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5 九歳、基礎知識学習編
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もし、成長したガーベラが九歳の時を振り返ったら――彼女は「知識を蓄えた歳」であったと言うだろう。
基礎体力の向上訓練に加え、この歳からは知識に関する基礎訓練も追加されるようになったからだ。
『Hey! Girl! 今日は運命に抗う為の正しい言葉使いを教えてやろう!』
いつものように本を開くと、現れたのはカウボーイハットを被ったカイゼル髭のおじさんだった。彼は黒板の前に立ち、手には白のチョークを持って「HAHAHA!!」と笑う。
『いいか? 喧嘩を売ってくる野郎ってのは大体がバカだ。野郎共はこの世で一番強いのが自分だと思い込んでやがる。だから誰が一番強いのか教えてやるのさ』
ニィ、と笑ったおじさんは対人での心得を教えてくれるようだ。これは何も戦闘に至った時に限らず、舌戦であった際も有効な手段であると説明を加えた。
『一番肝心なのは相手と対峙した時だ。まず最初の一言で相手に自分よりも強いんじゃないか、という印象を与える。相手の心理状況ってやつァ、どんな時でも重要な要素になるからな』
すると、おじさんは黒板に謎の文字を書き始めた。
白色で書かれていく文字はこの世界に存在しない言語であり、ガーベラが謎の文字に対して「読めないなぁ」と首を傾げるも、それはいらぬ心配であった。
『クソ野郎と対峙した時、まずこう言うんだ。Fuck you! Motherfucker!」
なんとリスニング付きだ。
カウボーイハットのおじさんが中指を立てながら言葉を口にした後、ガーベラに向かって「繰り返して」と言う。
「Fuck you! Motherfucker!」
『Good!』
おじさんはガーベラの発音に対し「その調子!」と褒め称えた。
『次はムカつく野郎のケツを蹴飛ばした後に言う言葉だ! Kiss my ass!』
「Kiss my ass!」
『Good!』
おじさんはガーベラの飲み込みの良さにえらく感心したのか、彼女を指差して笑いながら『YES! So,Good!』と繰り返した。
『次は応用編だ! Fuck You! cocksucker!」
「Fuck You! cocksucker!」
『Good! 常に中指を立てるのを忘れずにな!』
幼いながらもガーベラの言い方は、なかなか様になっている。言葉の意味も含めて学んだ言葉が、この世に生きる者達に通じるかどうかは別問題であるが。
こうした言葉に関する知識を始め、立ちはだかる相手に対してどのように対処するべきか、または対処する方法などを学んでいく。
ただ、魔法の本が教えてくれるのは戦闘に関する事が主であった。未だ暴力で優劣をつけるのが主流である現在では、避けられぬ方法であるのも確かだ。
しかし、ガーベラの基本的な立場は「貴族」である。
「お嬢様。運命に抗って、それを成し遂げた後の事も考えねばなりません」
魔法の本での訓練が終わった後、モナはリビングで寛ぐガーベラへ告げた。
ガーベラは人生の半ばで死を迎える運命にある。
それに抗うのが最大の目標であるが、仮に成し遂げたとしても彼女の人生は終わりじゃない。死の運命を覆したあと、彼女は貴族として生きていかねばならない。
「ですので、貴族令嬢としての振舞いやマナーを身に付けねばなりません」
死の運命を覆したあと、彼女に待っているのは貴族として幸せに過ごす日々だ。この世界、この時代において貴族令嬢の「幸せ」とは有能な男子と結婚して家庭を築く事が常識であった。
家名と血筋を後世に残す事も重要であるが、やはり愛に満ちた生活を送るのも幸せと言えるのではないだろうか。
死んでしまった彼女の母も、生前はいつも父と寄り添いながら幸せに笑っていた事を思い出すと、ガーベラも「自分もお母様のように笑って過ごしたい」と思う。
その為には令嬢として恥ずかしくない所作や礼節を覚えるのは必須だろう。
「確かにそうね。乙女として殿方の心をFuckする為の訓練は必要だわ」
