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第一章

25話「リーゼロッテの告白??」

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「ハルト様は私の王都での悪い噂を聞いていても、噂を真に受けず、本当の私を見てくださいました。

シャインさんは温かいお茶を淹れてくださり、美味しいお菓子を作ってくださいました。

魔女様は特製の入浴剤とシャンプーとトリートメントと石けんを貸してくださり、私の髪をとかし、メイクを施し、着替えを手伝ってくださいました。

私、こんなに人に優しくしてもらったの初めてなんです。だから私も皆様のお役に立ちたい!」

親切にしてくださった皆様に恩返しがしたい。

「ハルト様の呪いを解くお手伝いをさせてください! 私に出来る事なら何でもします!」

私の言葉を聞いたハルト様の体が真っ赤に染まり、音を立てて爆発した。

「だ、大丈夫ですか?! ハルト様!」

「リーゼロッテ様、ハルト様はうぶなのです。言動にはお気をつけてください」

ハルト様を解放していたシャインさんに、叱られてしまいました。

「すみません」

「気にすることないわよリーゼロッテ。四十過ぎの男がこんなにピュアだなんて、誰も想定できないわ。それにしても『私に出来る事なら何でもします!』なんて、愛がなければ言えないわ。やるじゃないハルト、ヒューヒュー」

魔女様が口笛を吹いた。

「からかうなよアダルギーサ。リーゼロッテがそういう意味で言ったんじゃないのは、君も分かっているだろう?」

回復したハルト様が、何事もなかったように立ち上がった。

「えっと? 私、何か変なこといいましたか?」

「失礼ながらリーゼロッテ様。先ほどの言い方ですと、リーゼロッテ様がハルト様の【真実の愛】のお相手に立候補したように聞こえます」

シャインさんが苦笑いを浮かべる。

「えっ?」

「アタシにもそう聞こえたわ」

「ええっ?!」

魔女様の真っ赤な口紅のついた唇が弧を描く。

「……ち、違うんです! そういう意味で言ったのではなく……! あのっ! えっと……ハルト様、先ほどの言葉は……!」

ハルト様の【真実の愛】の相手に、私ごときが立候補するなんておこがましい!

「大丈夫だよリーゼロッテ。君がそういう意味で言ったんじゃないってちゃんと分かってるから……。気にしないで」

そう言ったハルト様の顔は、どこか寂しげでした。

「残念、リーゼロッテならハルトにかけられた呪いを解けると思ったのに……」

魔女様の呟きは誰の耳にも届くことはなかった。



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