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第一章

78話「北の森、ドラゴンとの対面」ミハエル・サイド・番外編(ざまぁ) 

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(学園でデリカと出来ていた変態教師の話です)



――ミハエル・サイド――



ハルトやリーゼロッテが王宮で王と対面していたとき、北の森では……。






デリカとリーゼロッテの答案をすり替えていれば、成績の悪いリーゼロッテは王太子から疎まれ婚約を破棄される。

王太子に婚約を破棄されたリーゼロッテは傷物。

私は傷物になったリーゼロッテに優しく寄り添い、リーゼロッテの心を手に入れる手はずだった!

だがリーゼロッテは王命で王兄に嫁がされてしまった!

「王太子に婚約破棄されたリーゼロッテは、王兄に嫁いでしまった。

ならば王兄の屋敷に忍び込み、リーゼロッテを誘拐すればいい。

幸い王兄の屋敷は警備は手薄!

可愛そうなリーゼロッテ、倍以上年の離れた女好きの王兄の元に嫁がされ、悲しみにくれていることだろう」

女好きの王兄のこと、初夜にリーゼロッテを毒牙にかけたに違いない。
 
リーゼロッテの処女は王兄に奪われてしまったが、私はそんなことでは諦めない!

女好きな王兄のことだ、リーゼロッテの処女を奪ったあとは、飽きて放置しているに違いない!

きっと今ごろリーゼロッテは、王兄の屋敷にいる年増の愛人たちにいびられ、辛い思いをしているだろう。

そう私は、不幸な目に遭い、涙にくれているリーゼロッテを救いに来たヒーローなのだ!」

リーゼロッテを王兄の屋敷から救出したら、すぐに他国に逃げよう!

リーゼロッテが生娘でなくなってしまったことはショックだが、それでも私のリーゼロッテへの愛は変わらない。

王兄の愛人にいびられ、傷ついているリーゼロッテを王兄の屋敷から救出し、彼女の心の傷を癒やす!
 
救出したリーゼロッテは私に抱きつき、
『ミハエル先生、助けに来てくれてありがとう! 大好き!』
と言って私に口づけしてくれるに違いない!

「リーゼロッテの心を私の存在で埋め尽くしてみせる! 待っていろよリーゼロッテーー!! うわぁ……!」

足元を変な獣が走り去って行った。

考え事をしていたせいで避けそこね、転んでしまった。

ん? よく見ればあれば耳赤目赤みみあかめあかキツネザルでは!?

あっちの木にいるのは耳九層鼻九層みみくそうはなくそうリス! 向こうの茂みには手赤足赤てあかあしあかウサギ!!

どれも絶滅危惧種じゃないか! 

なぜ絶滅危惧種が北の森なんかに生息しているんだ?!

「こいつらを捕まえて闇で売れば、いい金になりそうだ。

悪く思うなよ動物たち。リーゼロッテとの新生活のための資金にさせてもらうぞ」 

まずはスリープの魔法であいつらを眠らせて……。

魔法陣を作ろうとしたとき、
ズシンズシン……!
という地響きがし動物たちが逃げてしまった。

「ああーー! 待ってくれ!!
耳赤目赤みみあかめあかキツネザル!! 
耳九層鼻九層みみくそうはなくそうリス!!
手赤足赤てあかあしあかウサギ!!」

私とリーゼロッテの新婚生活の資金がーー!

「くっそー! 誰だ地響きを立てたのは! 金の卵を逃したんだ! 二発、三発、魔法弾を食らわせてやらなければ気がすまない! 

いや待てよ……耳赤目赤みみあかめあかキツネザルなんかより珍しい動物が近づいてきたのかもしれない。

まずは体の表面を傷つけないようにスリープの魔法をかけて様子を見て、それから……」

だがこのあと私は、このとき動物たちと一緒に逃げていればよかったと後悔することになる。

【こっちの方から人の声が聞こえたバーン】

【動物たちを捕えて売ると言ってたロス】

【きっとこの森に住む動物を狙う密猟者だサン。シャイン様が密猟者がきたら容赦なくやってしまえ言ってたサン】

【では遠慮なく血祭りにしましょうムート】

「ワ、ワイバーンに、ウロボロスに、リヴァイアサンに、バハムート……!!」

た、確かに耳赤目赤みみあかめあかキツネザルなどより遥かに珍しい生き物が出てきた。

だが高位のドラゴン四体が出てくるなんて想定外だ!!

複数のドラゴンを一人で相手にするなんて無理だ!

狩る前にこっちが、狩られてしまう!

「逃げよう! ……うぎゃぁ!!」

踵を返して逃げようとしたとき、背中に衝撃が走った。

気がつけばウロボロスの巨大な足に踏み潰されていた。

【煮ようかバーン?】

【焼こうかムート?】

【氷漬けにするのも面白そうだサン】

【三枚に下ろすのはどうだロス?】

四体の竜が私をどう料理するか話している。

私の体から血の気が引いていく。

死ぬ、確実に死ぬ……! 私の人生は今日で終わった……!

すまない、リーゼロッテ! 君を助けに行けそうにない!

だが肉体を失っても私の愛は消えない!

あの世で会おう!







ミハエルはウロボロスに三枚に下ろされ、魂を取り出され、魂は魔界の悪魔に売られた。



☆☆☆☆☆



※ケツァルコアトルのトルくんは屋敷でお留守番。


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