「……はい」
一瞬、モナは耳を疑った。今なんて言った? と。だが、一旦心の隅に置いておき、会話を再開する。
「今日から言葉遣い、所作について学びましょう」
「うん」
「うん、ではなく、はい、ですよ。お嬢様」
「はい」
令嬢としてのマナー学習については、他の家に比べると開始した時期は遅いくらいだろう。
その代わりとしてガーベラは基本的な学習――文字や計算等――に関しては先取りしているといった状況。加えて、これらの知識はもう既に完璧である。
頭の良いガーベラであればモナが指導する学習もすぐに覚えられるに違いない。
モナはまず最初に正しい言葉遣いを教えた。所謂、丁寧語というやつだ。そこに令嬢としての普段使う言葉のニュアンスや表現方法を加えて教えていく。
教えた後は実戦あるのみだ。こういった事は体に染み込ませるのが一番である。まずはモナを相手と見立てての実戦形式による会話練習が始まった。
「ごきげんよう、ガーベラ様」
「ごきげんよう、Motherfu――モナさん」
ガーベラはとんでもない事を言いかけると慌てて言い直す。更におっ立てた中指を背中に隠した。
初めてだからしょうがない。初めてだからしょうがないのだ。
何度かモナを相手に練習した後「令嬢として相応しい言葉遣いを今日から使っていくように」と締めくくり、日常でも訓練していくという方針を告げる。
口頭での指導ではあったが、終わった後に訪れたシチュエーションは「学習後に紅茶を一杯」である。
「モナ、紅茶がFuckin' Hotですわ。この場合は、ふーふーしてよろしいのかしら?」
ガーベラの良いところは、分からない箇所があれば素直に聞くところだろう。
それに「クソあちぃ」と言ってしまったものの、中指をおっ立てなかったのは学習の成果が早速出ていると言える。
「……お嬢様。とても熱い、です。それと人前でふーふーしてはいけませんよ。冷めるのを待ちましょう」
「わかった――わかりましたわ」
ガーベラはふーふーせず、膝の上に手を置いたまま少し待つ。冷めたかな、と小さな声で漏らすとゆっくりカップに口をつけた。
「――ッ!? Holy shit!!」
紅茶はまだクソ熱かったようだ。
基礎体力の向上訓練に加え、この歳からは知識に関する基礎訓練も追加されるようになったからだ。
『Hey! Girl! 今日は運命に抗う為の正しい言葉使いを教えてやろう!』
いつものように本を開くと、現れたのはカウボーイハットを被ったカイゼル髭のおじさんだった。彼は黒板の前に立ち、手には白のチョークを持って「HAHAHA!!」と笑う。
『いいか? 喧嘩を売ってくる野郎ってのは大体がバカだ。野郎共はこの世で一番強いのが自分だと思い込んでやがる。だから誰が一番強いのか教えてやるのさ』
ニィ、と笑ったおじさんは対人での心得を教えてくれるようだ。これは何も戦闘に至った時に限らず、舌戦であった際も有効な手段であると説明を加えた。
『一番肝心なのは相手と対峙した時だ。まず最初の一言で相手に自分よりも強いんじゃないか、という印象を与える。相手の心理状況ってやつァ、どんな時でも重要な要素になるからな』
すると、おじさんは黒板に謎の文字を書き始めた。
白色で書かれていく文字はこの世界に存在しない言語であり、ガーベラが謎の文字に対して「読めないなぁ」と首を傾げるも、それはいらぬ心配であった。
『クソ野郎と対峙した時、まずこう言うんだ。Fuck you! Motherfucker!」
なんとリスニング付きだ。
カウボーイハットのおじさんが中指を立てながら言葉を口にした後、ガーベラに向かって「繰り返して」と言う。
「Fuck you! Motherfucker!」
『Good!』
おじさんはガーベラの発音に対し「その調子!」と褒め称えた。
『次はムカつく野郎のケツを蹴飛ばした後に言う言葉だ! Kiss my ass!』
「Kiss my ass!」
『Good!』
おじさんはガーベラの飲み込みの良さにえらく感心したのか、彼女を指差して笑いながら『YES! So,Good!』と繰り返した。
『次は応用編だ! Fuck You! cocksucker!」
