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13話「自業自得」エマ(妹)視点・ざまぁ回

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――エマ(妹)視点――



「王太子殿下、アダリズの部屋から宝石とアクセサリーが見つかりました」

応接室の扉が開き兵士が入ってきた、手には宝石やアクセサリーが握られていた。

それは昨夜私がお姉様の部屋に隠したものだった。

「宝石商の描いた絵柄と一致している、念のために聞くがこれは公爵夫妻がアダリズに買い与えた物か?」

「いいえ違います、わしはそんな高価な宝石やアクセサリーをアダリズに買い与えたことはありません」

「私も、そんな高価な宝石やアクセサリーを買えるだけのお小遣いをアダリズに渡しておりませんわ」

「宝石商からアダリズに売ったと証言は取れている、宝石を買う資金を公爵夫妻が出していないとなると、貴様が横領した金で宝石を買ったことは明白! 衛兵、アダリズを捉えろ!」

デレック様の命に従った衛兵が私を拘束した。

「いやっ! 離して! それはデレック様が私にくださった物です!」

私は兵士に床に押さえつけられながら叫んだ、こうなったらデレック様も道連れにしてやるわ!

「愚かなことを抜かすな、今だから言うが私は昔からアダリズのことが嫌いだった。亡きお祖母様の顔を立てて今日まで婚約関係を維持していたに過ぎない。そんな相手に横領をしてまで高価な宝石を贈るわけがない!」

デレック様の言い分はもっともだった、ぶさいくなお姉様に横領をしてまで高価な贈り物をする人はいない。

「違います! デレック様は私に……エマにプレゼントしてくれたんです!」

「それこそ意味が分からない、エマ殿は婚約者の妹でしかない、なぜ婚約者の妹に高価な宝石を贈る?」

デレック様は鼻で笑った。

「そんな酷い……! 私と何度も二人きりで会ったじゃないですか! 愛してるって何度も言ってくれたのに!」

「アダリズ、貴様は曲がりなりにも婚約者だったのだ、頻繁に会うこともあるし、二人きりになることもある、気難しい婚約者の機嫌を取るために社交辞令で『愛してる』とささやくこともあった、貴様は亡き王太后様が選んだ婚約者だったからな。アダリズ、貴様は貴様を王太子の婚約者に選んだ亡き王太后様の顔に泥を塗ったのだぞ! 分かっているのか!」

「違います! デレック様が会っていたのはアダリズお姉様ではなくて、私……エマで……」

「意味が分からないことを喚き散らし、罪のないエマ殿を巻き込もうとするな! 衛兵、アダリズを縛り上げろ!」

デレック様の命を受けた兵士が私の体を縄で縛った、縄が体にめり込んで痛い。

「止めて! 私はエマよ! 助けてデレック様!!」

「こいつの声を聞きたくない、口をふさげ!」

デレック様の命を受けた兵士が私に猿轡さるぐつわをした。

「んーー! んんーー!」

私は助けてと叫んだが声にならなかった。

そのとき応接室の扉が開いた。

「往生際が悪いですわよ、

応接室に入ってきたのは、ブロンドの髪に青い目の美しい少女だった。

あれは私……? どうして私がそこにいるの……!


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