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二十一話「僕と兄様の公然の関係③」

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兄様に昼も夜もなく激しく抱かれた、そして三カ月が過ぎた。

僕を塔に閉じ込めている間、兄様の白濁液は全部僕の中に注がれていた。

そしてある日……。

「兄様、酸っぱいものが食べたい」

僕は酸っぱいものが食べたくなった。

「へぇ、もしかして吐き気があったりする?」

兄様が僕の体調を言い当てた。兄様すごい! 預言者?

「うん、たまに……」

「よしっ!」

兄様が花がほころぶようにほほ笑む。今まで見た中で一番きれいな笑顔だった。

「おめでたですね」

僕の体を診察してくれた女医さんが言った。塔からでるのも、兄様以外の人に合うのも三カ月振り。

「ふぇっ?」

おめでたっておめでたいって意味だよね? 何がおめでたいの?

「やったぁっ!!」

兄様はガッツポーズをし、僕をお姫様抱っこしたして、くるくると回りだした。

「兄様、目が回るよ~!」

「ふははははっ! やったよエミリー!!」

僕は、こんなに嬉しそうな顔ではしゃぐ兄様を初めて見た。

「リーヴェス様落ち着いてください、エミリー様のお腹には……」

女医さんが兄様をたしなめる。

「ああそうだったね、つい嬉しくて」

兄様が僕を床に下ろした。僕の目はくるくると回っていた。

「兄様、おめでたってなぁに?」

僕が小首をかしげると、兄様はキョトンとした顔をし、直接盛大に吹き出した。

「もう、兄様笑うなんてひどい!」

僕が頬をふくらませると、兄様は「ごめん、ごめん」と笑いながら謝った。

「おめでたって言うのはね、赤ちゃんが出来たって意味なんだよ」

「赤ちゃん? 誰に赤ちゃんができたの?」

「エミリーのお腹の中に赤ちゃんがいるんだよ、私とエミリーの子だ」

「ふぇっっ?!」

兄様が僕を床におろし、僕のお腹を撫でる。

「だって、えっと、赤ちゃん……って、あの……そうだ……! 僕、男だよ!」

赤ちゃんが出来たなんて何かの間違いだよね?

「エミリーは本当に無垢だね、男でも妊娠するんだよ、女の子より妊娠しにくいけどね」

兄様がくすりと笑う。

「えっ!? そうなの?」

だから兄様は僕の中に子種を注ぎながら「はらめ、孕め!」って呪文のように言ってたの?

「エミリーのここに僕の子種をたくさん注いだ甲斐があったよ」

兄様がにこにこしながら僕のお腹を撫でる。

お医者さんの前でそんなこと言わないでよ! 僕の頬が熱を持つ。

「結婚しようエミリー」

兄様がひざまずいて僕の手を握った。

「ふえっ?」

兄様に真剣な眼差しを向けられ、心臓がバクンバクンと音を立てる。

「でも、兄様と僕は兄弟なのに……」

兄弟で結婚でるのかな? だめだったよね? 多分? 無知な僕でもそれぐらい知ってる。

「ああ、その点は心配いらないよ」

兄様の瞳がキラリと光る。兄様から黒いオーラが出てる気がするけど気のせいだよね?


◇◇◇◇◇

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