「Fuck You! cocksucker!」
『Good! 常に中指を立てるのを忘れずにな!』
幼いながらもガーベラの言い方は、なかなか様になっている。言葉の意味も含めて学んだ言葉が、この世に生きる者達に通じるかどうかは別問題であるが。
こうした言葉に関する知識を始め、立ちはだかる相手に対してどのように対処するべきか、または対処する方法などを学んでいく。
ただ、魔法の本が教えてくれるのは戦闘に関する事が主であった。未だ暴力で優劣をつけるのが主流である現在では、避けられぬ方法であるのも確かだ。
しかし、ガーベラの基本的な立場は「貴族」である。
「お嬢様。運命に抗って、それを成し遂げた後の事も考えねばなりません」
魔法の本での訓練が終わった後、モナはリビングで寛ぐガーベラへ告げた。
ガーベラは人生の半ばで死を迎える運命にある。
それに抗うのが最大の目標であるが、仮に成し遂げたとしても彼女の人生は終わりじゃない。死の運命を覆したあと、彼女は貴族として生きていかねばならない。
「ですので、貴族令嬢としての振舞いやマナーを身に付けねばなりません」
死の運命を覆したあと、彼女に待っているのは貴族として幸せに過ごす日々だ。この世界、この時代において貴族令嬢の「幸せ」とは有能な男子と結婚して家庭を築く事が常識であった。
家名と血筋を後世に残す事も重要であるが、やはり愛に満ちた生活を送るのも幸せと言えるのではないだろうか。
死んでしまった彼女の母も、生前はいつも父と寄り添いながら幸せに笑っていた事を思い出すと、ガーベラも「自分もお母様のように笑って過ごしたい」と思う。
その為には令嬢として恥ずかしくない所作や礼節を覚えるのは必須だろう。
「確かにそうね。乙女として殿方の心をFuckする為の訓練は必要だわ」
「……はい」
一瞬、モナは耳を疑った。今なんて言った? と。だが、一旦心の隅に置いておき、会話を再開する。
「今日から言葉遣い、所作について学びましょう」
「うん」
「うん、ではなく、はい、ですよ。お嬢様」
「はい」
令嬢としてのマナー学習については、他の家に比べると開始した時期は遅いくらいだろう。
その代わりとしてガーベラは基本的な学習――文字や計算等――に関しては先取りしているといった状況。加えて、これらの知識はもう既に完璧である。
頭の良いガーベラであればモナが指導する学習もすぐに覚えられるに違いない。
モナはまず最初に正しい言葉遣いを教えた。所謂、丁寧語というやつだ。そこに令嬢としての普段使う言葉のニュアンスや表現方法を加えて教えていく。
教えた後は実戦あるのみだ。こういった事は体に染み込ませるのが一番である。まずはモナを相手と見立てての実戦形式による会話練習が始まった。
「ごきげんよう、ガーベラ様」
「ごきげんよう、Motherfu――モナさん」
ガーベラはとんでもない事を言いかけると慌てて言い直す。更におっ立てた中指を背中に隠した。
初めてだからしょうがない。初めてだからしょうがないのだ。
何度かモナを相手に練習した後「令嬢として相応しい言葉遣いを今日から使っていくように」と締めくくり、日常でも訓練していくという方針を告げる。
口頭での指導ではあったが、終わった後に訪れたシチュエーションは「学習後に紅茶を一杯」である。
「モナ、紅茶がFuckin' Hotですわ。この場合は、ふーふーしてよろしいのかしら?」
ガーベラの良いところは、分からない箇所があれば素直に聞くところだろう。
それに「クソあちぃ」と言ってしまったものの、中指をおっ立てなかったのは学習の成果が早速出ていると言える。
「……お嬢様。とても熱い、です。それと人前でふーふーしてはいけませんよ。冷めるのを待ちましょう」
「わかった――わかりましたわ」
ガーベラはふーふーせず、膝の上に手を置いたまま少し待つ。冷めたかな、と小さな声で漏らすとゆっくりカップに口をつけた。
「――ッ!? Holy shit!!」
紅茶はまだクソ熱かったようだ。
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