少なくて経験値がたくさんもらえる敵を、集中的に狩るだけだ。
◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇
僕は白馬に兄上は黒馬にまたがり、霧の中を進んでいた。途中いくつかの別れ道があったが、馬たちは道を知っているようで迷わずに進んでいく。
ヴォルフリック兄上が「これがシュトラールが言っていた、魔王城への近道か」とつぶやく。
おそらくシュトラール様にいただいたルーン文字Mから生まれた馬がいなければ、たどりつけないのだろう。
やがて霧が晴れ、漆黒の城が現れた。コウモリに似たモンスターが城の周りを飛び交う。禍々しいオーラを放つ巨大な城。暗雲が立ち込め、ときおり稲妻が光る。
ゲーム本編と設定資料で見たことがあるから間違いない、あれが魔王城だ。
ゲームでは崖を越えるとか、海を渡る、イベントをクリアするとか、アイテムを集めるとかいろいろあった。いろんな手順や道順をすっ飛ばして、魔王が住まう城まで来てしまった。
ここに来て僕は重大なことに気づいた!
僕のレベルが1で、装備が布の服だということに……。
死ぬ! 光魔法が使えても、レベル1で、装備が布の服で、武器が初期装備のロングソードでは死んでしまう!
戻ろうにも、霧の道は消えていた。白馬と黒馬に道を聞こうにも、馬たちは道草を食べている。魔王城の近くに生えてる草なんか食べて大丈夫かな? お腹壊さない?
仕方なく馬から降りる。
「怖いか?」
震えるボクの腰にヴォルフリック兄上が手を回す。昨日までしていた行為を思い出し、顔に熱が集まる。
抱かれたい。ヴォルフリック兄上の男根を想像してしまい、お尻がキュンとうずく。兄上の男根がほしい。だけど今はそんなことをしている場合ではない!
ここは魔王城の近くなのだ! 気を引き締めなくては!
「怖いです、でも逃げません!」
魔王城にはワルフリート兄上と、ティオ兄上が囚われている。ここまで来て逃げ出すわけにはいかない。兄上たちを助け出さなければ!
ワルフリート兄上とティオ兄上の名を口にすると、ヴォルフリック兄上が不機嫌になるから黙っていよう。
「ボク一人では心細くて泣いていたかもしれません。でもヴォルフリック兄上が一緒にいてくださるから、平気です」
兄上を見上げニコリと笑い、抱きつく。
「あおるな、我慢しているんだ」
「えっ?」
ヴォルフリック兄上もエッチなことしたいのかな? でもここは魔王城の近くだし、モンスターも出るし、宿屋もないし……。
「案ずるな、魔王がどこで監視しているか分からぬ場所で、お前を辱めたりしない」
安心したような、すごく残念なような。
昨日まで兄上と毎日セックスしてたからか、ボクはみだらな体になってしまったようだ。ヴォルフリック兄上の陰茎がほしい。
魔王を討伐し、ワルフリート兄上とティオ兄上を助け出したら、ヴォルフリック兄上といっぱい性行為したい。
この世界がゲームと同じなら魔力と体力を回復できるポイントと、レアアイテムが入った宝箱があるはずだ。
レアなアイテムを落とすモンスターや、経験値がお得なモンスターもいる。
まずは回復ポイントを見つけ、そこを拠点にレベルを上げよう。
◇◇◇◇◇
「光の矢!」
無数の光の矢が敵の体を貫く。
ヴォルフリック兄上がバスタードソードでモンスターを斬り、ボクが光魔法で援護する。
回復ポイントはゲームと同じ場所にあった。大きな魔法陣があり、そこを中心に清らかな気が流れ、モンスターが出現しない。HPとMPが一瞬で回復する。
ラスボス戦前のレベル上げポイントである。
ボクとヴォルフリック兄上も回復ポイントを拠点に、モンスター狩りをしている。
MPを気にしなくていいので、光魔法を連発できる。おかげでレベルもだいぶ上がった。
ゲームと同じ場所に配置されていた宝箱や、モンスターがドロップしたアイテムを回収し、勇者:レベル1、装備:布の服、武器:初期装備、というしょっぱい状態は回避された。
ボクが装備しているのは光の剣。最強の武器聖剣に次ぐ攻撃力を持つ剣だ。
光の服というそこそこ守備力の高い装備も手に入った。
あとは守備力が高いけどHPが少なくて経験値がたくさんもらえる敵を、集中的に狩るだけだ。
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